ものづくり補助金平成24年度栃木県

歯科用プライヤー(錨子)ジョイント部加工の生産性向上と品質向上を図る加工の開発

株式会社シオダ

成果プライヤー1本あたりの加工時間 5分→2分

この事例のポイント

  • 歯科用プライヤーのジョイント部分の加工は汎用工作機械で行い手間と時間がかかり、コストダウンが難しかった。
  • ターンテーブル付きの縦型マシニングセンタを新規に導入し、既存の加工ジグや加工方法の課題を徹底的に解析した。
  • プライヤー1本あたりの加工時間 5分→2分。加工時間が1本5分から2分に短縮され、1人で日産120本を加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シオダ
所在地栃木県 那須烏山市
業種業務用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数50人
資本金1,000万円
設立1952年

事業の背景

当社は歯科医師や歯科技工士が使う歯科用プライヤーなどの歯科用インスツルメントを製造販売している。プライヤーなどの製品は近年、欧米企業のほか中国などの新興国からの安価な輸入品が増えており、全体の6割以上は輸入品ともいわれている。当社は国内で唯一、鍛造からの一貫生産を行っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算歯科用プライヤーのジョイント部分の加工は汎用工作機械で行い手間と時間がかかり、コストダウンが難しかった。
  • 人手・技能加工は熟練工が神経を使う切削作業で行っており、熟練工への依存が大きかった。

やったこと

ターンテーブル付きの縦型マシニングセンタを新規に導入し、既存の加工ジグや加工方法の課題を徹底的に解析した。3DCADを用いたプライヤー図面データから専用加工ジグをシミュレーションし、固定方法や固定装置などを検討して専用ジグを独自に開発した。新規導入したマシニングセンタに開発したジグを取り付けて検証と試作加工を行い、鍛造加工品も確実に固定できること、加工時間、精度、面の粗さが目標値に達していることを確認した。導入したマシニングセンタはパレット方式で、1面加工中に次の面の段取りを安全に行え、予備起動スイッチで自動的に2面目の加工が始まるため加工時間のロスがない。

  • 加工機ターンテーブル付き縦型マシニングセンタ
  • その他専用加工ジグ

事業の効果

  • プライヤー1本あたりの加工時間 5分→2分
  • 1人あたりの日産 50本→120本

加工時間が1本5分から2分に短縮され、1人で日産120本を加工できるようになった。これまで5人体制で日産100本の加工を行っていたが、少人数で生産できるようになり、新しい機器類の導入を踏まえても大幅なコストダウンが実現した。加工面の粗さも大幅に改善し、組み立て後のジョイントの動きが良くなったことで作動調整時間も短縮できた。ジョイント部分の短時間で安定した加工により製造できる製品の種類に幅が生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鍛造からの一貫生産が国内で唯一とあり、60年以上の伝統と技術力を強みとしているが、事業戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    輸入品が全体の6割以上とされる中で、鍛造からの一貫生産を優位点とし、価格競争力と品質向上で差別化する方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ジョイント部加工に7工程・1本5分を要した課題を、マシニングセンタとジグ開発で1本2分、1人日産120本へ改善したと書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1本5分から2分、1人日産50本から120本への改善など数値目標と実績が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    熟練工や社内で治具を開発した記述はあるが、補助事業を遂行する人材体制や事務処理能力については具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    歯科医師からの多岐にわたる要望や扱いやすい医療器具という方向性は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ジグの検証と試作加工、条件出しの改善、加工品数の拡大に取り組む流れは書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ジョイント部の加工精度や面の粗さを改善し高付加価値化を図る方向は読み取れるが、分野の普及度や価格水準の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    輸入品に対抗し海外販売を進める方針はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    1人日産50本から120本への生産性向上と大幅なコストダウンが示され、投資に対する効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    マシニングセンタとジグ開発による生産改善は読み取れるが、デジタル技術の活用がサプライチェーンや地域へ与える貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    栃木県那須烏山市に所在することはうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出については書かれていない。

今後の展望

条件出しの改善などに取り組み、さらに日産量を増やすとともに、プライヤーのさまざまな形状に対応して加工できる品数を増やしていく。価格競争力の強化と品質向上により輸入品との差別化を図り、海外販売も進める。

事業者の声

創業以来、私たちは常に「患者様に選ばれる器具づくり」を目指してきました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。