ものづくり補助金平成24年度栃木県

インテリジェントフォーミングマシン導入による生産プロセス強化

村田発條株式会社

成果カムの設計・製作コスト削減額 約25万円(カム5セット分)

この事例のポイント

  • 取引先の海外生産シフトに伴い売上高が減少している。
  • サーボ機構を用いたNCマシンのインテリジェントフォーミングマシンIF60を導入した。
  • カムの設計・製作コスト削減額 約25万円(カム5セット分)。カム設計・製作が不要となり、金型製作のコスト低減、リードタイム短縮、段替え時間の短縮が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名村田発條株式会社
所在地栃木県 宇都宮市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数298人
資本金8,000万円
設立1943年

事業の背景

同社は自動車関連の売上が全体の86%を占める金属ばね製造会社で、エンジン部品、クラッチ部品、ブレーキ部品を製造している。製品別では圧縮コイルばねが51.1%、板ばねが25.5%を占める。板ばねの比率は低く、フォーミング加工部門の売上は全社の約6%にとどまっていた。取引先の海外生産シフトによる売上減少が最大の課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑取引先の海外生産シフトに伴い売上高が減少している。
  • 生産能力板ばねの販売を拡大するには生産プロセスを強化する必要があった。
  • 人手・技能フォーミング加工には高いスキルを持つ熟練工が必要だった。
  • コスト・採算従来のカム方式では金型製作にカムの設計製作が必要で、コストとリードタイムがかかっていた。

やったこと

サーボ機構を用いたNCマシンのインテリジェントフォーミングマシンIF60を導入した。従来のカム駆動方式(ZUB220)と異なり、カムの設計製作が不要で、NCデータで動作する。これにより金型製作のコスト低減、リードタイム短縮、段替え時間の短縮、より複雑な形状の製品成形が可能になった。導入後は入社1年目の新人が加工を担当できるようになった。

  • 加工機インテリジェントフォーミングマシン IF60

事業の効果

  • カムの設計・製作コスト削減額 約25万円(カム5セット分)
  • リードタイム短縮 約2週間(金型設計・製作・トライ)
  • 段替え時間 166分→76分

カム設計・製作が不要となり、金型製作のコスト低減、リードタイム短縮、段替え時間の短縮が実現した。段替え時間は166分から76分へ約50%短縮し、カム5セット分の設計・製作コストとして約25万円を削減した。加工の担当者も熟練工から新人に広がった。今後は薄板ばねの受注を獲得し、2年後にフォーミング加工部門の月売上を4,500万円へ増やすことを目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    自動車関連が売上の86%を占め、卵形断面ばねの開発など過去の取組から板ばね拡販への流れが一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    卵形断面ばねの世界的評価は強みだが、板ばねは比率が低く、強みの活用は板ばねには十分示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    海外生産シフトによる売上減少を課題として明示し、月売上3,500万円から2年後4,500万円という数値目標を置いている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    月売上1,000万円増という目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員298名、資本金8,000万円などの体制情報はあるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質・コスト・納期の改善で薄板ばねの受注獲得を目指すと述べ、自動車向けディスクブレーキ用の拡販先も示している。

  • 事業化までの道筋2

    2年後の売上目標はあるが、中長期の検証や遂行スケジュール、課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    板ばね比率25.5%、フォーミング部門約6%と低い状況が示されるのみで、高水準の高付加価値化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地元の栃木県での生産高向上と雇用拡大を目指すとあるが、波及効果を数値で示す記述はない。

  • 費用対効果3

    カム設計費約25万円削減、リードタイム約2週間短縮、段替え時間50%短縮など効果は数値で示されるが、補助金投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献3

    サーボ方式のNCマシンでNCデータにより動作する点は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外生産シフトへの対応として新たな得意分野を作るとあるが、成長分野への進出や構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    栃木県宇都宮市の地元企業として生産高向上と雇用拡大を目指すとあるが、地域特性を活かした付加価値創出の説明は薄い。

今後の展望

栃木県での生産高向上と雇用拡大を目指し、自動車向けディスクブレーキ用薄板ばねの拡販に取り組んでいる。2年後にフォーミング加工部門の月売上を1,000万円増の4,500万円とする計画である。

  • 目標:フォーミング加工部門の月売上 3,500万円/月→4,500万円/月

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。