ものづくり補助金平成24年度長崎県

環境に優しいノンガスタイプの芳香剤開発製造と競争力強化

株式会社クリーン・マット

成果旧来の製品仕入単価と比べ、約50%のコストダウンに成功した。

この事例のポイント

  • LPガスを使わない機械式噴霧では液滴が大きくなり、噴霧機器の下の床が濡れやすく、床汚染や滑りによる事故の危険があった。
  • 香料原料メーカーの協力を得て原料の配合と取り扱いの情報を集め、有機化合物の原料、エタノール製剤の除菌剤、蒸留水、界面活性剤を組み合わせた試作品を作成した。
  • 旧来の製品仕入単価と比べ、約50%のコストダウンに成功した。LPガスを使わないノンガスタイプの微粒子化芳香剤を開発し、既存の加圧式製品にはない製品として完成させた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社クリーン・マット
所在地長崎県 長崎市
業種物品賃貸業
技術分野熱処理
資本金4,000万円
設立1979年

事業の背景

既存のエアゾール式芳香剤のほとんどはLPガス(加圧ガス)を使って噴霧しており、温暖化ガスの削減と低コスト化が求められていた。当社は企業や家庭の衛生器具のレンタルを行っており、業態を広げるために自社で販売商品を開発することを目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力LPガスを使わない機械式噴霧では液滴が大きくなり、噴霧機器の下の床が濡れやすく、床汚染や滑りによる事故の危険があった。
  • 品質・精度機械式噴霧は加圧式に比べ液滴の微細化能力が下がるため、香料を増やす必要があるが、香りを損なわない最適な混合比を見つける必要があった。
  • コスト・採算香料の増量はコストへの影響が大きく、増やすことを抑えながら芳香性を維持する必要があった。

やったこと

香料原料メーカーの協力を得て原料の配合と取り扱いの情報を集め、有機化合物の原料、エタノール製剤の除菌剤、蒸留水、界面活性剤を組み合わせた試作品を作成した。自社内の噴霧設備で噴霧テストを行い、香料の配合量は長年の経験をもとに判断し、最適な混合比を求める実験を繰り返した。ガラス板を噴霧エリア下に敷いて残留液滴を捕捉するテストを行い、成分比を微調整しながら最適な揮発条件を導き出した。最終的に、LPガスを使わなくても噴霧できる微粒子の芳香剤を開発した。

新しい製品・サービス:トイレ等専有エアゾール(ノンガスタイプ)式芳香剤

事業の効果

  • 旧来の製品仕入単価と比べ、約50%のコストダウンに成功した。
  • 最大2ヶ月の持続が可能であることが判明した。

LPガスを使わないノンガスタイプの微粒子化芳香剤を開発し、既存の加圧式製品にはない製品として完成させた。製造原価は旧来の仕入単価と比べ約50%下がり、内製化によるコスト競争力が高まった。香りを好みに合わせて配合でき、引火性も低いため、利用場面が広がり、業態拡大が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け既存加圧式の法人向け市場をターゲットとし、既存得意先から優先展開する方針など顧客と選ばれる理由が具体的に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値既存のLPガス式が主流の中で、加圧ガスを使わない機械式噴霧芳香剤を開発し、約50%のコストダウンを実現している点が具体的。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性衛生器具レンタル業を営み自社で販売商品を開発した点はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは文章から明確に読み取れない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性2

    衛生器具レンタル業を営み自社で販売商品を開発した点はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは文章から明確に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存加圧式の床濡れ問題と、約50%のコストダウンという自社の強みに触れており、競争優位の方向性は読み取れるが市場データは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    加圧ガスによる床濡れ・滑り事故という課題を認識し、ノンガス化で解決を図る流れは読み取れるが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造原価約50%減という数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠は限定的。

  • 事業を進める体制2

    従業員数は記載が不鮮明で、体制や事務処理能力を示す記述はわずかにうかがえる程度にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存加圧式の法人向け市場をターゲットとし、既存得意先から優先展開する方針など顧客と選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として持続性テストや販路拡大、バリエーション追加の段階が示されているが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    既存のLPガス式が主流の中で、加圧ガスを使わない機械式噴霧芳香剤を開発し、約50%のコストダウンを実現している点が具体的。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    温暖化ガス削減や床面の滑り事故防止に触れるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    約50%のコストダウンという数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記述は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    温暖化ガス削減という環境面の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    長崎県の事業者であることは分かるが、地域特性を活かした雇用・経済成長への記述はわずかにうかがえる程度。

今後の展望

既存の加圧式エアゾールの得意先から優先的に普及を広げ、既存取引先以外への卸・小売販売も行う。品質を保ちながら更なるコストダウンを図り、香りの種類を増やして競争力を強化する。また、自然素材の利用について農業系や医学系の研究機関と商品開発を進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。