ものづくり補助金平成24年度栃木県

微細加工技術を用いた新規化粧用品のシミ・シワ軽減を目的としたディンプルシートの開発

株式会社オプトニクス精密

この事例のポイント

  • シートパックに使われるマイクロニードルは非常に高価であるという問題があった。
  • 化粧品成分を含む薬剤を肌に効率よく浸透させる化粧品補助材として、ディンプルシートの試作開発を行った。
  • ディンプルシートの1カ月使用試験で肌に異常は見られず、安全性を確認した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オプトニクス精密
所在地栃木県 足利市
業種はん用機械器具製造業
技術分野金型
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

化粧品市場はスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、フレグランスを含み、不況を知らない成長市場といわれている。スキンケア市場は1兆円規模で、潜在的なマーケットは非常に大きい。高齢化に伴いシミやシワの軽減を目的とした化粧品の需要が大きく伸びており、自宅で行うスペシャルケアの需要も急速に高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術シートパックに使われるマイクロニードルは非常に高価であるという問題があった。

やったこと

化粧品成分を含む薬剤を肌に効率よく浸透させる化粧品補助材として、ディンプルシートの試作開発を行った。①フォトリソグラフィーと電鋳を組み合わせたフォトエレクトロフォーミングで、3種類のパターンの金型を製作し、レジスト形成条件と電着前処理を見直した。②樹脂金型で2種のシリコーンゴムを試作し、離型性を考慮した撥水処理とスピンコーターによる成型で厚さの制御と均一性を確保した。③薬剤は韓国COSMAX社製の美白用とシワ軽減用をそれぞれ2種類用意し、厚さ10μm前後の均等塗布を検討した結果、スプレーコーターを選定した。④皮膚画像解析システムで、社内のパッチテスト被験者8人に1カ月間の使用試験を行い、安全性と効果を評価した。

新しい製品・サービス:シミ・シワ軽減を目的とした化粧薬剤を肌に浸透させるディンプルシート

事業の効果

ディンプルシートの1カ月使用試験で肌に異常は見られず、安全性を確認した。シミ、シワ、毛穴、肌の色の均質性(きめ)などの解析で、どの項目も肌が若干改善する傾向が見られ、特にきめで改善傾向が明確に出た。2014年には韓国の高級ブランド化粧品メーカーからの要求を受けて製品化の試作を行っており、事業化に向けた販売ルートも確保している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    微細加工技術を活かした化粧品補助材の開発という方向性はうかがえるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    化粧品市場の成長や韓国メーカーとの関係に触れ、同社の微細加工技術を活用する記述はあるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決2

    従来のマイクロニードルが高価という課題は示されるが、自社の高付加価値化や成長につながる具体的な事業計画は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    単価100〜150円という数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員35名と資本金1,000万円の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    8人のパッチテストで1カ月使用し、きめなどで改善傾向が見られたと具体的に記載され、製品の効果と需要の裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    金型製作から成型、塗布、評価までの4段階の課題と解決の流れは書かれているが、今後のスケジュールは乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の加工では得られない形状の金型を製作し、ディンプルシートを開発したと記載され、新市場の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    成長市場での化粧品需要や韓国・中国などへの展開は触れられるが、雇用創出や波及効果の具体的数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    単価100〜150円は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    マイクロニードルより安価な新規補助材と医療応用の展望はあるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    化粧品市場の成長分野への進出と医療分野への展望が触れられているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

化粧薬剤を持つ化粧品メーカーとの業務提携で製品をブランド化し、自社が製造・販売・拡販を担う。韓国市場、中国、米国、欧州などの海外展開も図る。将来的には経皮吸収剤や貼るワクチンなど医療分野への応用も展望している。

  • 目標:単価は100〜150円をベースとしている

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。