ものづくり補助金平成24年度徳島県

回転円盤式部品供給装置外周円盤一体化製品の球面加工・精度向上と短納期化の確立

中道鉄工株式会社

成果製造期間 3か月→2か月

この事例のポイント

  • 現有設備では外周円盤一体化製品の可能加工最大径、加工精度、表面粗さ、球面加工に問題があった。
  • NC正面旋盤を導入し、直径1100mmの大型外周円盤を高精度に加工できる体制を整えた。
  • 製造期間 3か月→2か月。NC正面旋盤の導入により外周円盤を内製化でき、リングランの納期が約1か月短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名中道鉄工株式会社
所在地徳島県 徳島市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数20人
設立1968年

事業の背景

従来の部品供給装置は振動により部品を整列・供給する方式が一般的で、部品の接触による損傷と騒音が問題となっていた。当社は回転円盤式部品供給装置「リングラン」を開発し、騒音を115dBから70dB以下に抑えた。今後ますます外周円盤一体化製品の需要が増える傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有設備では外周円盤一体化製品の可能加工最大径、加工精度、表面粗さ、球面加工に問題があった。
  • 納期・工程熟練者の旋盤加工に頼っており、外注を伴う製造期間が約3か月かかっていた。
  • コスト・採算外注に頼るため加工費が高く、価格競争への対応が難しかった。

やったこと

NC正面旋盤を導入し、直径1100mmの大型外周円盤を高精度に加工できる体制を整えた。球面加工では、内径600mmの外周円盤一体化製品の回転壁でR100mmからR300mmが必要なところ、外注ではR200mmまでが限度だったのに対し、NC旋盤でR500mmまで加工できるようにした。外周円盤加工治具を旋盤に設置し、表面粗さ6.3s以下に加工できるかを検証した。加工した一体型外周円盤が要求どおり駆動するか、球面加工した製品が求められるクリアランスを達成するかも確認した。

加工機NC正面旋盤(大型NC旋盤)

新しい製品・サービス:回転円盤式部品供給装置「リングラン」の外周円盤一体化製品

事業の効果

  • 製造期間 3か月→2か月
  • 球面加工の最大R 200mm→500mm
  • 加工コスト 100%→40%

NC正面旋盤の導入により外周円盤を内製化でき、リングランの納期が約1か月短縮された。必要な時にタイムロスなく加工できるため納期短縮に貢献し、加工費も外注の約4割で済むことを確認した。納期短縮とコストダウンによって市場での競争力が高まり、性能面の優位性に加えて価格競争にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    部品供給装置「リングラン」の製造工程改善が中心で、従来製品の課題解決という一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    振動式の騒音115dBを70dB以下に抑え、消費電力も0.4kWから0.04kWとする優位性や、振動型から回転円盤式への市場転換の見通しが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    球面加工できない、外注で納期約3か月かかるという課題を、NC正面旋盤導入で内製化し製造期間を約1か月短縮する計画が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造期間を約1か月短縮、外注加工費の約4割で加工できると目標が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対象部品が電子部品や自動車部品へ広がっている需要や、騒音・損傷の少なさという選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    NC旋盤導入、R500mm加工、表面粗さ6.3s以下の検証など手順は示されるが、スケジュールや中長期の検証の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    振動式に対する回転円盤式の優位性や、今までにない次世代の供給装置と述べられ、同分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品や電子部品製造向けの供給装置としての用途はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及は見当たらない。

  • 費用対効果4

    約1/10の消費電力、約4割の外注加工費、約1か月の期間短縮など、コストと効果の数字が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    騒音低減や省エネルギーに関する記述はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    部品供給装置の方式転換が傾向として書かれるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    徳島市の企業であることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

振動型から回転円盤式への転換が進むと見込み、自動車部品、電子部品、工業用製品の部品供給装置のシェアを増やし市場展開を進める。

  • 目標:騒音 115dB→70dB
  • 目標:消費電力量 0.4kW→0.04kW

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。