ものづくり補助金平成30年度製造業鹿児島県

ブランド食材を使用した高級弁当市場における米飯製造工程の高度化

株式会社松栄軒

この事例のポイント

  • 米飯の品質について顧客から向上の要望が寄せられていた。
  • 炊飯システムを導入し、かまど炊きに近い火力配列で米飯を衛生的に大量生産できる体制を整えた。
  • 炊飯開始から出荷までの時間を大幅に短縮し、米飯の品質と鮮度が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社松栄軒
所在地鹿児島県 出水市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,機械制御,材料製造プロセス
従業員数54人
資本金1,000万円
設立1953年

事業の背景

同社は昭和4年に鉄道省公認の出水駅汽車辨當店として創業した駅弁メーカーで、駅や旅行社向けの販売に頼る経営だった。東京オリンピック・パラリンピックや鹿児島国体などの大型イベントを見込んでいたが、コロナ禍で延期となり大きな影響を受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度米飯の品質について顧客から向上の要望が寄せられていた。
  • コスト・採算売上の伸びに伴い米飯の仕入コストが経営の負担になっていた。
  • 生産能力従来の設備では納品先の衛生検査基準をクリアできず、米飯製造を外注していた。
  • その他産地や銘柄が指定されるなど注文が細分化し、このままでは安定した支持を維持できない恐れがあった。

やったこと

炊飯システムを導入し、かまど炊きに近い火力配列で米飯を衛生的に大量生産できる体制を整えた。導入したのはガス半自動炊飯システムと省エネ型ガス連続炊飯機である。炊飯開始から商品出荷までの時間を大幅に短縮した。産地・銘柄の表記にも対応できるようになった。冷凍設備も新設し、賞味期限の大幅な延長を可能にした。

加工機ガス半自動炊飯システム
加工機省エネ型ガス連続炊飯機
その他冷凍設備

新しい製品・サービス:弁当をメインとした冷凍商品

事業の効果

炊飯開始から出荷までの時間を大幅に短縮し、米飯の品質と鮮度が飛躍的に向上した。生産コストの削減も可能になり、産地・銘柄の表記にも応えられるようになった。地元スーパーや全国展開の大手企業との取引が始まり、今後の売上増と販路拡大に期待が持てる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    駅弁メーカーとして長年の実績があり、食品メーカーへの業態変更を進めていると読めるが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    鹿児島県産米やあきほなみ使用など産地・銘柄表記が可能になったとあり、顧客要望への対応力は読み取れるが、競合比較や市場分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注米飯や仕入コストの課題を挙げ、炊飯システム導入で内製化し、冷凍商品開発や販路拡大につなげる方向が具体的に示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標数値は示されておらず、生産コスト削減の可能性が述べられる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    社員54名の規模や社長名は記載があるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    かまど炊きに近い火力、産地銘柄表記、顧客から『ごはんが美味しくなった』の声が多数あるなど、選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    冷凍設備新設や賞味期限延長、販路拡大の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ブランド食材を使う高級弁当市場での米飯製造高度化とされ、高付加価値化を図る方向性はうかがえるが、水準の数値は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地元スーパーや全国展開企業との取引開始、地域食材の活用がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の具体的数字はない。

  • 費用対効果2

    生産コスト削減や鮮度向上は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    冷凍商品開発や駅弁から食品メーカーへの転換がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島県産米を使い地域食材の高付加価値化を図る点が読み取れるが、地域経済の牽引への具体的言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

賞味期限の延長により、日本全国はもちろん世界も視野に入れた販路拡大を目指している。今後は弁当をメインとした冷凍商品の開発にも注力していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。