ものづくり補助金平成24年度北海道

高機能性発酵タマネギ味噌の開発

岩田醸造株式会社

この事例のポイント

  • 朝食のパン食化で味噌汁が朝の食卓から減り、味噌の消費量が減少している。
  • 農学博士の西村弘行氏の指導を受け、タマネギに含まれるケルセチン配糖体が米麹由来の酵母の働きでケルセチンに変わる点に注目した。
  • 味噌本来の美味しさにタマネギの風味が加わり、口当たりが良く食べやすい新感覚の味わいに仕上がった。

事業者のプロフィール

事業者名岩田醸造株式会社
所在地北海道 札幌市中央区
業種食料品製造業
技術分野発酵
資本金3,100万円
設立1897年

事業の背景

岩田醸造は創業100年以上、味噌の製造・販売を続けてきた。朝食の主流がご飯と味噌汁からパン食へ移ったとされ、味噌の消費量は減少傾向にあった。こうした状況の中で、健康志向を打開のキーワードとする新たな付加価値の提案が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑朝食のパン食化で味噌汁が朝の食卓から減り、味噌の消費量が減少している。
  • 新製品・新技術味噌の新たな利用方法や活用の方向性が見出せていなかった。

やったこと

農学博士の西村弘行氏の指導を受け、タマネギに含まれるケルセチン配糖体が米麹由来の酵母の働きでケルセチンに変わる点に注目した。ケルセチンに大豆のイソフラボンを加えることで健康成分の発揮が期待できると考え、開発研究室で試作を始めた。健康成分を最大限に発揮させつつ美味しさを両立させるため、各素材のベストな配合を求めて100通りを超える試作を行った。株式会社機能性植物研究所の樋口社長による分析結果をもとに試作を繰り返し、高機能性発酵タマネギ味噌を完成させた。

新しい製品・サービス:高機能性発酵タマネギ味噌

事業の効果

味噌本来の美味しさにタマネギの風味が加わり、口当たりが良く食べやすい新感覚の味わいに仕上がった。女性を対象としたモニター調査では、肉そぼろ、唐揚げ、とろろなどの料理で高評価を得た。量産化できれば健康志向を追い風に新しい市場を開拓できると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    100年以上味噌を造り続けた岩田醸造が、味噌の新たな利用方向を探っていたとの記述があり、既存事業との関連はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    味噌消費の減少という外部環境の変化は書かれているが、自社の経営資源の強みとして何が競争優位につながるかは具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決3

    パン食普及による味噌消費減少という課題認識は明確だが、高付加価値化・成長に向けた事業計画の具体的な数値や段取りは書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発研究室のメンバーや株式会社機能性植物研究所の分析協力は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ケルセチンやイソフラボンによる健康効果と、肉そぼろ・唐揚げ・とろろでの女性モニター高評価など、製品の価値と用途が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    市場に出すにはさらに改善が必要と述べられているが、中長期の検証方法やスケジュール、課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    タマネギ味噌は前例の少ない組み合わせで、100通り超の試作を経て完成し、新しい市場を拓く製品と位置付けられている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    味噌の消費減少を打開し、新しい市場を拓くと述べられているが、雇用創出や波及効果への言及は見られない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康志向を追い風にした新市場の開拓が目指されているが、日本経済の構造転換に資するとの記述は見られない。

  • 地域経済への波及2

    北海道札幌市の食品メーカーによる取組だが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引するといった内容は明記されていない。

今後の展望

市場に出すにはさらなる改善・改良が必要と考えられており、早急な商品化をめざしている。今後は今回の経験をもとに、高機能性発酵タマネギ味噌を応用した新製品や、時代に合わせた調味料としての新しい味噌造りを行いたいとしている。

事業者の声

完成した商品が市場に受入れられて、初めてこの開発がうまくいったと考えるようにしています

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。