ものづくり補助金平成24年度群馬県

塗料ミストの固液分離処理システムの性能向上による環境負荷の低減

株式会社 トータル エス・ケー

成果SS(懸濁物質)が平均91.5%低減した

この事例のポイント

  • 既存の固液分離処理システムは、急激な水質悪化などの不測の事態が起きると処理性能が低下する。
  • 固液分離処理を行う前の循環水に対し、事前振とう処理(事前処理)を施す方式の有効性を確認するため、ゼータ電位・粒径測定システムを導入し、比較条件下で実験を行った。
  • SS(懸濁物質)が平均91.5%低減した。事前処理により、塗料ミストの固液分離処理性能が格段に向上したことを確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 トータル エス・ケー
所在地群馬県 群馬県伊勢崎市
業種その他の製造業
技術分野塗装
従業員数11人
資本金1,000万円
設立2003年

事業の背景

自動車メーカー等の塗装工程では、ボディに付着する塗料は60%程度で、残りの塗料ミストは塗装ブースと循環ピットを流れる循環水で洗浄されている。この循環水は固液分離処理を経てリサイクルされるが、水性塗料は水への可溶性が高く、主流の液体薬品を用いた方法では装置の大型化や処理効率の低さが課題となっていた。当社の粉末凝集剤を使用したシステムは処理性能の高さから大手自動車メーカー等で既に採用されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の固液分離処理システムは、急激な水質悪化などの不測の事態が起きると処理性能が低下する。
  • コスト・採算その状況を補うため、粉末凝集剤の追加使用や液体薬品の併用に頼っている。
  • 生産能力水性塗料は水への可溶性が高く、主流の液体薬品を用いた方法では装置の大型化や処理効率の低さが課題となっている。
  • その他塗装工程で製品に付着しない余剰塗料の廃棄物(塗料スラッジ)排出量を削減する必要がある。

やったこと

固液分離処理を行う前の循環水に対し、事前振とう処理(事前処理)を施す方式の有効性を確認するため、ゼータ電位・粒径測定システムを導入し、比較条件下で実験を行った。群馬大学と共同研究を行い、流動解析等による検証を通じて最適な事前処理方法を探求し、固液分離処理性能を向上させるためのデモ機の設計・製作に取り組んだ。当初は提撹機による事前処理を検討したが、凝集性の向上が見られなかったため、デモ機の試作では提撹機ではなく水中ポンプを活用した方式で開発を行った。

新しい製品・サービス:水中ポンプを活用した事前処理方式を備えた固液分離処理システム(デモ機)

事業の効果

  • SS(懸濁物質)が平均91.5%低減した
  • NTU(濁度)が95.0%低減した
  • 塗料スラッジの含水率が平均2.4%低減した
  • 粉末凝集剤の使用時に薬品使用量が約17.6%削減した

事前処理により、塗料ミストの固液分離処理性能が格段に向上したことを確認できた。水質面ではSSと濁度が大きく下がり、塗料スラッジの含水率と薬品使用量も減った。これにより塗装工場の産業廃棄物排出量の削減に寄与する見込みである。

今後の展望

今回目標に対する一定の成果は得られたが、事前処理の効率をさらに向上させるなど改良の余地は残っていると思われる。事業終了後も研究・改良を重ね、特許の権利化までを視野に入れ、固液分離処理システムの性能向上に努めていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。