ものづくり補助金平成24年度愛媛県

小ロット・短納期・低コスト対応を可能とする油圧系部品加工等設備の高度化事業

有限会社タカヨシ工業所

成果加工時間は30%減

この事例のポイント

  • 既存のNC旋盤による単管の油圧ブロック加工では製造効率が低く、多岐管マニホールドブロックの複雑形状・高精度な試作要求に対応できなかった。
  • 同時4軸加工が可能な立形マシニングセンターとロータリテーブルを導入し、DMG森精機株式会社で仕様とオプションを最終確認した。
  • 加工時間は30%減。マシニングセンターのワンチャッキングにより面一括の加工が可能になり、段取り時間が減って生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社タカヨシ工業所
所在地愛媛県 西条市
業種一般機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数13人
資本金950万円
設立1995年

事業の背景

同社は建設機械や農業機械などで使われる油圧関連部品の製造・加工を得意とし、特殊フランジやコネクターを高品質・高精度で仕上げてきた。大手建機メーカーから高精度な多岐管マニホールドブロックの試作依頼が来ていたが、既存設備では対応が難しかった。油圧装置の小型・軽量・省配管化のニーズが建設機械・農業機械で高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存のNC旋盤による単管の油圧ブロック加工では製造効率が低く、多岐管マニホールドブロックの複雑形状・高精度な試作要求に対応できなかった。
  • コスト・採算段取り替えが多く加工時間と加工コストがかかるため、小ロット・短納期・低コストの川下メーカーのニーズに応えにくかった。
  • 品質・精度後処理の洗浄機は顧客要求の洗浄基準を満たすのに一定以上の時間を要し、作業工数とコストを押し上げていた。

やったこと

同時4軸加工が可能な立形マシニングセンターとロータリテーブルを導入し、DMG森精機株式会社で仕様とオプションを最終確認した。株式会社スギノマシンでエアレーションジェット機能を備えた洗浄機の仕様を確認して導入した。面粗度、テーパー角度、汚染粒子(鉄粉)の除去を目標値に設定し、特殊切削工具は株式会社京セラに設計・製作を依頼した。洗浄用治具は同社で設計・製作した。試作品はプログラム作成後に製作し、形状測定器で評価しながら工具と加工・洗浄方法を見直した。ポート部の面粗度は当初の工具では目標に届かず、荒削り用の工具を追加して達成した。

  • 加工機立形マシニングセンターロータリテーブル付き
  • その他洗浄機エアレーションジェット機能付き特殊切削工具洗浄用治具

新しい製品・サービス:多岐管マニホールドブロック

事業の効果

  • 加工時間は30%減
  • 加工コストは15%減
  • 仕上工程の工数と併せ作業工数を50%低減
  • ポート内のシール面の面粗度は50%向上

マシニングセンターのワンチャッキングにより面一括の加工が可能になり、段取り時間が減って生産効率が向上した。ロータリテーブルの直接駆動で位置決め精度と割出精度も上がり、加工時間を短縮した。新しい洗浄機は旋回流の温水で複雑形状の死角をなくし、クリーンな品質を確保できる洗浄性能を確認した。社内に新たな加工技術とノウハウを蓄積し、量産化にも対応できる体制を構築した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性バリ・カエリのない精密な仕上げや多品種の油圧部品製作実績を強みとし、大手建機メーカーからの試作依頼に対応する経緯が具体的。
  • 4
    課題の認識と解決NC旋盤の段取り替えによる生産効率の低さを課題とし、マシニングセンターで加工時間30%減、加工コスト15%減を達成と数値で示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間30%減、加工コスト15%減、作業工数50%低減など目標達成の数値が記載され、実現性を示す実績がある。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用建機・農機の油圧部品は不具合が事故につながる重要部品とあり、産業上の重要性はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のNC旋盤加工を高度化し大手建機メーカー向け試作依頼に応える流れが書かれており、事業の延長線上の取組と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    バリ・カエリのない精密な仕上げや多品種の油圧部品製作実績を強みとし、大手建機メーカーからの試作依頼に対応する経緯が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    NC旋盤の段取り替えによる生産効率の低さを課題とし、マシニングセンターで加工時間30%減、加工コスト15%減を達成と数値で示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間30%減、加工コスト15%減、作業工数50%低減など目標達成の数値が記載され、実現性を示す実績がある。

  • 事業を進める体制3

    専属契約のDMG森精機や技術者による体制、従業員13名の記載はあるが、補助事業の遂行体制を具体的に示す記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小型・軽量・省配管化に寄与する多岐管マニホールドブロックのニーズと、大手建機メーカーからの依頼が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は大手建機メーカーの継続試作や他部品への適用、量産体制の構築を計画すると書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    油圧部品の生産見通しは堅調とあるが、多岐管マニホールドブロックの市場における普及度や高付加価値化の程度は具体的に示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    建機・農機の油圧部品は不具合が事故につながる重要部品とあり、産業上の重要性はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    加工時間30%減、加工コスト15%減、作業工数50%低減と数値で効果が示され、費用対効果の根拠が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    最新のマシニングセンターと洗浄機の導入は記載されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    愛媛県西条市の本社工場を拠点に、地域企業として油圧部品を製造する点は読み取れるが、地域特性を活かした成長の記述は薄い。

今後の展望

多岐管マニホールドブロックの受注を機に、建設機械・農業機械・工作機械メーカーを主なターゲットとして販路拡大を目指す。大手建機メーカーから試作依頼が継続して来ている。油圧系部品は海外向けを中心に生産見通しが堅調で、モーターハウジングやバルブボディなどの受注獲得も計画している。

事業者の声

自分の作った品物は後でどういった使われ方をするのか?

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。