ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

医療機器向け安全装置用特殊ブレーキの量産化による海外受注拡大

株式会社協和精工

成果両面ラップ盤導入により月間56時間の時間短縮を実現した。

この事例のポイント

  • 摩擦材を外部から調達しており、コスト削減のために自社開発が必要だった。
  • 信州大学、工業試験場、協力工場の協力を得て、ブレーキ用の新しい摩擦材料を自社で開発した。
  • 両面ラップ盤導入により月間56時間の時間短縮を実現した。独自の摩擦材の開発により他社や海外メーカーとの差別化を図り、摩擦板の自社生産によりコストを削減できる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社協和精工
所在地長野県 高森町
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数140人
資本金3,500万円
設立1966年

事業の背景

電磁マイクロ・クラッチ・ブレーキの開発・製造メーカーで、製品の多くは顧客の求めに応じたオーダーメイドである。10年ほど前までは下請けとして製造を担っていたが、親会社の撤退を受けて技術導入を図った。摩擦板は国内でほぼ一社独占の状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算摩擦材を外部から調達しており、コスト削減のために自社開発が必要だった。
  • 生産能力東日本大震災の時に摩擦板の供給が一時的にストップし、自社で生産できる体制が求められた。

やったこと

信州大学、工業試験場、協力工場の協力を得て、ブレーキ用の新しい摩擦材料を自社で開発した。若手技術者を中心に素材選択から研究開発に取り組み、試行錯誤の末に実用可能な材料を完成させた。平成27年5月末時点では医療機器向け安全装置用ブレーキの量産体制を整え、両面ラップ盤を導入して製品精度を改善した。さらにタッピングセンターを導入し、月産約10,000個の増産を可能にした。

新しい製品・サービス:ブレーキ用新摩擦材料、医療機器向け安全装置用特殊ブレーキ

事業の効果

  • 両面ラップ盤導入により月間56時間の時間短縮を実現した。
  • タッピングセンター導入により月産約10,000個の増産が可能となった。

独自の摩擦材の開発により他社や海外メーカーとの差別化を図り、摩擦板の自社生産によりコストを削減できる見込みである。両面ラップ盤の導入で製品精度が改善し、月間56時間の時間短縮が実現した。タッピングセンターの導入により月産約10,000個の増産が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    親会社撤退を機に電磁ブレーキの開発・製造へ移行し、摩擦板の自社開発に取り組んでいると書かれ、事業の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内ではほぼ一社独占で、震災時の供給停止を機に自社開発へ挑んだとあり強みの方向は読めるが、市場分析の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    震災時の供給ストップという課題認識と摩擦板の自社開発という対応は書かれているが、事業計画の数値や高付加価値化の見通しは薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月間56時間の時間短縮や月産約10,000個の増産可能など数値は示されるが、付加価値増加や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    若手技術者中心の開発や大学・研究機関との連携はうかがえるが、人材配置や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器・半導体分野向け特殊ブレーキや海外顧客からの評価は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    摩擦板の量産に向けた課題の存在はうかがえるが、中長期のスケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療機器向け特殊ブレーキや両面ラップ盤による精度改善など高付加価値分野の取組が具体的に書かれ、国内で一社独占とある。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外受注の拡大や医療・半導体分野への展開はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    ものづくり補助金の設備投資後に月間56時間短縮と月産約10,000個増産、受注20%増など費用対効果を示す数字がある。

  • イノベーションへの貢献2

    両面ラップ盤やタッピングセンターの導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高森町の企業として障害者6人が活躍する雇用の記述はあるが、地域特性を活かした成長牽引としての位置づけは薄い。

今後の展望

カールツァイス社への納入は仕様変更により現段階で受注に至っていないが、今後も摩擦材の開発を続け、量産技術とコストの課題解決を進める。

事業者の声

高い性能が要求され、数も出ないので国内ではほぼ一社独占。開発をスタートして、まずこんなのはできないと思いました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。