ものづくり補助金平成24年度岡山県

3Dスキャニングデータを活用した金型修理

有限会社中山鉄工所

成果従来方法に比べて41%の工数削減が見込めることを検証した。

この事例のポイント

  • 金型業界は小規模企業が多く、高齢化や後継者不在で廃業が続いており、今後生き残るには工数低減と納期短縮が重要な課題となっている。
  • 3Dスキャナーを用いて破損金型をデータ化し、データ化されていない破損金型修理の工数を低減する方法を検証した。
  • 従来方法に比べて41%の工数削減が見込めることを検証した。金型の補修に3Dスキャナー、3Dプリンターを用いることで、補修の大幅な工数削減が可能なことを検証した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中山鉄工所
所在地岡山県 倉敷市
業種一般機械器具製造業
技術分野金型
従業員数25人
資本金600万円
設立1961年

事業の背景

金型の市場は平成24年度実績で3,376億円(738,000型)である。金型企業は20人以下の会社が90%近くを占め、平成10年の約13,000社から平成24年には約8,000社まで減少している。自動車向け金型はIT技術の進展によりデータ処理で工数低減と納期短縮が実現されている一方、データ化以前の金型修理は職人の経験に頼っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金型業界は小規模企業が多く、高齢化や後継者不在で廃業が続いており、今後生き残るには工数低減と納期短縮が重要な課題となっている。
  • 人手・技能データ化以前の古い金型や生産現場で織り込まれた金型の修理はデータによる一元管理がされておらず、職人の経験と勘に頼った修理が行われている。
  • コスト・採算破損金型の修理では手作業による樹脂補修と測定を設計値に合うまで繰り返すため、工数がかかっている。

やったこと

3Dスキャナーを用いて破損金型をデータ化し、データ化されていない破損金型修理の工数を低減する方法を検証した。対象は自動車用金型(ナックルアーム)を用いたバリ抜き金型である。設計データがある場合は、破損金型のスキャンデータと設計データとの差分から肉盛り形状を求めた。設計データがない場合は、現物のナックルアームをスキャンして3Dプリンターで検討モデルを作成し、破損金型のスキャンデータと比較して補修部の形状データを導き、溶接による肉盛りとNC加工で補修部を仕上げた。3Dプリンターで作成した金型モデルを用いてお客様との確認と承認作業を行い、トータルの納期短縮も図った。

事業の効果

  • 従来方法に比べて41%の工数削減が見込めることを検証した。

金型の補修に3Dスキャナー、3Dプリンターを用いることで、補修の大幅な工数削減が可能なことを検証した。補修は1回の作業で目標精度を満たすようになり、従来のトライ&エラーによる複数回の補修が不要になった。今後は金型修理の工数削減と短納期化を進めるとともに、リバースエンジニアリングの手段としても活用して売上の拡大につなげたいとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決金型修理の工数を41%削減する見込みを検証し、3Dプリンターで承認作業を行い納期短縮を同時に実現すると課題と解決策を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標従来方法に比べ工数41%削減が見込めることを検証したと具体的な数字で示している。賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。
  • 4
    費用対効果従来方法に比べ41%の工数削減を検証したと具体的に示しており、費用対効果の一端が数字で読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数25人、資本金600万円とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    金型補修に職人の経験と勘に頼る現状を課題とし、データ化による工数低減を今後の事業方針として挙げている。ただし既存事業との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車向け金型はデータ化が進む一方、古い金型や現象対策の修理は一元管理されていないと外部環境を整理している。自社の強みの具体は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型修理の工数を41%削減する見込みを検証し、3Dプリンターで承認作業を行い納期短縮を同時に実現すると課題と解決策を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来方法に比べ工数41%削減が見込めることを検証したと具体的な数字で示している。賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数25人、資本金600万円とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    金型修理の納期短縮と工数削減という価値は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは金型市場の数字以外に具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ケース1とケース2の手順や従来方法との比較は示されているが、今後のスケジュールや中長期の課題検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    金型修理に3Dスキャナーや3Dプリンターを組み合わせる手法は、一般的な普及度が高いとは示されていないが、高付加価値化の記述は薄い。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    金型企業の減少や後継者不在といった業界課題、備前焼や織機部品の修復などの地域文化・ものづくり継承への関わりが示されている。

  • 費用対効果4

    従来方法に比べ41%の工数削減を検証したと具体的に示しており、費用対効果の一端が数字で読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナーと3Dプリンターを組み合わせ、データによる一元管理と承認作業の効率化を進める点は、デジタル技術の活用として具体的に読み取れる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    金型産業の減少や高齢化の課題にふれているが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    岡山県倉敷市の地元ものづくり企業として、県立博物館の依頼に応じるなど地域との関わりが示されている。

今後の展望

今後は本方法を用いて金型修理の工数削減、短納期化を実現するとともに、リバースエンジニアリングの手段としても活用して売上の拡大につなげていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。