ものづくり補助金平成24年度宮城県

未利用資源の果汁化とそれに伴うリキュール類・ジュース類の製造開発

株式会社新澤醸造店

この事例のポイント

  • 果物の果汁をリキュール類やジュース類として商品化したいが、加工賃が高額で採算が取れなかった。
  • 小ロットの試作開発を社内でできるよう本事業で機械・設備を導入し、加工賃を抑えて採算性を高め、果物(りんご、梨、トマトなど)の果汁をリキュール類やジュース類として商品化に取り組んだ。
  • 小ロットの試作を社内で行えるようになり、加工賃を抑えて採算性を高めた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新澤醸造店
所在地宮城県 大崎市
業種食料品製造業
技術分野発酵
設立1873年

事業の背景

1873年創業の蔵で、一時期経営が低迷したが、2003年に「究極の食中酒」のコンセプトで立ち上げた「伯楽星」が認められ蔵が復活した。東日本大震災を機に川崎町へ醸造所を移転した。国内の人口減による消費の減少に対応するため、海外への販路を広げている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力果物の果汁をリキュール類やジュース類として商品化したいが、加工賃が高額で採算が取れなかった。
  • コスト・採算他社に商品化を委託すると加工賃が高額となり、採算が取れなかった。
  • 人手・技能小さいラベルの貼り付けを手作業で対応しており、海外向け小瓶の受注増に迅速に対応できなかった。

やったこと

小ロットの試作開発を社内でできるよう本事業で機械・設備を導入し、加工賃を抑えて採算性を高め、果物(りんご、梨、トマトなど)の果汁をリキュール類やジュース類として商品化に取り組んだ。原料の安定確保が難しく、現在も試行錯誤を重ねている。平成29年度採択では、海外輸出用の小瓶や湾曲した部分のある瓶に対応するラベラーを導入した。

加工機ラベラー(海外輸出用小瓶・湾曲瓶対応)
加工機果汁化・リキュール・ジュース製造のための機械・設備

新しい製品・サービス:未利用資源の果汁を活用したリキュール類・ジュース類

事業の効果

小ロットの試作を社内で行えるようになり、加工賃を抑えて採算性を高めた。海外輸出用の小瓶や湾曲瓶にも迅速に対応できるようになり、受注から発送までのスピードが向上した。販路は海外へ広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1873年創業、2003年「伯楽星」立ち上げ、川崎町への移転など事業の経緯は書かれるが、本補助事業と経営戦略の位置付けの関係は明確でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外輸出の拡大(アメリカ、ヨーロッパ、アジア)と国内人口減少への対応、契約農家8件など自社の強みに触れ、市場動向と経営資源の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    加工賃が高額で採算が取れなかった課題に対し、社内小ロット試作のため機械を導入したと書かれるが、その後の成長効果の数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    専務や社員の6割が女性であることや杜氏の誕生は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「究極の食中酒」というコンセプトや低価格から高価格帯までの展開、海外小瓶への迅速対応など、製品の価値と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    原料の安定確保が難しく今も試行錯誤中と課題は書かれるが、スケジュールや解決方法の具体的な記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    未利用果物を果汁化しリキュール・ジュースとして商品化する取組で、宮城の豊富な果物を活用する点が、一般的でない分野への挑戦として読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    地元の果物や契約農家を活用し川崎町へ蔵を移転した地域的意義はうかがえるが、経済波及効果の数値などは示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    天然地下水を活かした醸造やデータ管理による醸造への変化がうかがえるが、デジタル技術の活用が地域やサプライチェーンへ貢献する記述は限定的。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外販路拡大や未利用資源の果汁化はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    宮城の豊富な果物や天然地下水など地域の特性を活かし、川崎町への移転と女性社員の活躍につなげている点が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外のアジア市場(シンガポール、マレーシア、ベトナム、ミャンマーなど)への輸出を今後さらに広げていく考えである。

事業者の声

海外輸出はアメリカからスタートし、次がヨーロッパ、今はアジアの需要が増えていて、シンガポールやマレーシア、今後はベトナムやミャンマーに広がって行くと思います

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。