ものづくり補助金平成24年度福岡県

フルボ酸鉄・シリカ含有資材の環境改善(ヘドロ等)、海の磯焼け防止及び農業用肥料への事業化

コヨウ株式会社

この事例のポイント

  • ヘドロの浄化に効く水質浄化剤を製品化するための体制が整っていなかった。
  • ペレット状の水質浄化剤を製造するため、造粒機、袋詰め装置、封入用ミシンを導入した。
  • 補助事業により水質浄化剤の製品化に向けた生産体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名コヨウ株式会社
所在地福岡県 みやま市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野高機能化学合成
従業員数6人
資本金1,200万円
設立1960年

事業の背景

創業時はコンクリートブロックの製造を行っていた。近年は事業領域を広げるため、環境に配慮した付加価値の高い製品の開発に力を入れている。地元有明海は生育環境の悪化により多くの魚介類の漁獲量が減少しており、即効性が高く広範囲で使える浄化剤への期待があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ヘドロの浄化に効く水質浄化剤を製品化するための体制が整っていなかった。
  • 新製品・新技術フルボ酸鉄シリカを使った水質浄化剤を量産するため、ペレット状に造粒する生産体制が必要だった。

やったこと

ペレット状の水質浄化剤を製造するため、造粒機、袋詰め装置、封入用ミシンを導入した。試作品は水分量や温度を管理して約6カ月かけて再発酵させ、遠心分離機とフリーズドライ装置で成分を分析したうえで造粒機によりペレット状に仕上げた。2012年からは筑後中部魚市場の魚介類と有明海の干潟で検証を行い、現在は約1万平方メートルまで規模を拡大して効果検証を進めている。

加工機造粒機
加工機袋詰め装置
加工機封入用ミシン

新しい製品・サービス:フルボ酸鉄シリカを含有するペレット状の水質浄化剤。いけす用水質浄化剤「龍宮の遣い」として製品化済みで、干潟のヘドロ改善や海の磯焼け防止、農業用肥料への事業化も目指している。

事業の効果

補助事業により水質浄化剤の製品化に向けた生産体制が整った。実証では分解性土のう袋を設置したところヘドロが浄化され、アサリの生息が減った漁場で採取量が増える効果も確認された。検証規模は現在約1万平方メートルまで広がっている。今後は量産化に向けた基盤づくりを進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のコンクリートブロック製造から環境配慮型の製品開発へ広げた流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    有明海の漁獲量減少や社内技術顧問を通じた大学との共同研究はうかがえるが、競争優位性や市場分析の記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決4

    ヘドロによるアサリ生息減少という課題を認識し、フルボ酸鉄シリカの製品化と実証、量産化の基盤づくりに取り組む計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    実証面積を1万平方メートルまで拡大して効果検証を進めているとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社員6人で大学教授との共同研究や技術顧問の関与が書かれ、外部連携による体制は読み取れるが、事務処理能力などの記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ペレット状の水質浄化剤『龍宮の遣い』を循環式いけす向けに製品化し、鮮魚店や飲食店などの顧客像とニーズが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    2012年からの検証、2014年の製品化、2015年以降の実証と段階的な流れは示されるが、今後の遂行スケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ヘドロ浄化用の水質浄化剤は一般的な普及度が低く、フルボ酸鉄シリカによる環境改善という新しい分野への取り組みが具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    磯焼けやアサリ減少など水産資源の再生、干潟再生に向けた協議会の立ち上げが示され、地域と全国への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果の数値は示されず、アサリの採取量増加という効果の確認のみ記述されている。

  • イノベーションへの貢献3

    産学連携による実証やアンモニアなどを分解する仕組みの解明は示されるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    環境改善と水産資源再生という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの明確な記述はない。

  • 地域経済への波及4

    地元有明海の生態環境悪化を契機に、熊本県長洲町の干潟実証や福岡の地場から全国展開を目指す地域的な取り組みが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

有明海で取り組みが成功すれば日本各地で広がる可能性があり、干潟再生に向けた協議会も立ち上げた。産学官のネットワークを生かして実証を進めていく。

事業者の声

即効性が高く広範囲で活用できるものができれば

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。