ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

新たな加工技術を活用した福山特産「あんずスイーツ」の開発展開

有限会社勉強堂

成果既存製菓機械に定量分割装置を連結し、従来3600個/時間に対して生産力200%アップ。

この事例のポイント

  • 既存設備では生産が間に合わず、腐敗などで一部原料の無駄が発生していた。
  • 技術的課題をテスト加工で抽出し、解決策を模索した。
  • 既存製菓機械に定量分割装置を連結し、従来3600個/時間に対して生産力200%アップ。大型ラックオーブンにより一度に大量の焼成が可能となり、加熱温度と時間の調整も容易になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社勉強堂
所在地広島県 福山市
業種食料品製造業
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

当社は伝統的な高級和菓子ギフトの製造販売のほか、小ロットの農産物加工を軸とした和洋菓子スイーツ開発に注力してきた。福山産「あんず」は福山ブランド農産品24品に指定され、地元で広く生産されている。当社も自社農園を約1000坪保有し、農協からの購入分と合わせて自社工場で加工・販売していた。あんずは収穫後の追熟が早く、当日加工での「シロップ漬け」や「ピューレ化後の冷凍」などで対応してきたが、既存設備では間に合わなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備では生産が間に合わず、腐敗などで一部原料の無駄が発生していた。
  • 品質・精度あんず特有の味覚や食感を損なわず、賞味期限を延長できる高付加価値商品の開発が必要だった。
  • 新製品・新技術あんずのドライフルーツ化に必要な新設備導入と新加工技術の開発が喫緊の課題だった。
  • 人手・技能全生産工程が手作業で、コスト高になり、生地の定量分割も不安定だった。

やったこと

技術的課題をテスト加工で抽出し、解決策を模索した。季節に応じて原料のドライフルーツ化試作を行い、乾燥では果実の硬さや水分の抜け具合に限界があることが分かった。その後、和菓子の製品試作を行い、自社直営店でのマーケティングも実施した。大型ラックオーブンを導入し、大量に均一な焼成が可能となり、色抜けがなく食味が劣化しない高品質な加工を実現した。整列機、充填機、分割機や特殊ノズルを導入し、手作業だった工程の量産体制を確立し、商品デザイン性も向上させた。

加工機大型ラックオーブン
加工機整列機
加工機充填機
加工機分割機
加工機特殊ノズル

新しい製品・サービス:福山産あんずを使ったドライフルーツ加工による「あんずの散歩道」など、あんずスイーツ商品。

事業の効果

  • 既存製菓機械に定量分割装置を連結し、従来3600個/時間に対して生産力200%アップ。
  • 整列機の導入により、処理能力200%アップ。
  • 充填生産能力 225個/時間→1,800個/時間
  • 8割以上の完熟度で加工・出荷が可能となる。

大型ラックオーブンにより一度に大量の焼成が可能となり、加熱温度と時間の調整も容易になった。整列機と充填機の導入で処理能力と作業速度が大きく向上し、量産化と自動化が実現した。今後は現在の人員のままでも製造能力の倍増が見込め、大幅な利益率改善も可能となる。販売面では直営店や駅ナカ店、通販などへの拡販を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    「当社も自社農園を約1000坪保有し…自社工場での加工・販売を行っている」とあり、農産加工を軸にした既存事業との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「福山ブランド農産品24品」指定のあんずを活用し、地元特産として差別化する方向性が示される。市場データ等の裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題として「既存設備では間に合わず腐敗など一部原料の無駄が発生」と明記され、ドライ化で高付加価値化・賞味期限延長を図る計画が示される。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    「製造能力の倍増が見込める」「従来3600個/時間に対して生産力200%アップ」「1800個/時間…従来比800%アップ」など数値目標が示される。

  • 事業を進める体制2

    事業者概要に従業員45人、設立1993年とあるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットとして直営店、駅店、銀座の県アンテナショップ、ホテル・SA・空港・通販などを挙げ、「福山らしい」商品の価値を整理している。

  • 事業化までの道筋3

    試作・マーケティング・量産化・販売拡大の段階は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ドライフルーツ化で水分を嫌うサブレ・クッキー・バターサンドへ展開する点は新商品性を示すが、普及度や高水準の価格帯への言及は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    6次産業化の促進、生産者支援、里山保全や雇用機会創出への貢献が記載されるが、波及効果の定量的な裏付けは乏しい。

  • 費用対効果4

    整列機・充填機などで生産力が200%〜800%向上し、利益率改善も見込むと記載され、投資に対する効果が数値で示される。

  • イノベーションへの貢献2

    ラックオーブンや整列機の導入は示されるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は少ない。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及5

    「福山ブランド農産品24品」のあんずを活用し、地域の生産者活性化や雇用機会創出、福山ブランド商品の好循環を具体的に示している。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新設備導入で量産化と自動化を実現し、現在の人員のままでも製造能力の倍増と大幅な利益率改善を見込む。直営店6店舗、福山駅・広島駅のエキナカ店への進出や、ホテル・旅館、高速道路SA、空港、通信販売への拡販を図る。地元産素材のあんずドライ化技術で生産者活性化と福山ブランド商品の好循環を創造する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。