ものづくり補助金平成25年度製造業兵庫県

仕込水の清浄化と出荷までの低温管理による濾過技術革新と新製品開発

富久錦株式会社

成果取扱店舗数 12店舗→25店舗

この事例のポイント

  • 清酒は一般に濾過で乳酸菌や酵母を除去して品質を安定させるが、濾過すると炭酸ガスも抜けて味や香りが損なわれるため、品質安定と原酒の風味維持を両立させる技術が必要だった。
  • 仕込水の段階で0.1μの超微細SFフィルターを導入し、火落ち菌となる乳酸菌を除去した。
  • 取扱店舗数 12店舗→25店舗。無濾過製法により、搾りたての日本酒と同等の鮮度と味わいを再現しつつ安全性を確保でき、社内評価も予想以上に高い革新的な酒…

事業者のプロフィール

事業者名富久錦株式会社
所在地兵庫県 加西市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数36人
資本金1,000万円
設立1954年

事業の背景

日本酒の総出荷量は年々減少傾向にある一方、純米酒の需要は増加しており、なかでも直感的に美味しいと感じる要素が多い生酒の伸び率は大きい。顧客からは搾ったばかりの酒の味を求める声が寄せられていた。激化する他社との開発競争の中で、独自技術による差別化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度清酒は一般に濾過で乳酸菌や酵母を除去して品質を安定させるが、濾過すると炭酸ガスも抜けて味や香りが損なわれるため、品質安定と原酒の風味維持を両立させる技術が必要だった。
  • 新製品・新技術「酒蔵で飲んだ搾ったばかりのお酒の味が忘れられない」という顧客の声に応えるため、他社との激しい開発競争に打ち勝つ独自技術の開発が急務だった。
  • 新製品・新技術東京オリンピックを見据え、それまでに優位性の高い商品を出せるかが業績を大きく左右すると考えられていた。

やったこと

仕込水の段階で0.1μの超微細SFフィルターを導入し、火落ち菌となる乳酸菌を除去した。麹の製造過程でオゾン殺菌を行い、麹温度自動制御装置と冷水製造機を導入して発酵後期の菌の増殖を抑制した。サーマルタンクを使い低温環境に置いて微粒子やたんぱく質を結晶化させて沈殿させ、上澄みのみを採取する手法で濾過をせずに液体を清澄化した。全工程を5℃以内に抑える低温環境を維持し、オゾン殺菌機と簡易瓶詰機を導入して、風味を損なわずに無濾過生原酒の製品化に成功した。

その他0.1μ超微細SFフィルター
その他オゾン殺菌機
その他麹温度自動制御装置
その他冷水製造機
その他サーマルタンク
加工機簡易瓶詰機

新しい製品・サービス:無濾過生原酒(純米生酒「純青」)

事業の効果

  • 取扱店舗数 12店舗→25店舗

無濾過製法により、搾りたての日本酒と同等の鮮度と味わいを再現しつつ安全性を確保でき、社内評価も予想以上に高い革新的な酒質の製品が完成した。無濾過という新発想の製法は大手メーカーが採用しにくく、小規模メーカーも設備投資負担から追随しにくいため、当社が無濾過製法で先駆的な存在となり優位性は当面揺るがないと考えられる。鮮烈な香りと味のインパクトで発売以来市場に順調に受け入れられ、取扱店舗の拡大と評価の全国的な広がりにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    東京オリンピックを見据えた優位性商品の必要性が書かれ、過去の取組との一貫性は示されるが、事業戦略上の位置づけは具体的に読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社との開発競争、小規模メーカーは設備投資負担で追随が少ないこと、大手は無濾過を採用しにくい点が書かれ、競争優位性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    低アルコール化や流通品質管理、製造工程の効率化が課題として挙げられているが、解決に向けた数値目標や計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    取扱店舗が12店舗から25店舗に拡大したと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    鮮烈な香りと味のインパクト、直感的に美味しいと感じる生酒の伸び、純米酒需要の増加などニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋2

    低アルコール製品は道半ばで今後の開発方針は述べられるが、遂行スケジュールや解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    濾過をしない無濾過製法は大手が採用の可能性が低く、当社が先駆的存在で優位性が当面揺るがないと書かれ、高付加価値性が明確。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    日本酒の総出荷量が減少する中で純米酒需要が増えていると書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    SFフィルターや冷却装置など設備導入による製造工程の革新は書かれるが、地域やサプライチェーンへの貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    兵庫県加西市の酒蔵で井戸水と地元の酒米を使う点は読み取れるが、地域の経済成長や雇用への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

低アルコール製品の市場化を進めているが道半ばの状況である。日本酒のアルコール度数は14度が中心になると予測しており、多くの人に親しんでもらうため低アルコールで口当たりのよい製品の開発を進める。技術基盤は確立できたため、今後も技術の進化に努め長く愛飲される製品づくりを目指す。

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。