ものづくり補助金平成24年度北海道

焼却炉への長寿命熱電対保護管・鞘の開発

株式会社ディ・ビー・シー・システム研究所

成果保護管の寿命 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 焼却炉の保護管は高温腐食で早期に劣化し、交換が頻繁に必要になっていた。
  • 成田社長は、ジェットエンジンやガスタービンなど高温で稼働する部材へのコーティング技術を発展・改良し、宇宙分野の技術を地上の課題に応用した。
  • 保護管の寿命 1倍→3倍。DBCシステムによる3層構造のコーティングで、保護管の寿命が現状の3倍に延び、焼却炉の交換頻度と再加熱に伴う運転コスト…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ディ・ビー・シー・システム研究所
所在地北海道 札幌市
業種技術サービス業
技術分野熱処理
従業員数4人
資本金100万円
設立2008年

事業の背景

株式会社ディ・ビー・シー・システム研究所は、北海道大学大学院の成田教授が長年研究してきた工業用コーティングの研究成果と取得特許の実用化を目指して設立された。廃棄物焼却炉では850度以上の連続燃焼が求められ、炉内温度を測る熱電対の保護管が高温腐食などで機能を失い、早期交換が現状の課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力焼却炉の保護管は高温腐食で早期に劣化し、交換が頻繁に必要になっていた。
  • コスト・採算保護管の交換は代替品費用がかかるうえ、冷えた炉の再加熱など運転コストにも跳ね返り、交換費用以上のロスが大きかった。
  • 新製品・新技術長寿命で信頼性の高い熱電対の開発は求められていたが、誰も手を付けておらず、高温腐食に耐える被膜の概念設計が難しかった。

やったこと

成田社長は、ジェットエンジンやガスタービンなど高温で稼働する部材へのコーティング技術を発展・改良し、宇宙分野の技術を地上の課題に応用した。拡散バリアコーティング(DBC)システムを用いて、保護したい金属とコーティング膜となる金属の間に腐食・減肉を遅らせる層を作り、金属・層・金属の3層構造にした。この成膜技術で保護管を開発し、コーティングの厚さはわずか0.2ミリとした。

  • その他拡散バリアコーティング(DBC)システム

新しい製品・サービス:DBCシステムを用いた長寿命の熱電対保護管

事業の効果

  • 保護管の寿命 1倍→3倍

DBCシステムによる3層構造のコーティングで、保護管の寿命が現状の3倍に延び、焼却炉の交換頻度と再加熱に伴う運転コストの低減が見込まれる。アルミニウム溶解炉など高温腐食や溶損が問題になる他の部材への転用も期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    大学教授時代の研究成果と取得特許の実用化を目指して創業したと書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    航空・宇宙分野のジェットエンジンやガスタービン向けコーティング技術を応用した点は強みとして読めるが、市場や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    焼却炉の熱電対保護管が高温腐食で早期交換が必要という課題認識は明確だが、高付加価値化や成長につなげる計画の記述は薄い。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    保護管の寿命を現状比3倍に延ばすという数値目標は示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    スタッフは元博士研究員、元技術補助員という精鋭と書かれ、従業員数4名の小規模体制である。事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    焼却炉の熱電対保護管を対象に、寿命3倍と厚さ0.2ミリという数字で価値を示し、ターゲット顧客も焼却炉やアルミ溶解炉と具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    転用先としてアルミ溶解炉など他部材への展開やプロジェクト拡大の方向性は書かれているが、スケジュールや検証方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属の高温腐食を防ぐ3層構造コーティングという独自技術で、一般に普及しにくい分野での高水準の性能向上が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    ダイオキシン発生防止に関わる焼却炉の温度管理や、宇宙技術の地上応用という波及の話はあるが、雇用や需要創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    再加熱や交換のコストを挙げ、寿命3倍による運転コスト低減が示唆されるが、補助金投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    航空・宇宙技術を地上の産業課題に応用したという点はイノベーションとして読めるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    宇宙や航空分野への展開が目標として語られ、成長分野への進出の意図はうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    北海道の工科系大学の特色を生かした『ものづくりの拠点』への期待が書かれ、地域特性を活かす姿勢は読み取れる。

今後の展望

DBCシステムを用いた製品が今後スタンダードになる日は遠くないと見込まれ、ジェットエンジンやガスタービン、人工衛星などへの展開も目指している。

事業者の声

ウチにはジェットエンジン、ガスタービンなど、高温で稼働する部材へのコーティング技術があったので、それを発展・改良しました。つまり、宇宙の技術を地上での課題に応用したんですね

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。