ものづくり補助金平成24年度群馬県

水環境浄化とコスト低減を両立した使用済切削加工油廃液処理装置の開発

シンコージャパン株式会社

成果A値(水中の油分量の指標) 0.3→0.05

この事例のポイント

  • 水溶性切削油の廃液は産業廃棄物として処理されており、取引先の切削加工会社では水溶性切削油の液交換に年間約360〜720万円がかかっている。
  • 従来の角型から円形状の電極に変更し、電流分布の均一化と付着物の剥離性向上を図った。
  • A値(水中の油分量の指標) 0.3→0.05。電解処理により、10分間の処理後に目視でも確認できるレベルまで排水が浄化され、屈折計では水と同様の数値が得られた。

事業者のプロフィール

事業者名シンコージャパン株式会社
所在地群馬県 太田市
業種電気機械器具製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数18人
資本金3,000万円
設立2010年

事業の背景

金属加工業の切削工程では、加工の高速化に伴う部品の熱影響や工具の摩耗を抑えるため、水溶性の切削油が用いられている。水溶性切削油は、水で希釈して使えるためコスト面で油性に比べ優位性があり、難燃性であるため火災防止に有効であることから主流となっている。一方で、繰り返し使われて劣化した廃液や交換後の水溶液は、すべて産業廃棄物として処理されている。取引先の切削加工会社では、水溶性切削油の液交換だけで年間約360〜720万円に上る。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算水溶性切削油の廃液は産業廃棄物として処理されており、取引先の切削加工会社では水溶性切削油の液交換に年間約360〜720万円がかかっている。
  • その他水溶液中に細菌が発生して腐敗すると、人への影響や悪臭、機械のサビの原因となる。
  • その他廃棄物の量をいかに減らすかが深刻な課題となっている。

やったこと

従来の角型から円形状の電極に変更し、電流分布の均一化と付着物の剥離性向上を図った。電極に50Hz以下の振動を与える構造を採用し、有機物の分離・浮上・沈降に係る処理速度の向上を図った。大電流電源の課題であったスイッチングによる剥離性の低下を防ぐため、直流の極性を高速で切り替える制御とパルススイッチング機能を搭載した。電解分離槽下部に透明度センサーを設置し、群馬産業技術センターの協力のもと、処理排水の浄化度測定技術の精度向上に取り組んだ。

新しい製品・サービス:使用済切削加工油廃液処理装置

事業の効果

  • A値(水中の油分量の指標) 0.3→0.05

電解処理により、10分間の処理後に目視でも確認できるレベルまで排水が浄化され、屈折計では水と同様の数値が得られた。A値は当初0.3から0.05以下に低減し、浄化後にはほとんど油分が残っていないことが示唆された。水溶性切削廃液中の油分3%はほぼ100%が分離捕集された。分離された油は有価物の重油相当品として収益につながり、装置の投資額も主要取引先の年間廃液処理費用と比べて短期間での償却が可能である。

今後の展望

本事業で得られた技術を活用した湿式集じん装置(浄化機能付)の販売を進めていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。