ものづくり補助金平成25年度製造業島根県

バックヨーク付きスロットレスDCブラシレスモータの試作開発

松江電装 株式会社

この事例のポイント

  • 医療設備などでは振動が性能に影響するが、国内のモータメーカーは滑らかに回るDCブラシレスモータに対応していない。
  • ブラシ付きコアレスモータとDCブラシレスモータのそれぞれの利点を取り入れ、バックヨーク付きスロットレスDCブラシレスモータを開発した。
  • 設計目標とした定格回転数18000r/min、最大効率70%の性能を目指し、多岐にわたる性能検査で安定した結果を得た。

事業者のプロフィール

事業者名松江電装 株式会社
所在地島根県 松江市
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数60人
資本金3億円
設立1977年

事業の背景

小型DCモータ市場ではブラシ付きコアレスモータが主流だが、最重要部品であるブラシの寿命が問題になっている。そのため近年はブラシを使わないDCブラシレスモータへの移行が進んでいるが、構造上滑らかな回転に問題がある。創業以来小型モータを製造してきた当社は、医療設備市場への進出を目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術医療設備などでは振動が性能に影響するが、国内のモータメーカーは滑らかに回るDCブラシレスモータに対応していない。
  • 品質・精度DCブラシレスモータは構造上、滑らかな回転に問題がある。
  • 生産能力コイルの自社製作に必要な機械の導入が不可能になり、コイルは専門メーカーから購入することになった。

やったこと

ブラシ付きコアレスモータとDCブラシレスモータのそれぞれの利点を取り入れ、バックヨーク付きスロットレスDCブラシレスモータを開発した。ステータにはブラシ付きコアレスモータのコイル巻線方法を、ロータにはブラシ付きコアレスモータのステータ構造を利用した。目標は定格回転数18000r/min、最大効率70%とした。開発過程で特性検査機を用いて多岐にわたる性能検査を行った。

検査測定特性検査機

新しい製品・サービス:バックヨーク付きスロットレスDCブラシレスモータ(高速DCブラシレスモータ)

事業の効果

設計目標とした定格回転数18000r/min、最大効率70%の性能を目指し、多岐にわたる性能検査で安定した結果を得た。開発を通じて当社の技術者がブラシレスモータに関する技術を習得した。医療分野進出の足がかりを得て、国内製人工呼吸器などの開発機運の高まりにも期待が持てる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の小型モータ製造と、医療設備市場進出という方向性が書かれており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内メーカーが対応していない医療向け市場の空白に言及し、創業時からの考え方を強みとしているが、市場規模などの数字はない。

  • 課題の認識と解決3

    ブラシレスモータの回転の滑らかさという課題を認識し、医療分野進出という高付加価値化の方向は示されるが、事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    定格回転数18000r/min、最大効率70%の目標を設定し、多岐にわたる性能検査で安定した結果を出したと記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員60人、一貫生産体制、技術者の技術習得に触れるが、補助事業の遂行体制を具体的に示す記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器の回転の滑らかさ・高速・高効率・高寿命というニーズと、海外製のみという状況が書かれ、選ばれる理由がうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    コイルを外部購入に切り替えた経緯はあるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内では対応していない医療向け高速DCブラシレスモータで、海外製のみという高付加価値・新分野の位置づけが読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    国内製人工呼吸器などの開発機運の高まりに期待するとあり、国内製造への波及がうかがえるが、数値による効果は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ステータとロータの構造を組み合わせた新しい設計を採用したことがうかがえるが、デジタル技術や地域への貢献は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療分野という成長が見込まれる分野への進出が示され、構造転換の方向性がうかがえるが、政策との関連は薄い。

  • 地域経済への波及2

    松江市の本社・工場での一貫生産に触れるが、地域の特性を活かした付加価値創出としては具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

人工呼吸器やCPAPなどの医療機器には、滑らかで高速・高効率・高寿命なDCモータの要求があるが、現在その全てが海外製で国内製は見当たらない。国内初の医療分野進出に向け、新たな展望が開けた。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。