ものづくり補助金平成24年度香川県

3次元CADを活用した紙製立体構造製品の設計開発と量産体制の確立

hacomo株式会社

この事例のポイント

  • 従来は3面図をもとに設計しており、立体的な表現が難しく、設計に時間がかかっていた。
  • 薄い段ボール(1mmGF)を採用し、厚紙より剛性があり端面の煤も目立たない素材で製品強度を保った。
  • 自動立体構造設計支援ソフトの開発により、従来は難しかった立体的な表現が容易になった。

事業者のプロフィール

事業者名hacomo株式会社
所在地香川県 東かがわ市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野組込みソフトウェア

事業の背景

同社は社内から生まれて独立した企業で、ダンボールを素材とした組立キットの企画製造販売やパッケージデザインなどを展開している。従来の工作キットは子どもをターゲットとし、価格は1000円程度かそれ以下だった。新商品では比較的高い年齢層を対象に、価格帯を1500円程度とする高付加価値のレーザー加工製品で新たな市場の獲得をねらっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来は3面図をもとに設計しており、立体的な表現が難しく、設計に時間がかかっていた。
  • 品質・精度当初予定の厚紙は薄く剛性が不足して組み立て時に不具合が生じ、レーザーでテストカットすると端面の煤が目立った。
  • 生産能力段ボールの反りや加工機標準の治具により作業効率が上がらず、量産体制が整っていなかった。

やったこと

薄い段ボール(1mmGF)を採用し、厚紙より剛性があり端面の煤も目立たない素材で製品強度を保った。自動立体構造設計支援ソフトを開発し、まず平面展開図を切り込みに合わせて立体構造をつくるソフトを、次に三次元データから展開図を生成するソフトを開発した。開発したソフトで試作設計を行い、期間限定の直営店に試作品を置いて顧客から直接ヒアリングし、その声をもとに改良した。加工技術と品質の向上、量産化のためにレーザー加工機を導入・設置した。保管方法と空調管理を改善して段ボールの反りを防ぎ、開発製品に適した治具を鉄工所で制作して加工機標準の治具に替えた。

新しい製品・サービス:段ボールを素材とした高付加価値のレーザー加工製品(組立キット)

事業の効果

自動立体構造設計支援ソフトの開発により、従来は難しかった立体的な表現が容易になった。ターゲットの成人顧客からの直接ヒアリングで、ギフト需要が見込まれること、価格は1500円が妥当で8000円では高いと受け止められることが分かった。生産機の導入と量産体制の確立により作業効率が向上し、開発製品に適した治具によりレーザーカット時の端面の煤が減ってセット時間の短縮にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性自社独自の自動立体構造設計支援ソフトを開発し、同社ならではの製品を市場に出す点で競争優位性を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標年間売上1,000万円(6,800個)と月商50万円の目標を示し、ターゲット顧客からの価格妥当性の確認も根拠にしている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け成人顧客へのヒアリングで価格は1,500円が妥当と確認し、ギフト需要の見込みも示されており、ニーズの裏付けがある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果補助金額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字がなく、効果は触れているだけで薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の段ボール工作キット事業の延長として新製品を開発し、ものづくり文化を広める方針が事業の流れと一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社独自の自動立体構造設計支援ソフトを開発し、同社ならではの製品を市場に出す点で競争優位性を示している。

  • 課題の認識と解決3

    従来は3面図設計で立体表現が難しいという課題を認識し、ソフト開発とレーザー加工機導入で解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間売上1,000万円(6,800個)と月商50万円の目標を示し、ターゲット顧客からの価格妥当性の確認も根拠にしている。

  • 事業を進める体制3

    工程スケジュールを支援機関と詳細に管理し、書類手続きもスムーズに進めたと記載があり、遂行体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    成人顧客へのヒアリングで価格は1,500円が妥当と確認し、ギフト需要の見込みも示されており、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋4

    試作、評価、改良、生産機導入、量産体制の段階を示し、保管・空調・治具開発など課題への対応も具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    段ボールのレーザー加工による高価格帯の立体工作製品を狙い、従来の約1,000円から1,500円への高価格化を図っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    ものづくりの楽しさを世に発信する文化的意義はあるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字がなく、効果は触れているだけで薄い。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元データから展開図を生成する自動立体構造設計支援ソフトとレーザー加工機を組み合わせ、デジタル技術で製造を革新している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    香川県東かがわ市の企業が地域の段ボール素材を活かして製品を開発しており、地域事業として位置づけられる。

今後の展望

展示会に向けて10種類程度のラインナップを揃える予定である。一般販売は早々に量産を進める計画で、年間売上1000万円(6800個)を目標とし、販売開始後しばらくは月商50万円を目指す。

事業者の声

子どもにものづくりの楽しさを知ってほしい、そこから生まれるコミュニケーションを大切にしてほしい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。