ものづくり補助金平成24年度福島県

プリンテッドエレクトロニクスに対応できる高品質スクリーン印刷技術の構築

株式会社アイ・エス・アイ

成果版の価格は1.5〜1.7倍

この事例のポイント

  • 東日本大震災と原発事故で生産拠点の脱福島が進む中、受注が落ち込み、回復の道筋をつける必要があった。
  • 従来の約3億の強度を持つ高強度スクリーン版を開発し、高精細と高い寸法精度の両立を実証した。
  • 版の価格は1.5〜1.7倍。超高強度スクリーン版により多耐久性と寸法精度が大幅に向上し、版在庫の削減と機密技術情報の保護が進む。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイ・エス・アイ
所在地福島県 伊達市
業種印刷・同関連業
技術分野切削加工

事業の背景

当社は紙以外にガラス・プラスチック・ゴム・金属・布にも印刷できるスクリーン印刷(特殊印刷)を主力とし、携帯電話、デジタルカメラ、家電、自動車の内装部品、太陽電池や液晶パネルなどに用途を広げている。東日本大震災と原発事故で生産拠点の脱福島が加速したことが逆風となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力東日本大震災と原発事故で生産拠点の脱福島が進む中、受注が落ち込み、回復の道筋をつける必要があった。
  • 品質・精度最先端分野のメーカーからの受注を増やすため、他社にないオンリーワンの独創的なスクリーン印刷技術を確立する必要があった。
  • 新製品・新技術既存のスクリーン版では耐久性が低く、伸びによる寸法精度の低下や版在庫の多さが課題だった。

やったこと

従来の約3億の強度を持つ高強度スクリーン版を開発し、高精細と高い寸法精度の両立を実証した。メッシュ強度が高まったことでインキやペーストの高粘弾性化が可能になり、インキダレ幅0.005〜0.008mm以内を達成した。社内テストの結果、版の価格は1.5〜1.7倍、版の耐久性は数倍となった。開発したスクリーン版は地元企業にも供給して利活用できる環境を整え、東北スクリーン・デジタル印刷協同組合の仲間とともに技術の普及を図った。

新しい製品・サービス:超高強度スクリーン版

事業の効果

  • 版の価格は1.5〜1.7倍
  • インキダレ幅0.005〜0.008mm以内を達成

超高強度スクリーン版により多耐久性と寸法精度が大幅に向上し、版在庫の削減と機密技術情報の保護が進む。多不良歩留まりの格段の改善も見込まれ、高細線印刷へ踏み切る条件が整う。最先端分野のプリンテッドエレクトロニクスや光学機器メーカーとの受注増につなげ、福島・東北での微細化印刷の拠点形成を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    スクリーン印刷に専念する方針と、高精細印刷技術を確立する取組が一貫して述べられている。過去の取組との連続性は示されるが具体的な年次の記載は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約3倍の強度の高強度スクリーン版を開発し、版の耐久性は数倍、インキダレ幅0.005〜0.008mm以内を達成したと競争優位の根拠が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    版の在庫削減や不良歩留まりの改善効果、新規開拓先との関係強化が述べられるが、課題認識に対する事業計画の数値は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    社内テストで版価格1.5〜1.7倍、耐久性数倍とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    携帯電話、家電、自動車部品、太陽電池、液晶パネルなど用途と、電子デバイス・光学機器メーカーをターゲットとする明確な記述がある。

  • 事業化までの道筋2

    今後は新規開拓先との関係を深めると方向性は示されるが、スケジュールや課題の解決方法の記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    従来比で最細線0.085mmの高細線印刷を実現し、高粘弾性インキで世界トップクラスの加飾印刷を実現したと高付加価値化が数値で示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    東北の地元企業とスクリーン版を共有し地域への根づかせを図るとあり、地域波及の意図は読み取れるが雇用や需要創出の数値はない。

  • 費用対効果2

    版在庫削減や不良歩留まり改善の効果は述べられるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    プリンテッドエレクトロニクス分野への展開や地域企業との利活用が述べられるが、デジタル技術やビジネスモデルの記載は乏しい。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    プリンテッドエレクトロニクス分野への進出が述べられ、成長分野への展開の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    福島・東北の地域に根ざし、地元企業と技術を共有する方針が示されているが、地域経済成長への数値的効果は書かれていない。

今後の展望

電子デバイス・光学機器メーカーなどの新規開拓先との関係を深め、プリンテッドエレクトロニクス分野での受注増に努める。福島でスクリーン印刷に専念し、希望ある分野を開拓していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。