ものづくり補助金平成30年度製造業鹿児島県

QRコードを利用した図面管理サービスの提供及び刻印業務の改善

株式会社末吉精密工業

成果刻印業務のリードタイムが98%以上短縮された。

この事例のポイント

  • 刻印業務がボトルネックになっており、リードタイムや薬品使用による労働衛生の問題を抱えていた。
  • ハイブリッドレーザマーカを導入し、QRコードの印字と刻印作業を行えるようにした。
  • 刻印業務のリードタイムが98%以上短縮された。刻印業務のリードタイムが98%以上短縮され、薬品を使わなくなったことで労働衛生の問題も解決した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社末吉精密工業
所在地鹿児島県 曽於市
業種生産用機械器具製造業
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

当社はゲージや検査治具の製造メーカーで、検査治具は一品一様で顧客の図面に基づき製造している。リーマンショック後に顧客が内製化するようになり、利益が出にくく不安定な経営になっていた。親会社は創業65年の老舗ゲージ屋で、その技術を受け継いでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術刻印業務がボトルネックになっており、リードタイムや薬品使用による労働衛生の問題を抱えていた。
  • 生産能力リーマンショック後に顧客が内製化し、利益の出にくい不安定な経営になっていたため、ゲージ・検査治具以外の主力商品の増加と設計段階から受注できる付加価値の向上が必要だった。

やったこと

ハイブリッドレーザマーカを導入し、QRコードの印字と刻印作業を行えるようにした。特別な技術を必要としないパソコンでの操作と、自社製作の刻印専用架台による位置合わせの簡易化を図り、刻印専従者以外でも作業できるようにした。旧来の彫刻機や薬品を使う刻印から、レーザマーカによる作業へ完全に移行した。これにより「図面管理サービス」を付加価値として加えた設計製作の販売体制を整えた。

加工機3Axisハイブリッドレーザマーカ

新しい製品・サービス:QRコードを利用した図面管理サービス

事業の効果

  • 刻印業務のリードタイムが98%以上短縮された。

刻印業務のリードタイムが98%以上短縮され、薬品を使わなくなったことで労働衛生の問題も解決した。刻印作業は専従者以外でも従事できるようになり、仕事の標準化を達成した。導入設備を活かして図面管理サービスを付加価値として加えた設計製作の販売を強化し、受注も増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    親会社の老舗ゲージ屋の技術を受け継ぎ、検査治具の製造を主力としてきたことは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リーマンショック後に顧客が内製化し利益が出にくくなったという外部環境と、職人技術の継承という強みは書かれているが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    利益が出にくい状況を課題として認識し、刻印の改善とQRコードの図面管理サービスで設計段階からの受注を目指す計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、リードタイム98%以上短縮という改善効果がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    刻印専従者以外でも作業できるよう標準化したことは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    QRコードによる図面管理サービスを付加価値として提供し、受注も増えていると具体的に書かれ、顧客への提供価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は自粛していた新市場への営業活動に注力すると書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    刻印業務の付加価値として独自のQRコード図面管理サービスを提供するとあり、同分野での差別化はうかがえるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ものづくり技術の継承や地域の製造業の受注確保といった意義がうかがえるが、波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    刻印工程のリードタイム98%以上短縮や薬品使用の廃止は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    QRコードの図面管理サービスという新しいサービス形態でサプライチェーンの効率化に寄与し得ることがうかがえるが、イノベーションの波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島県曽於市の地域で製造業を営み、職人技術を活かして独自技術を目指す点は読み取れるが、地域経済への効果の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

職人の技術と最新設備をハイブリッドさせた独自技術を目指し、図面管理サービスの受注増加を受けて、新型コロナの影響で自粛していた新たな市場への営業活動に注力していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。