ものづくり補助金平成24年度高知県

土佐酒を使った発泡性酒類「高知の乾杯酒」の開発

土佐鶴酒造株式会社

成果アルコール度数12%

この事例のポイント

  • 飲食開始時に地元料理と一体感をもって乾杯できる、土佐の酒らしい辛口で爽快な発泡性の乾杯酒が求められていた。
  • 発泡性酒類専用の小ロット製造充填設備として、500Lサーマルタンク(発泡化のための耐圧容器)、バッチ式パストライザー(抜栓後にシャワー状の湯で加熱殺菌)、充填設備(炭酸ガスの飛散…
  • アルコール度数12%。自社純米酒を原酒とした爽快な乾杯酒の製造に成功し、ホテルや宴会場などで好評を得て、開発目的のひとつであった日本酒で乾杯…

事業者のプロフィール

事業者名土佐鶴酒造株式会社
所在地高知県 安芸郡安田町
業種食料品製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数100人
資本金4,960万円
設立1955年

事業の背景

江戸時代中期の安永2年(1773年)創業の酒造会社で、清酒、焼酎、リキュールを製造している。近年、全国的に発泡性清酒がブームとなっており、当社でも長年製品化が検討されてきた。市販の他社の同ジャンル商品はアルコール度数を10%以下に抑えたものが多く、甘みが強い傾向にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術飲食開始時に地元料理と一体感をもって乾杯できる、土佐の酒らしい辛口で爽快な発泡性の乾杯酒が求められていた。
  • 生産能力発泡性酒類には専用の小ロット製造充填設備が必要で、小規模設備では商品化後の生産力が不足し、設備導入コストが障壁となっていた。

やったこと

発泡性酒類専用の小ロット製造充填設備として、500Lサーマルタンク(発泡化のための耐圧容器)、バッチ式パストライザー(抜栓後にシャワー状の湯で加熱殺菌)、充填設備(炭酸ガスの飛散を抑えて充填)、キャップ半自動巻締機(耐圧用28mm、常圧用30mm)を導入した。発泡化の方法は、二次発酵方式と炭酸ガス直接封入方式を試作して比較し、品質の安定性や工程管理のしやすさなどから炭酸ガス直接封入方式を採用した。既存製品の原酒では炭酸により過度にさっぱりした味わいになったため、従来品より甘みを残した原酒を造り、アルコール度数を細かく調整して試作を繰り返し、度数12%を採用した。

  • その他500Lサーマルタンクバッチ式パストライザー殺菌設備
  • 加工機充填設備キャップ半自動巻締機

新しい製品・サービス:発泡性清酒「あわつる」(アルコール度数12%、容量300ml)。自社純米酒を原酒とした、土佐の酒らしい辛口で爽快な乾杯酒。

事業の効果

  • アルコール度数12%
  • 初年度は約15,000本の販売を目標とする
  • 5年後には5,000万円程度の売上げを目指したい

自社純米酒を原酒とした爽快な乾杯酒の製造に成功し、ホテルや宴会場などで好評を得て、開発目的のひとつであった日本酒で乾杯し、その後も日本酒を楽しんでもらうという点を達成した。乾杯後に他の酒類に移る人も少なく、日本酒の消費量増に貢献している。一方、容器は無色透明の耐圧瓶しかなく遮光性が弱いため小売店への流通は難しく、現時点では飲食店などへの卸売に留まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け爽快な辛口の土佐の清酒らしさが顧客ターゲットの飲食店と結びつけて示され、ホテル等での好評も記載されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値発泡性清酒は他社も増えているが、辛口で度数12%の土佐の酒らしい乾杯酒という高付加価値の差別化が明記されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社是や全国新酒鑑評会の受賞歴から生産技術の蓄積がうかがえるが、補助事業を遂行する人材や体制の記述はない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    長年製品開発が検討されてきた経緯と、品質第一の社是から発泡性清酒を開発した流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社製品が甘口傾向で土佐の清酒らしい辛口を打ち出すという差別化が書かれており、強みの活用がうかがえる。ただし経営資源の分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    飲食店への卸売から5年後に5,000万円規模を目指すとあるが、課題認識と成長計画の具体性は限定的。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    初年度15,000本の販売目標と5年後5,000万円規模の売上目標が示されるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社是や全国新酒鑑評会の受賞歴から生産技術の蓄積がうかがえるが、補助事業を遂行する人材や体制の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    爽快な辛口の土佐の清酒らしさが顧客ターゲットの飲食店と結びつけて示され、ホテル等での好評も記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    新製品の展開計画や一般小売への段階的拡大の流れは示されるが、遮光瓶の課題の解決方法は模索中とされ妥当性は未確定。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    発泡性清酒は他社も増えているが、辛口で度数12%の土佐の酒らしい乾杯酒という高付加価値の差別化が明記されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    日本酒全体の需要拡大への貢献や地域の乾杯文化への言及はあるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    小規模設備導入で商品化・事業化につながったとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    高知の地域性を活かした高知の乾杯酒として地元料飲店を主体に展開する方針が示されている。雇用創出の記述はない。

今後の展望

導入した試作設備を生産に転用し、県内料飲店を中心に乾杯時の定番商品を目指す。リキュールや吟醸酒・新酒を使った製品、炭酸ガス圧の異なる製品なども開発していく。初年度は約15,000本の販売を目標とし、認知度が上がった段階で新規設備投資を行い、一般小売市場にも販売網を広げる。

事業者の声

新製品開発へのハードルを取り除いていただきました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。