ものづくり補助金平成24年度高知県

光学式選別機導入による高品位再生ペレットの製造と低コスト操業

田中石灰工業株式会社

成果単一素材再生ペレット生産量 0t→2,600t

この事例のポイント

  • 多種類の素材が混入した廃プラスチックから高品質な再生材料を作るには、選別の方法と精度の向上が課題だった。
  • 光学式選別機と付帯設備を導入し、既存の選別ラインに光学式選別機をさらに1基追加設置して、素材ごとの選別が可能な設備ラインを整えた。
  • 単一素材再生ペレット生産量 0t→2,600t。光学式選別機導入後は処理能力が上がり、2018年度には年間約2,600tの単一素材再生ペレットを生産し、単価は約28円…

事業者のプロフィール

事業者名田中石灰工業株式会社
所在地高知県 高知市
業種食料品製造業
技術分野塗装
従業員数47人
資本金2,000万円
設立1894年

事業の背景

当社は1894年創業で、高知県の地場産業品である生石灰・消石灰等を製造販売してきた。2006年よりプラスチック製容器包装のマテリアルリサイクル業務に取り組んでいる。2013年度には県内の各家庭から排出された容器包装プラスチック年間4,620tをすべて受け入れ、複合プラスチックペレットとして年間1,500tを販売したが、販売価格は18円/kg程度と低価格だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度多種類の素材が混入した廃プラスチックから高品質な再生材料を作るには、選別の方法と精度の向上が課題だった。
  • 生産能力これまでの設備では、すべてのプラスチックを単一素材ごとに選別できず、商品価値の低い複合プラスチックペレットでの販売が多かった。
  • コスト・採算手作業に依存する選別ラインのため多数の作業員が必要となり、高コストになっていた。
  • 生産能力他社との競争力を高めるため、素材ごとの選別が可能な設備ラインを整える必要があった。

やったこと

光学式選別機と付帯設備を導入し、既存の選別ラインに光学式選別機をさらに1基追加設置して、素材ごとの選別が可能な設備ラインを整えた。光学式選別機は、廃プラスチックを投入して高速ベルトコンベアーで搬送し、センサーで1つ1つの素材を判別して、アウトプットボックスで素材別に分別する。1度の選別工程で指定する3種類の素材に選別できるため、後工程の手作業選別をできる限り削減できる。

検査測定光学式選別機
その他光学式選別機の付帯設備

新しい製品・サービス:単一素材再生ペレット(高品質な再生ペレット)

事業の効果

  • 単一素材再生ペレット生産量 0t→2,600t
  • 単一素材再生ペレット単価 18円/kg→28円/kg
  • 容器包装プラスチック受入量 4,620t→5,200t

光学式選別機導入後は処理能力が上がり、2018年度には年間約2,600tの単一素材再生ペレットを生産し、単価は約28円/kgとなった。品質も規格を満たし、取引先から高評価を得ている。手選別作業の人員を削減でき、従業員を他部署へ配置できるようになり、労働環境も改善した。複合プラスチックペレットの生産は減少傾向にある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の光学選別導入と2006年からのプラスチック容器包装リサイクル事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    年間4,620tを全量受け入れ、他社対抗のため高品質ペレットを狙う点など、外部環境と自社の強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    複合ペレットの低価格(18円/kg)が課題とされ、単一素材ペレットへ転換して単価約28円/kgに上げた実績が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    単一素材ペレットの生産量約2,600t、単価約28円/kgの実績に基づく計画で、高付加価値化の見通しが具体的である。

  • 事業を進める体制2

    従業員47名で、選別業務の人員を他部署へ配置できたとあるが、補助事業の実施体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引先から高評価、規格を満たす品質、自動車・家電メーカーでの利用可能性など、顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の研究・分析や環境教育の継続は述べられているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    複合ペレット(約28円/kg)から単一素材ペレットへ高付加価値化を図る点が、18円/kgとの比較で示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    容器包装プラスチックの資源循環、地域貢献、環境負荷軽減への寄与が述べられており、社会的意義は読み取れる。

  • 費用対効果4

    単価18円から約28円/kgへの上昇、年間2,600tの生産など、投入額に対する付加価値増加の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    光学式選別による高品質化と地域の環境学習への公開が示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    再生プラスチック市場の新規開拓や自動車・家電への用途拡大がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    高知県の地場産業と県内家庭からの収集を基盤とし、地域貢献を掲げているが、地域経済成長への効果は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

単一素材再生ペレットがさらに高品質になれば、自動車メーカーや家電メーカーでも使用でき、用途が広がると見込んでいる。今後も研究・分析を重ね、より良い品質づくりに挑戦する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。