ものづくり補助金平成24年度茨城県

高級塗装建材の開発・製品化「ピアノ磨き塗装品を国内・海外へ発信」

株式会社野村アーテック

成果縦吊りで3,500ミリメートルまでのサイズが加工できる塗装ラインを構築した。

この事例のポイント

  • 塗装のピアノ磨き塗装は、切断の際に塗装が欠けることがあり、早急な対応が必要だった。
  • 塗装技術の一つであるピアノ磨き塗装の切断時の欠けを防ぐため、新しい手法やデザイン、塗料の開発、工程の見直しを行った。
  • 縦吊りで3,500ミリメートルまでのサイズが加工できる塗装ラインを構築した。第4工場に最先端の設備を導入し、大型製品の塗装が可能になり、大型化する発注にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社野村アーテック
所在地茨城県 水戸市
業種繊維工業
技術分野塗装
従業員数65人
資本金5,000万円
設立1940年

事業の背景

野村アーテックは1940年に創業し、エレベーターに関する塗装をメインに、一般工業塗装やリニューアルによる既存エレベーターの塗り替え、補修塗装などを行ってきた。エレベーターの塗装は図面通りに板金加工された金属製品に塗装して納入するのが一般的である。一方、内装材は現場寸法に合わせて現場でカットすることが多く、高級感のある塗装の需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度塗装のピアノ磨き塗装は、切断の際に塗装が欠けることがあり、早急な対応が必要だった。
  • 新製品・新技術切断に耐える加工性、抗菌などの機能性、美しいデザインの意匠性を兼ね備えた塗装を生み出す必要があった。

やったこと

塗装技術の一つであるピアノ磨き塗装の切断時の欠けを防ぐため、新しい手法やデザイン、塗料の開発、工程の見直しを行った。自己修復性や抗菌性のある塗料の効果を実験し、刃物でカットする際の塗料および素材の選定や条件出しを行った。サンプルは茨城県工業技術センターへ持ち込み、性能の確認を行った。最新の第4工場に最先端の設備を導入し、縦吊りで3,500ミリメートルまでのサイズが加工できる塗装ラインを構築した。

加工機縦吊り塗装ライン(第4工場)

新しい製品・サービス:高級塗装建材(エレベーターの面材として使用可能な塗装建材)を試作開発し、後に製品化したアートコーティングパネル。

事業の効果

  • 縦吊りで3,500ミリメートルまでのサイズが加工できる塗装ラインを構築した。

第4工場に最先端の設備を導入し、大型製品の塗装が可能になり、大型化する発注にも対応できるようになった。一つの発注に必要な大量の部品を均一に塗装できる技術を確立した。塗装する材料を鉄以外のステンレスやアルミなどに広げ、エレベーターだけでなく内装全体に対応できる塗装技術を持つことができた。アートコーティングパネルという自社製品も誕生し、デザイナーや設計事務所への販路拡大を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    1940年創業でエレベーター塗装を主力とし、新技術や設備導入で内装全般へ展開する流れが一貫して読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ホテルや商業施設など高級内装の需要や、エレベーターメーカーからの高評価という強みに触れている。数値による裏付けは少ない。

  • 課題の認識と解決4

    切断時の塗装欠けという課題を認識し、素材選定や条件出しを工業技術センターで性能確認したと記載がある。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    3,000〜3,500mmの大型加工に対応したとあるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員65名、4工場を持ち、県の工業技術センターとの連携で試作・性能確認を行った体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高級感や抗菌・自己修復性などの機能を、ホテルや商業施設などの顧客向けに訴求する点が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    内装全般への展開や海外販路拡大を今後の方向性として示すが、具体的なスケジュールや課題解決手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    鏡面仕上げは周囲が映り込む高級感が特徴で、各メーカーから高評価を得ていると書かれ、高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    大型化や内装への展開に触れるが、雇用創出や経済波及効果など国が補助する積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加、生産性向上の数値がなく、費用対効果は事例から判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    印刷・箔・CGを組み合わせた特殊塗装を生んだと記載があるが、先端的デジタル技術の活用や地域イノベーションは限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    内装分野への進出や海外展開に触れるが、日本経済の構造転換に資するという説明は薄い。

  • 地域経済への波及2

    水戸市の工場を拠点とし茨城県の工業技術センターを活用したと記載があるが、地域の雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は内装全般にも技術を投入して販路拡大を目指し、日本だけでなく世界への販路拡大も目指す。

事業者の声

一加工業者という立場から、塗装をブランド化し、この塗装を使いたいと思われるようになりたいです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。