ものづくり補助金平成24年度群馬県

鉄道車両内装部品向け研磨アルマイト品の長尺物の量産型完全自動バフ研磨機の開発と生産革新

株式会社アルザック

成果アルマイト処理の不良率 80%→5%

この事例のポイント

  • 鉄道車両業界の増産体制に応えるため、バフ研磨工程の供給能力を高める必要があった。
  • 鉄道車両内装部品の広告レール(4メートル長尺物)の三面研磨加工を標準作業として、試作した自動研磨機と手動研磨で工数と研磨品質を比較した。
  • アルマイト処理の不良率 80%→5%。4軸制御完全自動バフ研磨機の導入により、アルマイト処理の不良率が大きく下がり、再処理が大幅に減って不良金額とトータルコ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルザック
所在地群馬県 伊勢崎市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数9人
資本金1,100万円
設立1964年

事業の背景

株式会社アルザックは鉄道車両内装部品向けの研磨アルマイト品を主力とし、旧東急車両より新規参入を促されて成長してきた。JR東日本の翼下となった総合車両(旧東急車両)の製作車両本数は年産200両から400両体制に移行しつつある。鉄道車両のバフ・アルマイト品のシェアは10%程度であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉄道車両業界の増産体制に応えるため、バフ研磨工程の供給能力を高める必要があった。
  • 人手・技能バフ研磨職人の高齢化が進み、供給不安があった。
  • 品質・精度意匠性の高い部材は難易度が高く、手動研磨では不良率が高かった。

やったこと

鉄道車両内装部品の広告レール(4メートル長尺物)の三面研磨加工を標準作業として、試作した自動研磨機と手動研磨で工数と研磨品質を比較した。4軸制御完全自動バフ研磨機を設計し、B軸駆動のインデックス装置と回転テーブルを搭載し、加工面ごとに加工条件とXYZB軸の座標位置を設定できる構成とした。機械製作はアイシン工設に依頼し、動作の正確さを確認した上で加工条件を洗い出し、バフ研磨機と制御系を調整した。その後、剛性の低い部材にも対応できるよう改良し、機械稼働率を高めた。

加工機4軸制御完全自動バフ研磨機

新しい製品・サービス:4軸制御完全自動バフ研磨機

事業の効果

  • アルマイト処理の不良率 80%→5%
  • 全数を良品にするまでのコストは、新工程では手動研磨の32分の1となった。
  • バフ焼け不良率 40%→3%
  • ダイス目残り 25%→1%
  • バフむら 15%→0%
  • 修熟期間は半年程度から2週間程度になった。
  • 機械の多台持ち 1台→3台
  • 再処理合計本数 32本→1本
  • 不良金額 29,120円→910円
  • 長尺物の長さ 3,000mm→4,000mm
  • 幅 100mm→230mm

4軸制御完全自動バフ研磨機の導入により、アルマイト処理の不良率が大きく下がり、再処理が大幅に減って不良金額とトータルコストが大きく減少した。工数の差は小さかったが、加工形状によっては同時二面研磨ができて工数削減につながった。修熟期間の短縮、機械の多台持ち、作業の安全性と清潔さ、作業負荷の軽減といった効果も生まれ、加工できる長尺物のサイズも広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧東急車両からの新規参入促進を受け、バフ・アルマイト品の分野で成長してきた経緯が書かれている。経営戦略との明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    バフ研磨職人の高齢化による供給不安と、鉄道車両の製作本数増加(年産200両から400両)を外部環境として踏まえ、シェアを10%から30%へ拡大する方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    アルマイト後の不良率80%、再処理合計32本、不良金額29,120円という課題を示し、自動研磨で不良率5%、不良金額910円に改善する計画が具体的。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    不良率を80%から5%以下に改善する目標、2013年9月期の売上高倍増目標、シェア10%から30%への拡大など数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員9人の規模は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    意匠性の高い東京メトロ1000形向け貫通路柱など顧客・製品が明確で、意匠性の多様化への対応というニーズも書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    4軸制御完全自動バフ研磨機の試作、機械製作の外注、動作確認、改良の流れが書かれ、修熟期間も2週間程度と示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    手動研磨で不良率80%の工程を自動化し、意匠性の高い部材の高付加価値化を図っている点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道車両の増産体制への供給責任を果たす点は触れられているが、雇用創出や波及効果についての記述は薄い。

  • 費用対効果5

    全数良品にするまでのコストが手動研磨の32分の1になり、再処理本数が32本から1本に減るなど費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動バフ研磨機による研磨工程の自動化は示されているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    鉄道車両部門を成長部門と位置付けている点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2013年9月期の売上高倍増を目指し、鉄道車両部門では増産体制への供給責任を果たし、バフ・アルマイト品のシェアを10%程度から30%程度に拡大する計画である。2019年9月期には処理能力の拡大を背景に鉄道車両を成長部門と位置づけ、シェア拡大を図っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。