ものづくり補助金平成24年度熊本県

無線化による電力ピーク制御システム

人吉アサノ電機株式会社

成果現在このシステムを使用している企業の導入費用は1〜2年で回収できており

この事例のポイント

  • 既存の電力ピーク自動制御システムは親機と室外機を有線で接続するため工事費が価格に転嫁されて高価で、投資対効果が得にくかった。
  • 空調の電力ピーク自動制御システムを無線接続で実現するための試作開発を行った。
  • 現在このシステムを使用している企業の導入費用は1〜2年で回収できており。無線接続により工事が不要になり、数分間エアコンを止めるだけで設置でき、営業日中の導入が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名人吉アサノ電機株式会社
所在地熊本県 人吉市
技術分野組込みソフトウェア
従業員数143人
資本金4,000万円
設立2002年

事業の背景

当社はオムロン人吉を前身として平成14年に設立され、マグネットリレーの受託生産を行ってきた。平成21年のリーマンショックを機に新たな事業の柱とするため自社製品を模索していた。東日本大震災に伴う原発事故で電気料金が高騰し、中小企業の電力コスト削減のニーズが高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算既存の電力ピーク自動制御システムは親機と室外機を有線で接続するため工事費が価格に転嫁されて高価で、投資対効果が得にくかった。
  • 生産能力デマンド監視装置は使用電力が設定値を上回ると警報が鳴るだけで、その後の操作は人が行うため、警報の聞き逃しや操作のし忘れが発生しやすかった。

やったこと

空調の電力ピーク自動制御システムを無線接続で実現するための試作開発を行った。屋内のデマンド監視装置と、エアコン室外機に取り付けて出力を自動で制御する機器、親機からなるシステムとし、機器間を無線で接続した。機器それぞれが段階的に出力量を自動制御し、室温の体感変化が気になりにくいよう工夫した。目標は3年以内に投資費用を回収できる商品とし、接続が途切れた際の再接続と最適な機器ネットワークを自動構築するソフトウエアを開発して安定した接続を実現した。

新しい製品・サービス:無線式電力ピーク制御システム「エレワイズ」

事業の効果

  • 現在このシステムを使用している企業の導入費用は1〜2年で回収できており

無線接続により工事が不要になり、数分間エアコンを止めるだけで設置でき、営業日中の導入が可能になった。導入企業の費用は1〜2年で回収でき、当初の3年以内回収という目標を達成した。発売後は販路拡大が進み、九州を中心に約100社で導入され、全体売上の約1割を占めるまでに成長した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標導入企業の費用は12年で回収でき、当初の3年以内目標を大きく上回る投資回収実績があり、約100社導入・売上の約1割を占める実績もある。
  • 4
    これまでの取組との一貫性リーマンショックを機に新たな事業の柱として自社製品を模索し、受託生産の経験を活かして電力制御システムを開発した経緯が明確である。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性有線式の高価格に対し無線化で工事を不要にし、数分の停止で設置できる点を強みとして、競合より導入障壁の低い製品に仕上げている。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    リーマンショックを機に新たな事業の柱として自社製品を模索し、受託生産の経験を活かして電力制御システムを開発した経緯が明確である。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    有線式の高価格に対し無線化で工事を不要にし、数分の停止で設置できる点を強みとして、競合より導入障壁の低い製品に仕上げている。

  • 課題の認識と解決4

    デマンド監視の警報頼みや有線方式の高コストという課題を整理し、無線化で3年以内の投資回収を目標に解決している。

事業の実現可能性3.8
  • 付加価値・賃上げの目標5

    導入企業の費用は12年で回収でき、当初の3年以内目標を大きく上回る投資回収実績があり、約100社導入・売上の約1割を占める実績もある。

  • 事業を進める体制3

    開発から商品化、代理店契約、協業契約、保守サービス開始まで事業を進めた実績があり、体制を担保する記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    電気料金高騰による中小企業のコスト削減ニーズを捉え、工場・学校・病院など幅広い導入先と約100社の実績で需要の裏付けがある。

  • 事業化までの道筋4

    販路課題を代理店契約で解決し、クラウド対応や保守サービスを追加する改良を進め、全国展開の時期と売上目標も示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    既存のデマンド監視装置や有線式とは異なる無線式の自動制御を実現し、高付加価値・高価格化の差別化を図っている。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    中小企業の電力コスト削減という社会的ニーズに応え、地元の雇用を守る目的も示されている。

  • 費用対効果4

    導入費用が12年で回収できており、工事費削減により投資対効果が高い点が事例から読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    無線接続とクラウド活用でスマートフォンからリアルタイムに状況把握・制御できる点で、デジタル技術の活用がある。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    熊本県の地元企業として地域の雇用を守る設立経緯があり、九州を中心に導入が広がっている点で地域への波及がある。

今後の展望

平成30年度から本格的な全国展開を予定しており、5年後には全体売上の5割まで伸ばしたいと考えている。

  • 目標:現在、全体売上の約1割を占めるまでになっている
  • 目標:5年後には全体売上の5割まで伸ばしたいと考えている
  • 目標:現在、九州を中心に約100社で導入されている

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。