ものづくり補助金平成25年度製造業滋賀県

廃水処理発生余剰汚泥の省エネ・コンパクト・リサイクル処理装置開発

株式会社アオヤマエコシステム

成果300から400kgの汚泥を投入した場合、投入した全ての汚泥が48時間で粉末化(含水率20~30%)できるようになった。

この事例のポイント

  • 下水処理場の余剰汚泥は含水率が80%以下にならず、焼却や埋め立ての処分で大きな問題となっている。
  • 活性酸素利用処理技術を応用し、余剰汚泥を短時間で粉末化する装置を開発した。
  • 300から400kgの汚泥を投入した場合、投入した全ての汚泥が48時間で粉末化(含水率20~30%)できるようになった。試作装置を下水処理場に設置した試験で、300から400kgの汚泥が48時間で粉末化できることを実証した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アオヤマエコシステム
所在地滋賀県 大津市
業種その他の製造業
技術分野製造環境
従業員数13人
資本金4,000万円
設立1976年

事業の背景

公共下水・工業排水処理で発生する余剰汚泥は、微生物の細胞膜の分解が難しく含水率が80%以下にならない。含水率の多さから焼却や埋め立てが世界的な問題となっており、埋め立てには広大な場所、焼却には多量のエネルギーが必要である。これまでは生ごみ処理装置を改造した装置で実験を行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力下水処理場の余剰汚泥は含水率が80%以下にならず、焼却や埋め立ての処分で大きな問題となっている。
  • コスト・採算水分の蒸散能力を改良しない限り装置のイニシャルコストが高くなり、商談の成立は厳しいと考えられている。
  • 生産能力ターゲット市場の下水処理場では1台当たり少なくとも1日10t以上の処理能力が必要であり、現状の装置では要求処理能力に届いていない。

やったこと

活性酸素利用処理技術を応用し、余剰汚泥を短時間で粉末化する装置を開発した。最大4tの汚泥を投入、撹拌、分解できる試験装置を試作し、撹拌機は実験機の1軸型からスケールアップのため2軸型とした。汚泥の投入・取り出し装置を設けて連続処理を可能にし、排気の集塵・脱臭装置、空気の供給・排出量と槽内温度を操作する操作盤を備えた。滋賀県の湖南中部浄化センターに設置し、150kgから4tの汚泥を投入して処理実験を行い、処理条件をモニタリングする監視システムも導入した。

加工機汚泥処理試験装置(汚泥粉末化装置)
ソフトROS監視システム
その他集塵・脱臭装置
その他投入・取り出し装置

新しい製品・サービス:汚泥処理装置(汚泥を粉末化する装置)

事業の効果

  • 300から400kgの汚泥を投入した場合、投入した全ての汚泥が48時間で粉末化(含水率20~30%)できるようになった。

試作装置を下水処理場に設置した試験で、300から400kgの汚泥が48時間で粉末化できることを実証した。スケールアップした装置での乾燥・粉末化が確認でき、ROS監視システムにより稼働状況の24時間管理や安全管理、データ集積による処理条件の最適化が容易になり、装置管理が非常に楽になった。一方、風量や槽内温度の調整、臭気や水分を処理する設備の追加が必要と分かった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の生ごみ処理装置の改造実験から発展した開発という経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは記載されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外販売を目論むことや下水処理場の余剰汚泥排出量は書かれているが、競争優位性に関わる自社の強み・弱みの記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    含水率80%以下にならない課題を明示し、粉末化による焼却・埋立て負担の軽減を目標にしており、課題認識は具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    最大4トン投入で48時間で含水率20~30%に粉末化できたと具体的な数値があるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数13人と水処理事業部の担当者名が示される程度で、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは一つの下水処理場で100~200t/日の余剰汚泥が出る処理場とされ、装置1台あたり10t/日以上の能力が必要と明示されている。

  • 事業化までの道筋3

    温度と風量の調整、臭気・水分対策の付加、継続試験による改良という課題と対応は書かれるが、スケジュールの詳細は不明。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    汚泥の粉末化装置は一般的に普及していない分野で、既存焼却・埋立てに代わる新しい処理方式として位置付けられている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    埋立て用地の不足や焼却の多量エネルギーという社会課題に触れるが、波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果2

    処理能力や初期コストへの言及はあるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ROS監視システムを導入しデータ集積による処理条件の最適化を実証したと書かれ、デジタル活用の一端がうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    環境・エネルギー分野の成長分野型と記載されるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

水分の蒸散能力を改良し、ターゲット市場の要求処理能力(1台当たり1日10t以上)を達成するため、試運転期間中に継続した試験と改良を行う予定である。海外での販売を目論んでいる。

  • 目標:汚泥の含水率 80%→20%

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。