ものづくり補助金平成24年度福島県

複合化における加工工程間の大幅な集約

有限会社高橋工業所

成果加工時間 100%→65%

この事例のポイント

  • 複数の加工機を使い人や工程が多く介在するため、製品精度に微妙なバラつきが生じていた。
  • NLX2500の複合加工機を導入し、従来は4台の機械で行っていた金型加工を1台に集約した。
  • 加工時間 100%→65%。4台の加工機を1台に集約したことで加工時間全体を35%削減する目標を掲げ、段取りの工程数も約1/3に減らすことができた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社高橋工業所
所在地福島県 福島市
業種一般機械器具製造業
技術分野金型
設立1961年

事業の背景

1961年に福島市泉で設立され、50年以上にわたり自動車向けオイルシール金型、機械設備、治工具を主に製造している。最も生産量の多い金型は30年以上の実績を基に専門技術を磨いてきた。自動車業界ではハイブリッド車や電気自動車の低価格競争と低燃費化が進み、より高い精密化、短納期化、低コスト化が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度複数の加工機を使い人や工程が多く介在するため、製品精度に微妙なバラつきが生じていた。
  • 生産能力段取り時間や加工待ちが増え、金型加工のリードタイムを縮めることに限界があった。
  • 納期・工程製品の超高精度化と短納期化という要求に応えるため、加工工程を集約する必要があった。

やったこと

NLX2500の複合加工機を導入し、従来は4台の機械で行っていた金型加工を1台に集約した。マシニングセンターで行っていた等配突起・彫刻加工、ろくろ研磨機で行っていたバリ取り・スジ磨き、研磨機で行っていたインロー・摺合せ加工など計9工程を、複合加工ができるCNC旋盤へ移行した。ミーリング加工を旋盤加工で行えるようにし、各工具のセッティングやプログラミングシミュレーションを積み重ねて連続加工を実現した。工程間の脱着が不要になったことで段取りの工程数を約1/3に減らすことができた。

事業の効果

  • 加工時間 100%→65%

4台の加工機を1台に集約したことで加工時間全体を35%削減する目標を掲げ、段取りの工程数も約1/3に減らすことができた。工程間の脱着が減ったため加工精度が飛躍的に向上し、リードタイムも縮小できた。これにより低コスト化と短納期化につながると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去30年以上のオイルシール金型実績を基に高精度化を進めると書かれ、事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車・産業機械向けの高精度加工を強みとし、ハイブリッド車やEV向けの高精度化・短納期化ニーズに対応すると述べるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決5

    加工時間全体の35%削減、リードタイム約50%削減、段取り工程数1/3という数字で課題と解決策が対応して示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間全体の35%削減という目標を掲げ、リードタイム約50%削減に成功したと具体的数値で実績を示している。付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    熟練職人による加工や増産体制の構築に触れるが、人材配置や事務処理体制の具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    オイルシール金型の高精度化と低コスト化を価値として示し、自動車・重機など顧客分野も挙げているが、ターゲットの裏付けデータは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    加工データと検査データを蓄積し切削条件の標準化を行う計画と、9工程を複合加工機へ移行する方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    オイルシール金型で高精度化と短納期化を図り、同分野で高水準の高付加価値化を目指す内容が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域経済への波及と地域復興への貢献、新分野(風力・水力発電)への参入に言及するが、国が補助する理由としては具体性が薄い。

  • 費用対効果3

    4台分の工程を1台に集約し加工時間35%削減などの効果が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    技術の自動化を進めると述べるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の具体策はわずかにうかがえる程度。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    風力・水力発電などエコ推進分野への参入に触れており、成長分野への進出の意図がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    福島市工業団地での地域経済への波及と地域復興への貢献を目指すと書かれているが、雇用創出の数字は示されていない。

今後の展望

加工データと検査データを蓄積して比較・検証し、切削条件の標準化を進める。標準化によりリードタイムとプログラミング時間のさらなる短縮を期待している。今後は風力・水力発電などエコ推進事業への新分野参入も視野に入れ、高品質な製品を増産できる安定した生産力を培っていく。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。