ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

高性能内径研削盤の導入による切削・研削加工の技術革新と製造革新(研削代ミニマム化とリードタイム短縮)

有限会社佐藤鉄工所

成果研削時間 8分→5分

この事例のポイント

  • φ150mmを超える大径品は当社の万能型円筒研削盤では加工できず、φ300mmまで加工可能な高性能内径研削盤の導入が課題となっていた。
  • 高性能内径研削盤を導入し、超精密加工と大径加工に対応できるようにした。
  • 研削時間 8分→5分。研削代のミニマム化によりリードタイムが短縮され、短納期対応が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社佐藤鉄工所
所在地岐阜県 美濃市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金500万円
設立1988年

事業の背景

1972年創業の会社で、工作機械メーカーを主要取引先とし、工作機械部品や航空機部品、治工具などの多品種小ロットの機械部品を切削・研削加工で製造している。国内工作機械の大型化に伴い大径部品の引き合いが増加傾向にあった。県内の内径研削盤の保有割合は事業者数の6%(46件)と少なかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力φ150mmを超える大径品は当社の万能型円筒研削盤では加工できず、φ300mmまで加工可能な高性能内径研削盤の導入が課題となっていた。
  • コスト・採算県内では内径研削盤を保有する事業者が少なく、切削加工業者は研削盤を持つ事業者に外注に頼っている状況だった。
  • 納期・工程外面を円筒研削盤で加工後に脱着して万能研削盤で内面を加工していたため、完成時に芯ずれが起きることがあった。

やったこと

高性能内径研削盤を導入し、超精密加工と大径加工に対応できるようにした。NC自動制御でプログラム化し、リピート生産や類似部品の段取り工数を削減した。独自の治具で切削加工すると真円度0.01mmを実現し、研削代0.1mmを可能にした。独自の生産管理システムで材質、加工径、治具、加工条件をデータベース化した。外面と内面を2軸連続加工できる構造とした。

加工機高性能内径研削盤
ソフト生産管理システム

事業の効果

  • 研削時間 8分→5分
  • 加工時間が35%減の高速加工
  • 表面粗さ 1.6s→0.7s
  • 加工可能径 150mm→300mm
  • 研削代 0.3mm→0.1mm

研削代のミニマム化によりリードタイムが短縮され、短納期対応が可能になった。外面と内面の2軸連続加工で芯ずれがなくなり、研削時間も大幅に短縮した。φ150mm以上の研削加工を自社で行えるようになり、外注に頼っていた工程を内製化できた。小回りの利く一貫生産体制が強化され、受注を増やすことが可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    工作機械部品や航空機部品の多品種小ロット加工を続けてきた経緯が書かれ、内径研削盤導入が自社の事業の延長にあることは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内の内径研削盤保有率は13%(6件)、岐阜県内の保有割合は6%(46件)と数字で示され、同等性能機の納入が少ない点が強みとして読める。

  • 課題の認識と解決5

    φ150mmからφ300mmへの大径化、研削代0.3mmから0.1mmへの縮小、研削時間8分から5分への短縮など数値で課題解決が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    研削代0.05を目指す、要求寸法精度±0.01を実現するなど数値目標があり、加工時間35%減も示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    独自の生産管理システムやデータベース化を行ったとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ハイクォリティー・ロープライス・ハイスピードや短納期対応を掲げ、顧客は工作機械メーカーと書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年度にCNC内面研削盤を導入しテスト中との今後の展開が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    φ300mmの大径内面研削や0.0001度の角度制御など高水準の加工が示されるが、分野の普及度との比較は明示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    大径部品の引き合い増加や航空機部品への言及はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間35%減、研削時間8分から5分への短縮など効果の数字はあるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高精度で高出力の工作機械部品の需要に応える内容だが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    岐阜県内の保有割合に触れ、美濃市の地域事業者として書かれているが、地域経済への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後この成果を活用して研削加工を事業化し、収益拡大を目指す。平成29年度にはCNC内面研削盤を導入し、テーパ加工の高精度化を進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。