ものづくり補助金平成24年度岩手県

木質バイオマスボイラー用高温耐食皮膜装置の開発・製作と皮膜作製事業

株式会社スペック

成果皮膜の厚さ 80μm→100μm

この事例のポイント

  • 従来のコールドスプレー装置はアメリカ製の輸入品で、部品の入手に時間がかかり、価格も高額だった。
  • 低圧型装置を基本に、ガス温度900℃、ガス圧力800kPa程度まで引き上げることを目指した新型コールドスプレー装置を設計した。
  • 皮膜の厚さ 80μm→100μm。市販装置の1/3〜1/4程度の製作費で、従来機を上回る製膜効率のコールドスプレー装置を開発した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スペック
所在地岩手県 北上市
業種金属製品製造業
技術分野溶射・蒸着
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1998年

事業の背景

当社は半導体封止金型や樹脂金型、ゴム金型などの精密金型へのメッキや各種基材へのコーティング加工を手がけている。平成20年に熱変質が少なく緻密な金属被膜が得られるコールドスプレー装置を導入した。木質バイオマスボイラーの需要は今後拡大が見込まれ、岩手県も平成15年から「いわて木質バイオマスエネルギー利用拡大プラン」を継続して採択しており、震災復興に伴う公共施設での採用も予想される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来のコールドスプレー装置はアメリカ製の輸入品で、部品の入手に時間がかかり、価格も高額だった。
  • 品質・精度従来機はガス温度に600℃までという使用制限があり、吹き付けた粉末粒子と基材との密着力や製膜効率に難点があった。
  • 新製品・新技術大規模木質バイオマスボイラーの燃焼部品に求められる高温耐食皮膜を、従来の装置では施工することが技術的に難しかった。

やったこと

低圧型装置を基本に、ガス温度900℃、ガス圧力800kPa程度まで引き上げることを目指した新型コールドスプレー装置を設計した。スプレー用ロボット、粉末供給装置、集塵機、ヒーター等は市販品から皮膜製造に適した部品を選定し、スプレーノズル部と制御装置は市販品では難があったため自社で設計・製作した。粉末供給装置はスイス製のみが要求仕様を満たしたが、国内産部品を中心に採用したことで、市販品価格の1/3〜1/4程度の製作費に抑えた。動作確認と試運転を行い、不具合箇所を改善して、ガス温度900℃、ガス圧力800kPaを達成した。当社の原料粉末で製膜実験を行い、岩手県工業技術センターで分析したところ、従来機で約80μm、新装置で約100μmの皮膜が形成された。ステンレス基材に皮膜を施工し、燃焼灰を載せて850℃で24時間加熱した試験では、皮膜は若干の変色のみで損傷は見られず、皮膜のない基材は著しく損傷した。

新しい製品・サービス:低コストで製膜効率の高い新型コールドスプレー装置

事業の効果

  • 皮膜の厚さ 80μm→100μm
  • ガス温度 600℃→900℃

市販装置の1/3〜1/4程度の製作費で、従来機を上回る製膜効率のコールドスプレー装置を開発した。皮膜の付着率と緻密さが向上し、高温耐久性の高い皮膜を低価格で提供できるようになった。コールドスプレー装置が2台になったことで皮膜の使い分けが可能となり、工場の稼働率も向上した。新装置の生産転用が始まり、ペレットストーブ部品の施工拡大による売上向上に寄与し始めている。

今後の展望

今後は現在受注しているペレットストーブ部品に加え、フッ素樹脂コーティング(KFコート)や硬質皮膜の製膜を展開する計画である。大規模木質バイオマスボイラーの燃焼部品への皮膜供給により事業規模の拡大を目指す。ただし装置製造コストの削減分を受注単価に反映させるには量産品の受注が必要であり、製品特性の周知と売り込みを進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。