ものづくり補助金平成24年度宮城県

鉄道用特殊車両のハイブリッド駆動装置開発(セーフティハイブリッドシステム

東洋機械株式会社

成果製造コスト 1,200万円→1,060万円

この事例のポイント

  • 従来の特殊車両は駆動源がディーゼルエンジンの1系統のみのため、エンジン系統にトラブルが発生すると走行不能になっていた。
  • エンジンとバッテリーの2系統2ユニット駆動系を確保する、パラレル式のセーフティハイブリッドシステム搭載の試作車両を独自に開発した。
  • 製造コスト 1,200万円→1,060万円。エンジンとモーターの駆動系が独立したことで、一方にトラブルが起きても走行できるため、客車の運行に影響を与えるリスクが格…

事業者のプロフィール

事業者名東洋機械株式会社
所在地宮城県 仙台市
技術分野動力伝達
従業員数62人
資本金1,152万円
設立1947年

事業の背景

同社は線路保守用車・特殊鉄道車両の検査・修繕・改良や、各種車両の設計・製造・販売、研究開発を行っている。鉄道保守用特殊車両のサービス代行店として、メンテナンスやリフレッシュ作業、緊急対応などを行ってきた。その中で、駆動系トラブル時に自力で緊急避難できる特殊車両や、排出ガスを減らす特殊車両の開発が求められていることに着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の特殊車両は駆動源がディーゼルエンジンの1系統のみのため、エンジン系統にトラブルが発生すると走行不能になっていた。
  • 品質・精度架線の送電を止めてから使用する特殊車両で、運行リスクを下げる必要があった。
  • 新製品・新技術ディーゼルエンジンの排出ガスを削減し、環境負荷を低減する特殊車両の開発が求められていた。

やったこと

エンジンとバッテリーの2系統2ユニット駆動系を確保する、パラレル式のセーフティハイブリッドシステム搭載の試作車両を独自に開発した。インバーターは回生制御が可能なものを導入し、上位できめ細かく制御することで効率的な回生が行える設計とした。モーターは既存の汎用モーターを更新し、コスト面も考慮して高トルクのモーターを選定した。トルク制御等が可能なものを導入して最適な制御手法を確立することとした。トータルコストを従来同様とするため、製造コストの目標を1200万円に設定した。

その他セーフティハイブリッドシステム搭載の試作車両
その他インバーター(回生制御が可能なもの)
加工機高トルクモーター

新しい製品・サービス:エンジンまたはモーターのいずれかの駆動系にトラブルが起きても、他方の駆動系のみで走行できるセーフティハイブリッドシステム。

事業の効果

  • 製造コスト 1,200万円→1,060万円

エンジンとモーターの駆動系が独立したことで、一方にトラブルが起きても走行できるため、客車の運行に影響を与えるリスクが格段に低くなった。モーターのみで走行する際は排出ガスを出さず、環境負荷の低減にもつながる。製造コストは目標より低く抑えられる見込みが立った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄道保守用特殊車両のサービス代行で緊急対応等を行ってきた経緯から、駆動系トラブル対策のハイブリッド開発へ至った流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    災害に強い特殊車両の需要や宮城県機械金属工業会との連携はうかがえるが、市場規模や競合に対する優位性の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    エンジンとモーターの2系統化で運行リスクを減らす課題認識は具体的だが、事業計画の売上や付加価値への効果は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造コストは目標1200万円に対し実績算出1060万円と数字で示されており、高付加価値創出や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    産学官や同業者との連携、宮城県機械金属工業会の会員との体制が記述されているが、人材や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    緊急避難が可能で排出ガスを抑えるという価値と、鉄道車両メーカーへの販売・ライセンス生産の想定は示されている。

  • 事業化までの道筋4

    耐久試験の継続、接触式から非接触式クラッチへの変更検討、BMS開発着手など、課題と解決方法と段階が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハイブリッド化は鉄道用特殊車両の分野で新しい取組とされ、非接触式クラッチ等の差別化も示されるが、普及度の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    災害に強い特殊車両の開発や地域の機械金属工業会との一丸の体制など、社会的な意義は示されているが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果を示す数値は記載されておらず、製造コスト目標との比較のみで費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    バッテリー制御システムや回生制御などの先端技術の活用は示されるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    鉄道車両の環境負荷低減やハイブリッド化は時流に沿うが、日本経済の構造転換に資する点は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    宮城県の被災地での製造を掲げ、県内事業者と連携して車両製造に取り組む地域性が示されているが、雇用の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作品の耐久試験と品質向上の開発を続けている。接触式クラッチの摩耗対策として非接触式マグネットクラッチの搭載を検討し、鉛蓄電池向けのバッテリー制御システムBMSも開発中である。製品化では駆動源をパッケージ化して車両メーカーに販売することや、鉄道車両メーカーとのライセンス生産、海外輸出も検討している。

事業者の声

ものづくりのメイド・イン・ジャパンを復活させたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。