ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

電子ペーパーを表示素子に利用した表示用モジュール国内生産体制の構築

群馬電機株式会社

この事例のポイント

  • 自動販売機などの各種器具機械のメッセージ表示部はLED素子やLCD素子が主流だが、常時通電のため待機電力のロスが発生している。
  • 電子ペーパー素子の要求仕様策定と試作評価を行い、電子ペーパー駆動用の薄型集積回路の仕様策定と試作評価を行った。
  • 表示部全体のコストは既存LCD表示部に比べ目標の10%減を上回り11%減を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名群馬電機株式会社
所在地群馬県 群馬県みどり市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数130人
資本金9,930万円
設立1968年

事業の背景

自動販売機などの各種器具機械のメッセージ表示部にはLED素子やLCD素子の利用が主流となっている。これらは省エネ化が進んでいるものの、常時通電で待機電力のロスが発生している。LCD表示搭載自販機は2011年度より3万台/年の割合で設置されているが、東日本大震災の影響もあり、さらなる省エネ化の要望が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算自動販売機などの各種器具機械のメッセージ表示部はLED素子やLCD素子が主流だが、常時通電のため待機電力のロスが発生している。
  • 生産能力電子ペーパー表示部を国内で生産する体制がなく、生産体制を海外から国内に戻すことが求められていた。
  • コスト・採算表示部のメッセージ表示にはコストダウンの要請があった。

やったこと

電子ペーパー素子の要求仕様策定と試作評価を行い、電子ペーパー駆動用の薄型集積回路の仕様策定と試作評価を行った。その後、集積回路のプリント基板への実装技術を開発した。パルスヒート装置のヘッド形状、加熱冷却温度、押し圧力、押し圧力時間などを選定・評価し、表示部の消費電力を既存LCD比45%減となるよう測定・検証した。さらに既存LCD比10%減となるようコストを算出・検証し、環境性能評価と生産性評価を実施した。熱衝撃試験では、上部未試験品に対し下部試験品で電子ペーパーの表示不良が発生したが、発火やガラス欠けなどの危険状態にはならないことを確認した。

検査測定低温恒温恒湿器
加工機パルスヒート熱圧着装置
ソフト基板最適化ソフトウェア

新しい製品・サービス:電子ペーパーを表示素子に利用した表示用モジュール

事業の効果

表示部全体のコストは既存LCD表示部に比べ目標の10%減を上回り11%減を達成した。表示部の消費電力は既存LCD比45%減を実現し、待機時は無通電となることで電力ロスを減らせるようになった。表示部の品質は問題なく、信頼性と生産性を高めて生産可能なレベルに達した。2015年1月には表示部消費電力削減に関する特許を申請し、大日本印刷との連携で国内生産体制の構築を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は書かれておらず、既存LCD製品の省エネ化の延長として位置づけられる程度しかうかがえない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自販機市場で既存LCD取引があり、電子ペーパーはLEDの1/100以下の消費電力と記載され、強みと市場ニーズの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    待機時の消費電力ロスと海外生産からの国内回帰が課題として示され、表示部消費電力45%減などの数値目標で解決策が具体的。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    表示部消費電力45%減、コスト10%減の目標に対し11%減を達成したと数字で示され、実現可能性が高いと読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    試作評価の工程や導入設備は書かれるが、人材や事務処理体制についての記載は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自販機・道路表示・小売店の顧客ターゲットと単価、2020年9月期の売上見込みが書かれ、選ばれる理由も整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    5段階のステップと熱衝撃試験による信頼性確認、試作品の評価手順が記載され、遂行方法が具体的に読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    表示素子として電子ペーパーを国内生産する取組で、LED・LCDが主流の分野で新しい高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国内生産体制の構築や海外からの国内回帰が示されるが、雇用や波及効果の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    消費電力削減率やコスト削減率は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は記載がない。

  • イノベーションへの貢献2

    電子ペーパー駆動の集積回路や基板最適化ソフトの活用はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    省エネ化と国内生産回帰はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年9月期には自販機分野で6億円、道路建物向け表示機で2,000万円、小売店等店舗用表示機の分野で2,500万円の売り上げを見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。