ものづくり補助金平成24年度青森県

新ロール加工技術の開発及び高精度化事業

山田板金工業株式会社

成果納期を従来の半分に短縮できる体制を確立した。

この事例のポイント

  • 従来のロール成形機では加工できる大きさに限界があり、大型鋼製煙突の製作は外注に頼らざるを得なかった。
  • 大型加工が可能なロール成形機を導入し、大型鋼製煙突の内製化を図った。
  • 納期を従来の半分に短縮できる体制を確立した。ロール成形加工を外注していた時に比べ、修正作業や搬入出にかかる時間のロスや運搬費を削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名山田板金工業株式会社
所在地青森県 五所川原市
業種建設業
技術分野切削加工
従業員数24人
資本金500万円
設立1965年

事業の背景

近年、耐震補強や環境対策、設備機器更新に関連した工事が増加している。特に急務となっているのは、国や地方公共団体が発注する病院や学校などの公共施設の煙突内アスベスト撤去改修工事である。東日本大震災後は大手通信会社の支局及び電話基地局で非常用発電機及びボイラーの増設・改修工事が行われている。しかし、これらの工事を施工できる業者は全国的にまだ少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のロール成形機では加工できる大きさに限界があり、大型鋼製煙突の製作は外注に頼らざるを得なかった。
  • 品質・精度外注先によっては加工精度にばらつきが発生し、修正を依頼することから納期が延びていた。
  • 納期・工程アスベスト撤去後の煙突改修工事や対テロ・防災強化対策工事を施工できる業者が少なく、製作・施工が追いつかず完工件数が伸びない要因となっていた。

やったこと

大型加工が可能なロール成形機を導入し、大型鋼製煙突の内製化を図った。納期を従来の半分に短縮するため、各工程を検討し、試作材で試作及び加工データを採取した。試作におけるロール成形品の円周及び円径誤差は1mm以内に設定した。試作加工の基礎データをデジタル制御数値に入力し、高効率で高精度な加工が可能な最適数値を導き出した。3種類のサイズの試作品を対象に、材料の物証データ、加工時のスプリングバック量、ロール成形機の加工特性を考慮して検証した。

加工機大型加工が可能なロール成形機

新しい製品・サービス:大型鋼製煙突の内製化と新ロール加工技術

事業の効果

  • 納期を従来の半分に短縮できる体制を確立した。
  • 円周及び円径誤差を1mm以内に設定し、目標の加工精度を達成した。

ロール成形加工を外注していた時に比べ、修正作業や搬入出にかかる時間のロスや運搬費を削減できた。高精度な円柱が製作可能となり、加工後の形状修正が不要になってロボット溶接工程へスムーズに移行できるようになった。ロボット溶接前のセンサーによるスポッティングスピードは以前の約半分となり、作業開始までの時間短縮と仕上り具合の向上が図られた。自社一貫製作施工体制を構築し、納期を従来の半分に短縮できる体制を確立した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    大型鋼製煙突の内製化を目的とし、外注依存の課題から自社一貫製作体制を構築する方針が示されている。ただし過去の取組との連続性は記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    耐震補強やアスベスト撤去改修など国・公共発注の需要増が背景として書かれているが、自社の強みとの比較の記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    外注時の寸法誤差や修正による納期延長を課題として認識し、ロール成形機導入で内製化し納期を従来の半分に短縮する計画と結果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    円径誤差1mm以内、納期を従来の半分に短縮という数値目標が設定され、成果として達成したと記載されている。付加価値・賃上げの数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    オペレーターの技術向上に今後取り組むとあるが、体制や人材確保の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国や地方公共団体、大手通信会社からの増産・短納期の要望が顧客ニーズとして書かれているが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作、加工データ採取、最適数値の導出、ロボット溶接工程への移行という工程が示されているが、今後のスケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型鋼製煙突の製作・施工を行える業者は全国的にまだ少ないとあり、希少性はうかがえるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    公共施設の煙突内アスベスト撤去や対テロ・防災強化対策への貢献が述べられているが、波及効果や雇用創出の記述は限定的。

  • 費用対効果3

    外注の搬入出時間や運搬費の削減、修正作業の削減が述べられているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロール成形のデジタル制御数値やロボット溶接との連携が見られるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    青森県五所川原市の企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は限られている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国や地方公共団体、大手通信会社などの発注先からの増産と短納期の要望に対応できるため、受注可能件数の増加と売上・収益アップが見込まれる。公共施設の早期環境改善や対テロ・防災強化対策にも貢献できると考えている。今後はオペレーターの技術向上と追加技術の試作開発を続け、大型鋼製煙突生産システムの確立を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。