ものづくり補助金平成29年度製造業群馬県

袋物用ミシンを用いたシークイン刺繍の高度化

ケイ・エム企画株式会社

成果シークイン不良率(3mm) 100%→1%

この事例のポイント

  • 縫製済みの衣服形状製品の裾から30cm以上高い位置に、デザイン性の高い刺繍を直接施す技術が従来機では不可能だった。
  • 袋物用の刺繍機を導入し、当社独自のマイクロシークイン技術を高度化して、衣服形状製品の裾から30cm以上高い位置にデザイン性の高い刺繍を直接施す技術を確立した。
  • シークイン不良率(3mm) 100%→1%。新型機の導入により、衣服形状製品の裾から52.5cmの高さまでグラデュエーション効果のあるシークイン刺繍を施せるように…

事業者のプロフィール

事業者名ケイ・エム企画株式会社
所在地群馬県 桐生市
業種繊維工業
技術分野機械制御,機械制御
従業員数39人
資本金4,500万円
設立1987年

事業の背景

ファッション業界では、デザイナーの2次元スケッチを立体の服に設計するパタンナーが不足しており、CGの発展で新世代デザイナーが増える一方、育成に時間がかかる。中堅・若手デザイナーには高級既製服を素材として与え装飾デザインをさせる方式が広がり、縫製済み製品への刺繍ニーズが急増している。海外市場は年率7.6%で成長しており、当社は国内同業他社が狙うアッパーミドル層ではなく欧米のラグジュアリ層をターゲットとしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術縫製済みの衣服形状製品の裾から30cm以上高い位置に、デザイン性の高い刺繍を直接施す技術が従来機では不可能だった。
  • 品質・精度新型機による3mmシークインは最初の試作で100%不良となり、マイクロシークインでの不良率の高さが課題だった。

やったこと

袋物用の刺繍機を導入し、当社独自のマイクロシークイン技術を高度化して、衣服形状製品の裾から30cm以上高い位置にデザイン性の高い刺繍を直接施す技術を確立した。新型機による3mmシークインは、最初の試作では100%不良だったが、当社独自のノウハウを投入して検証と解析を重ね調整した結果、100個のシークイン刺繍を実施し不良を1個まで改善した。Tシャツへの刺繍試作では柄の位置を裾から52.5cmの高さまで問題なく刺繍でき、グラデュエーション効果も確認できた。2mmシークインは現状確認にとどめた。

加工機袋物刺繍機(新型機)

新しい製品・サービス:グラデュエーション効果を持たせたシークイン刺繍の技術

事業の効果

  • シークイン不良率(3mm) 100%→1%
  • 生産性 148分→72分
  • 裾から52.5cmの高さまで刺繍可能(目標は裾から30cm以上)

新型機の導入により、衣服形状製品の裾から52.5cmの高さまでグラデュエーション効果のあるシークイン刺繍を施せるようになった。色の変化が従来機の段差的な変化に比べて徐々に変わるよう改善された。生産性は従来機より51%向上し、3mmシークインの不良率は1%となった。これにより、既製服への高度な刺繍ニーズに応える体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    袋物刺繍機の導入とマイクロシークイン技術の高度化が目的と書かれ、過去の技術蓄積との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧米ラグジュアリ層を狙う戦略と、国内同業他社がアッパーミドル層を狙う点との比較が具体的に書かれ、競争優位の方向性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    縫製済み製品への刺繍ニーズ増加という課題を認識し、生産性51.4%向上と裾30cm以上の刺繍位置で解決する計画が数値で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性51.4%向上、刺繍位置52.5cm、不良率1%など目標と実績が表で示され、5年後売上2,400万円の目標も数字で明記されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員39人や開発の進め方は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ラグジュアリ層の市場規模100兆円以上、海外市場年率7.6%成長、引き合いが多数ある点などニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作開発の手順(比較試作、3mm技術確立、製品への刺繍、評価)は書かれるが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    衣服形状への直接刺繍とグラデュエーション効果は従来になかった高付加価値化として書かれており、高水準の差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ファッション業界の新潮流やパタンナー不足は書かれるが、国が補助する波及効果や雇用創出への言及は明確でない。

  • 費用対効果3

    生産性向上率や事業化後の売上見込みは示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述は明示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    マイクロシークイン技術の独自性はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外ラグジュアリ市場への進出が書かれ、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    桐生市新里町の所在地は書かれるが、地域の特性を活かした雇用・経済成長への貢献の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回確立した技術により引き合いは数多く来ている。過去の実績から確度が高いと予想されるのは欧州ブランド、国産ブランド各1社で、この2社を軸に売上を予測しており、事業化から5年後に2,400万円となる見込み。

業種と困りごとが近い成果事例

群馬県製造業平成29年度

冷凍マグロ専用刺身醤油の試作開発

鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。