ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

「強み」を生かした一貫受注加工体制の構築による競争力の強化

株式会社藤原製作所

成果1人あたり機械持ち台数 1.67台→2台

この事例のポイント

  • 既存設備のキャパシティが低く、取引先からの加工要請に応えられず新規受注を断らざるを得なかった。
  • 熱処理後の難削材を高精度(寸法、面粗度、表面処理)に加工できるよう、新型の精密ワイヤ放電加工機を導入した。
  • 1人あたり機械持ち台数 1.67台→2台。一貫受注加工体制の構築により、加工費の削減と納期短縮が実現し、取組み前に比べ20%以上納期を短縮して失注を削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社藤原製作所
所在地京都府 京丹後市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数20人
資本金5,000万円
設立1985年

事業の背景

主に輸送用機械器具の精密機械部品の機械加工を行い、近年は高度医療や航空宇宙の分野でも売上を伸ばしてきた。難加工技術を生かした部品加工が売上全体の半数を占めている。取引先の海外進出などで、将来的に国内には加工の難しい部品が残ると見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備のキャパシティが低く、取引先からの加工要請に応えられず新規受注を断らざるを得なかった。
  • 人手・技能従業員の多能工化が遅れ、工場全体の効率化に課題があった。
  • 生産能力熱処理後の難削材加工まで含めた一貫受注体制の構築が必要だった。

やったこと

熱処理後の難削材を高精度(寸法、面粗度、表面処理)に加工できるよう、新型の精密ワイヤ放電加工機を導入した。最新設備の機能と、材料特性を踏まえた送り速度や切り込み量などの切削条件調整の技術を融合させ、微細形状加工や特殊形状加工も可能にした。併せて熟練社員によるOJTを2週間に1回、2時間程度継続実施し、実際の受注品をテーマに就業時間内で実践的研修を行った。1人あたり平均1.67台だった機械持ちを6か月で2台まで引き上げることを目標に取り組んだ。

加工機精密ワイヤ放電加工機

事業の効果

  • 1人あたり機械持ち台数 1.67台→2台

一貫受注加工体制の構築により、加工費の削減と納期短縮が実現し、取組み前に比べ20%以上納期を短縮して失注を削減できた。コロナ禍で自動車用部品の受注が減少した後も、新規取引先を含め注文を確保し、難削材加工の注文が増えてワイヤ放電加工機は高稼働を維持している。従業員の機械持ちは2台以上になり、人材育成も順調に進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来の難加工技術を強みとし、難削材加工が売上全体の半数を占めると記載されており、既存の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難加工技術と納品スピードを強みとし、導入後は取組前に比べ納期を20%以上短縮して失注を削減したと具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    新規受注を断らざるを得ない課題を認識し、熱処理後の難削材まで含む一貫受注体制の構築で解決する方針が明確に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1人あたり機械持ち台数を1.67台から6か月で2台に引き上げる目標や24時間稼働の目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制4

    熟練社員によるOJTを2週間に1回・2時間程度継続実施し、従業員の機械持ちが2台以上になったと人材育成の実績が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高度医療、航空宇宙、半導体製造装置など顧客分野と、高精度・微細形状・特殊形状加工という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    取引先の海外進出を見越した将来課題に対し、2020年の工場新設、2022年の5軸機導入など時期を示した遂行手順が読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    難削材を寸法・面粗度・表面処理で高精度に加工できる点が書かれているが、市場での普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域の雇用拡大や高校生インターン受け入れ、京丹後の地域課題解決への貢献が記載されているが、波及効果の定量的な裏付けはない。

  • 費用対効果3

    加工費削減と納期短縮の効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は記載がない。

  • イノベーションへの貢献2

    新型ワイヤ放電加工機の導入は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンの連携に関する記述はわずかにうかがえる程度である。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    半導体製造装置や次世代リチウムイオンバッテリー製造設備用部品への展開が書かれているが、構造転換への寄与は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    京丹後市での地域貢献、高校生の工場見学、丹後機械工業協同組合の活動への参画が書かれているが、地域経済の成長効果の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体や次世代リチウムイオンバッテリーの製造設備用部品の製造も行っており、いずれ10パレット仕様により24時間稼働・夜間無人化まで生産性を向上させることを目標にしている。2020年7月に新設した大場工場に2024年10月に増築して機械を集約し、今後も事業承継を進めていく。

事業者の声

「困った時の藤原製作所」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。