ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

自動車エンジンの吸気可変速弁制御モーターに使用する、薄型整流子の量産化体制の確立。

株式会社原田製作所

成果整流子の加工時間 24秒→14秒

この事例のポイント

  • 自動車用整流子は薄肉化・極数増加により加工時間が増えるため、加工時間を抑えてコストを下げることが課題だった。
  • CNC精密旋盤を導入し、整流子の内径真円度を20μから10μに改善(50.0%改善)し、交差の幅を80μから26μに改善(67.5%改善)した。
  • 整流子の加工時間 24秒→14秒。整流子の加工時間と1個当たりの製造コストが下がり、高精度な精密加工を低コストで行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社原田製作所
所在地新潟県 南魚沼市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数50人
資本金4,000万円
設立1934年

事業の背景

当社はモーター用整流子の専業メーカーとして創業以来80年にわたり大手電機メーカーと整流子を開発・製造してきた。自動車用モーターでは環境分野や安全走行分野で新規モーターが開発されており、対象の可変速弁制御システムは当社が開発に携わり、量産化の目途がついたところだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算自動車用整流子は薄肉化・極数増加により加工時間が増えるため、加工時間を抑えてコストを下げることが課題だった。
  • 品質・精度薄肉の整流子では内径真円度や交差の幅など高精度な精密加工を安定して行う必要があった。
  • 生産能力量産化に向けて、精密加工精度を保ちつつ加工スピードを上げられる生産設備の導入が必要だった。

やったこと

CNC精密旋盤を導入し、整流子の内径真円度を20μから10μに改善(50.0%改善)し、交差の幅を80μから26μに改善(67.5%改善)した。量産化モデル(20極×外径φ34.3×内径φ25.6、内径比75%)の加工に対応し、想定時の値をクリアした。また2軸分割加工機を導入し、セグメント極数を13から20に増やしても1個当たりの加工時間を抑えられるようにした。

加工機CNC精密旋盤
加工機2軸分割加工機

新しい製品・サービス:自動車エンジンの吸気可変速弁制御モーターに使用する薄型整流子(20極×外径φ34、内径比75%)

事業の効果

  • 整流子の加工時間 24秒→14秒
  • 1個当たりの製造コスト 70円→60円
  • 整流子の内径真円度 20μ→10μ
  • 整流子の交差の幅 80μ→26μ

整流子の加工時間と1個当たりの製造コストが下がり、高精度な精密加工を低コストで行えるようになった。内径真円度と交差の幅も大きく改善し、想定値をクリアした。取引数が急伸して生産が追いつかない状況になり、工場を新設中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業80年の整流子専業メーカーで大手電機と開発してきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    薄肉の整流子で内径比75%の高精度加工を実現し、取引数が急伸したと書かれ、自社の強みと市場の需要を結びつけて説明されている。

  • 課題の認識と解決4

    加工時間を24秒から14秒に41.6%短縮し、1個当たり製造コストを70円台から60円台に下げたと、課題と成果が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間の41.6%短縮やコスト10%以上削減など数値目標に対する成果が示されており、実現の裏付けが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    社長名や工場新設中の記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカーの採用後に出荷数が18,000〜25,000個から70,000〜80,000個へ増えたと、ニーズの裏付けが数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産化への目途や工場新設は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    工場新設中とあるが、資本金4,000万円以外の財務状況や資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    内径比75%という極端に薄い整流子の高精度加工を実現したとあり、同分野で高水準の付加価値を図る点がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    CO2排出削減や燃費向上への貢献はうかがえるが、雇用創出や経済波及効果の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    設備投資により加工時間やコストが数値で改善したと示され、費用対効果の読み取りが具体的にできる。

  • イノベーションへの貢献2

    カーボンと銅の接合技術など先進的な要素はあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車の環境・安全分野への貢献はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及2

    新潟県南魚沼市の工場立地は分かるが、地域特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

対象製品の可変速弁制御システムは自動車業界の環境分野や安全走行分野で大きな貢献ができると確信している。

  • 目標:出荷数(月) 18,000個→70,000個

事業者の声

世の中で必要なものがあれば、まずは作ってみよう

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。