ものづくり補助金平成24年度徳島県

粉体加工技術を適用した高機能性無機化学製品の開発

馬居化成工業株式会社

この事例のポイント

  • 安価な外国製品や同業他社との価格競争、資源価格上昇や為替変動による原材料費のコストアップに直面している。
  • ラボ用混合粉砕機等を使い、表面処理剤にステアリン酸とメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて微粒無水硫酸マグネシウムの表面処理の小規模実験を行った。
  • 粉体加工技術を適用し、溶解速度を制御した表面処理微粒無水硫酸マグネシウムの製造方法を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名馬居化成工業株式会社
所在地徳島県 鳴門市
業種無機化学工業製品製造業
技術分野高機能化学合成
従業員数55人
設立1944年

事業の背景

無機化学工業の基礎材料分野では、安価な外国製品や同業他社との価格競争、資源価格上昇や為替レート変動による原材料費のコストアップといった問題が生じている。一方で顧客の製品に対する品質要求は年々高まっている。会社は創業410年の企業で、硫酸マグネシウム、液体塩化マグネシウム、浴用化粧品(入浴剤)、動物用医薬品、アドブルー(排ガス処理剤)などを主要製品としている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度安価な外国製品や同業他社との価格競争、資源価格上昇や為替変動による原材料費のコストアップに直面している。
  • 新製品・新技術顧客の細やかな品質要望に応えるため、製品を高機能化して海外製品や他社製品と差別化し、競争力を向上させる必要がある。

やったこと

ラボ用混合粉砕機等を使い、表面処理剤にステアリン酸とメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて微粒無水硫酸マグネシウムの表面処理の小規模実験を行った。その結果、期待する機能を得るには両者を混合後に加熱処理することが必要と分かった。次に、小規模実験で得られた最適添加条件で、20リットル流動式混合機等を用いて中規模の表面処理実験を行った。これにより、溶解速度を制御した表面処理微粒無水硫酸マグネシウムの製造方法を確立した。さらに目的の温感材料として利用するため粒子径を調整し、溶解速度を制御した機能を有する製造方法を確立した。

加工機ラボ用混合粉砕機
加工機20リットル流動式混合機

新しい製品・サービス:粉体加工技術を適用した、溶解熱を利用する温感材料向けの表面処理微粒無水硫酸マグネシウム

事業の効果

粉体加工技術を適用し、溶解速度を制御した表面処理微粒無水硫酸マグネシウムの製造方法を確立した。これにより温感材料として利用できる機能を持つ製品の製造が可能になった。今後は展示会やホームページでのPRなどで認知度を高め、3年以内に主要顧客を獲得することを目指す。5年後には年間10トン規模での本格事業化を計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業410年で時代とともに発展してきたとあり、粉体加工による無機化学製品開発の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製品や同業他社との価格競争への対策として高機能化による差別化を目指すとあるが、自社の強み・経営資源の具体的記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    国際競争力の低下という課題認識と、高機能化による差別化の方向性は示されるが、高付加価値化の数値的な計画は書かれていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    3年以内に主要顧客獲得、5年後に年間10トン規模の販売数量で本格事業化という数値目標が示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数55人とあるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無水硫酸マグネシウムの溶解熱(水1000gで18℃上昇)と人体への有害性がないことを示し、化粧品関連での温感材料としての用途が明確。

  • 事業化までの道筋4

    小規模・中規模の試作段階を経て製造方法を確立し、認知度向上策、他分野展開、専用工場建設などの段階的な計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無水硫酸マグネシウムの溶解熱に着目した商品は市場に少なく認知度が低いと明記され、新市場開拓の性格が強い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国内基礎材料分野の価格競争や原材料費上昇が課題とされるが、経済波及効果や雇用創出への言及はうかがえない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加を示す数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    温感材料としての新用途開拓が記述されるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    徳島県鳴門市の企業とあるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作品の展示やホームページ、業界紙広告などで認知度を高め、3年以内に主要顧客の獲得を目指す。化粧品関連顧客を増やすとともに工業用分野への展開も図る。5年後には年間10トン規模の販売で本格事業化し、粉砕機などの設備拡充や専用工場の建設で工業的な量産体制を整える計画である。

  • 目標:無水硫酸マグネシウム100gを水1000gに溶解すると温度を18℃上昇させる発熱能力がある(既存の性質の記述)
  • 目標:5年後には年間10トン規模の販売数量で本格事業化を目指す

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。