ものづくり補助金平成28年度製造業徳島県

絶縁材料中の微小弱磁性金属除去装置の開発

ダイカテック株式会社

この事例のポイント

  • 半導体用封止材料には回路をショートさせる金属混入が許されず、除去すべき金属サイズが50μm以上から10〜20μm以上へと厳しくなっている。
  • 薄肉パイプを密封溶接可能なYAGレーザ溶接機を導入し、薄物溶接を実現した。
  • 試作品を顧客企業で評価した結果、磁束密度アップの効果が認められ、納入品の改造計画と試作品以上の製品開発要望につながった。

事業者のプロフィール

事業者名ダイカテック株式会社
所在地徳島県 徳島市
業種生産用機械器具製造業
技術分野製造環境
従業員数11人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

当社の主力商品は、粉体・液体中から磁性金属を除去する強力な磁石を組み込んだ除鉄装置である。半導体業界では、シリコンウエハーに加工したデバイスを外部から保護する絶縁材料への微小金属混入の除去要望が年々強まっている。超LSIの集積度向上により、除去すべき金属サイズはこの10年で50μm以上から10〜20μm以上へと厳しくなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度半導体用封止材料には回路をショートさせる金属混入が許されず、除去すべき金属サイズが50μm以上から10〜20μm以上へと厳しくなっている。
  • 生産能力棒磁石の最大磁束密度は被覆ステンレスパイプの板厚に左右され、薄肉パイプを密封溶接する技術が不足していた。

やったこと

薄肉パイプを密封溶接可能なYAGレーザ溶接機を導入し、薄物溶接を実現した。これにより他にない高磁力(最大磁束密度)を有する棒磁石を開発し、薄肉ステンレスパイプおよび高磁束密度の棒磁石の試作を行った。完成品を顧客企業で評価し、絶縁材料中の微小弱磁性金属除去装置を開発した。

加工機YAGレーザ溶接機

新しい製品・サービス:絶縁材料中の微小弱磁性金属除去装置(業界最高の磁束密度を有する棒磁石を用いた除去装置)

事業の効果

試作品を顧客企業で評価した結果、磁束密度アップの効果が認められ、納入品の改造計画と試作品以上の製品開発要望につながった。本開発製品の除去性能が評価されたことから、客先の新規設備投資を待たずにサンプル製品を多く準備し、客先ニーズを掘り起こす販売戦略を実行する計画である。今後10年間で市場シェア50%の獲得を目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    主力は粉体・液体から磁性金属を除去する除鉄装置で、その延長として高磁力棒磁石を開発した一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体封止材の金属混入は絶対不可という顧客ニーズに着目し、除去サイズが50μmから10〜20μmへ厳しくなった点を踏まえ、業界最高の磁束密度を目指したと読める。

  • 課題の認識と解決4

    除去金属サイズが10年で50μm以上から10〜20μm以上へ厳しくなった課題を認識し、薄肉パイプ密封溶接で磁束密度を高める解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    今後10年間で市場シェア50%の獲得を目標としており目標値はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、実現可能性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員数11名と記載されるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は半導体封止材の金属除去を求めており、試作品を顧客企業で評価して磁束密度アップの効果が認められたという、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作品評価、納入品改造計画、サンプル製品の多数準備という流れは読み取れるが、スケジュールや課題解決方法の具体的記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界最高の磁束密度を持つ棒磁石を開発し、同分野で高水準の性能による差別化を図る内容として読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    半導体封止材の金属混入防止という産業上のニーズはうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果2

    付加価値額や生産性の数値は示されていないが、試作品以上の製品開発要望につながった成果はうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    YAG レーザ溶接による薄物溶接技術の活用は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及2

    徳島県の企業である点はわかるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後10年間で市場シェア50%の獲得を目標に、開発製品の販売を実施する計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。