ものづくり補助金平成24年度熊本県

ポータブルな低価格組合せ計量機の開発

株式会社オーケープランニング

この事例のポイント

  • 既存の組合せ計量器は高価で、農家には導入が難しい。
  • 自社でプログラムを組んで試作機を完成させた。
  • 農家が計りで行っていた従来の計量と比べ、計量誤差を15〜25%改善できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オーケープランニング
所在地熊本県 熊本市
業種電気機械器具製造業
技術分野発酵
従業員数5人
資本金100万円
設立2014年

事業の背景

もとは別の事業を行っていた会社である。ある農家から、ニンジンの袋詰めで数点を選んで既定重量に近づける作業が大変だが、組合せ計量器は高価で手が届かないという相談を受けた。安価で収穫時期だけレンタルできる組合せ計量器を作れば、従来導入できなかった農家も少ない負担で導入でき、仕分けの時間短縮や人件費削減、計量時のロス削減につながると考え開発に着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算既存の組合せ計量器は高価で、農家には導入が難しい。
  • 人手・技能農産物の袋詰めでは複数の中から数点を選んで既定重量に近づける作業に時間がかかり、負担が大きい。
  • 品質・精度農家が計りで計量する現状は計量誤差が大きく、ロスが生じやすい。

やったこと

自社でプログラムを組んで試作機を完成させた。製品の約9割の部品を3Dプリンターで開発・生産する体制とするため、3Dプリンターを導入した。試作機を農作業の現場で使ってもらい、使い勝手の改善を重ねた。低価格化、軽量化、多用性化の目標を定めて改良を続けた。自社開発の制御プログラムと計量版の性能向上に取り組んだ。

新しい製品・サービス:組合せ計量機「テーブルコンビ」

事業の効果

農家が計りで行っていた従来の計量と比べ、計量誤差を15〜25%改善できた。3Dプリンターの導入で部品の大部分を自社で製造できるようになり、製品のほぼ100%を自社で製造でき、故障時の対応も自社で行えるようになった。販売価格は90万円台、レンタル料は月額5万5千円となり、当初目標の60%を達成した。重量は約10kgで当初目標の80%、長ものの野菜やこぼれやすいミニトマトにも対応でき、多用性は当初目標の75%を達成した。包装時間の短縮や人件費削減、鮮度の改善、クール便の重量オーバーによる受け取り拒否の解消なども期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存の組合せ計量器が高価で手が届かない農家向けに、月額5万5千円のレンタルで提供する点を強みとして示している。計量誤差を15〜25%改善したとの数字もある。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けニンジンの仕分けなど農家の現場で使用して改善を重ね、対応品目を多数挙げ、販売価格と月額レンタル料を明示している。
  • 4
    新しさ・高付加価値業界初のレンタル型組合せ計量器として紹介され、熊本市ものづくり大賞受賞や商標登録、特許出願中という独自性が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標価格・重量・多用性の目標達成率は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は見当たらず、高付加価値化の目標が弱い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    農家の作業負担という話をきっかけに自社でプログラムを組み試作機を開発しており、既存の電気機械製造事業と連続した取組として読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存の組合せ計量器が高価で手が届かない農家向けに、月額5万5千円のレンタルで提供する点を強みとして示している。計量誤差を15〜25%改善したとの数字もある。

  • 課題の認識と解決3

    農家の仕分け時間と計量ロスという課題を特定し、低価格化・3Dプリンター活用による製造体制の構築で解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    価格・重量・多用性の目標達成率は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は見当たらず、高付加価値化の目標が弱い。

  • 事業を進める体制3

    従業員5人の体制で、部品の約9割を自社開発・製造し、故障対応も自社で行えるようになったとしている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ニンジンの仕分けなど農家の現場で使用して改善を重ね、対応品目を多数挙げ、販売価格と月額レンタル料を明示している。

  • 事業化までの道筋3

    量産化に向けて3Dプリンターから金型製造へ切り替える段階的な計画を示し、製造期間短縮の方向性が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    業界初のレンタル型組合せ計量器として紹介され、熊本市ものづくり大賞受賞や商標登録、特許出願中という独自性が示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    農産物の袋詰め作業の負担軽減と第6次産業の生産者増加への対応をうたい、農業現場の省力化に資する点が読み取れる。

  • 費用対効果3

    人件費削減やロス削減が期待できるとしているが、補助金額に対する付加価値増加の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターを活用した部品製造と自社開発の電子計量制御により、地域農業の製品開発と生産体制の革新に取り組んでいる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    農業分野の省力化に触れているが、日本経済の構造転換や成長分野への進出という観点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    熊本市の農業現場を起点に製品を開発し、熊本市ものづくり大賞を受賞するなど地域の特性を活かした事業として読み取れる。

今後の展望

さらなる低価格化を進めるほか、構造や材料の見直しにより耐久性・防水性・防塵性を高める。3Dプリンターによる部品製造から金型による製造へ切り替え、製造期間の短縮と量産体制の確立を目指す。商社などを通じて販路を広げ、営業人員を増やして拡販を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。