ものづくり補助金平成24年度岡山県

ベルトスリングの生産合理化、短納期化を実現

明大株式会社

この事例のポイント

  • ベルトスリングの縫製は熟練者の手作業に頼っており、品質面や生産性に限度がある。
  • 熟練者の手作業だった縫製を機械化するため、操作の容易な自動ミシンを開発した。
  • 自動ミシンが縫製している間に作業者は後工程など別の仕事ができ、現場全体の生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名明大株式会社
所在地岡山県 倉敷市
業種繊維工業
技術分野位置決め
従業員数34人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

明大株式会社は昭和38年に織物業として創業し、綿織機を改造してベルトの製織を始めた。ロックスリングシリーズなど多品種のベルトスリングを生産し、特殊織物業界をリードしてきた。ベルトスリングは軽量で安全性に優れ、金属製ワイヤーロープに代わる製品として支持されている。JIS最高グレードのIV等級品は、同じ使用荷重でⅡ等級品より幅が狭く軽いため作業性が高いが、安定生産できるメーカーは少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ベルトスリングの縫製は熟練者の手作業に頼っており、品質面や生産性に限度がある。
  • 人手・技能手作業の縫製は人材育成に時間を要する。
  • コスト・採算市場で需要を喚起するには生産性向上によるコストダウンが必要である。
  • 納期・工程条件に適合する製品を短期間で作るスピードが求められている。

やったこと

熟練者の手作業だった縫製を機械化するため、操作の容易な自動ミシンを開発した。大型工業用ミシンにコンピュータを搭載し、予め入力した縫製パターンでミシン下の台が動いて縫製する仕組みとした。製品を送り込むガイドを設け、ボビンの下糸がなくなる前にセンサーが検知して縫製を止めるようにした。大きな製品は約5kgあり、縫製部分は最大で幅300mm、長さ400mmを約50往復してダイヤ状に縫製する。

  • 加工機自動ミシン大型工業用ミシン、コンピュータ搭載

事業の効果

自動ミシンが縫製している間に作業者は後工程など別の仕事ができ、現場全体の生産性が向上した。手作業に比べて品質が均一化した。震災復興で幅150mm以上の大型製品の受注が増えた際にも、在庫がなく即座に対応できた。品質確保、コストダウン、短納期化を実現し、JIS IV等級品の市場拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性J1S-V等級品を安定生産できるメーカーは少ないと強みを示し、短納期化と品質確保で同社の強みになると具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業では品質面や生産性に限度があり、人材育成にも時間を要するという課題と、自動ミシンによる縫製機械化の対応が明確に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け大型製品約5kg、縫製幅最大300mmなど仕様と、復興需要で幅150mm以上の受注が増えた顧客ニーズが具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標市場拡大や生産性向上を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値、達成見込みの数値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和38年創業後にベルトの製織を始め、オリジナル製品開発を進めてきたことは読み取れるが、事業計画の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    J1S-V等級品を安定生産できるメーカーは少ないと強みを示し、短納期化と品質確保で同社の強みになると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では品質面や生産性に限度があり、人材育成にも時間を要するという課題と、自動ミシンによる縫製機械化の対応が明確に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    市場拡大や生産性向上を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値、達成見込みの数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練者の手作業から自動ミシンへ移行し、職場全体で人を柔軟に配置する組織作りを目指すと書かれているが、補助事業の体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型製品約5kg、縫製幅最大300mmなど仕様と、復興需要で幅150mm以上の受注が増えた顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    自動ミシンの改良を誰もが短期間で使えるようにすることが必要と述べられているが、スケジュールや解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ベルトスリングは金属ワイヤーに代わる製品として支持されているが、高水準の高付加価値化・高価格化の具体的な位置付けは限定的である。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    復興需要で大きなサイズの製品の受注が増えたとあるが、国が補助する波及効果や雇用創出への言及は読み取れない。

  • 費用対効果2

    自動化によるコストダウンと短納期化は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    コンピュータに縫製パターンを入力し、センサーで自動停止する仕組みは述べられているが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県倉敷市に所在することは示されているが、地域の特性を活かした経済成長や雇用への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

繊維スリング業界は震災復興需要や製品の安全性・耐久性への理解から好況が続いている。当社は高性能品・特注品に注力し、受注に応じて職場全体で人を柔軟に配置できる組織作りを目指す。そのために自動ミシンを誰もがより短期間で使えるよう改良する必要がある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。