ものづくり補助金平成24年度千葉県

生体質感造形と3Dモデリング技術を用いた胸腔鏡・胸郭モデルの商品開発

株式会社ファソテック

この事例のポイント

  • 既存の手術トレーニングのうちドライラボは箱の中にスポンジなどで作った臓器を入れるため、形状や質感がリアルでなく、手術の練習として十分ではなかった。
  • CTおよびMRIで胸腔鏡・胸郭モデルに必要な臓器部位を細密に撮影し、大学病院の撮影方法を活用した。
  • 共同研究者の慈恵医科大学や日本内視鏡学会のメンバーから、実際と同じ手術機器でトレーニングでき、胸郭や臓器が実寸で位置関係も再現されているとの評価を得た。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ファソテック
所在地千葉県 千葉市美浜区
業種情報サービス業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数140人
資本金2.659億円
設立1983年

事業の背景

当社は工業分野の顧客に3次元技術でものづくりを支援するエンジニアリング会社である。中小企業が新規事業として医療分野に取り組むには、基礎研究や商品開発費が大きな課題だった。売上高は34億8百万円(平成25年度)である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の手術トレーニングのうちドライラボは箱の中にスポンジなどで作った臓器を入れるため、形状や質感がリアルでなく、手術の練習として十分ではなかった。
  • コスト・採算ウェットラボは動物を使うため、臓器の調達や保管のコストがかかり、動物実験室も必要で、手軽に練習できなかった。
  • 品質・精度動物は人間の臓器と形状や質感が違い、動物愛護団体との関係で実験しづらい流れもあった。
  • 新製品・新技術ドライラボとウェットラボの両方の欠点を補う、実際に近い質感と形状をもつ新しいトレーニングモデルが必要とされていた。

やったこと

CTおよびMRIで胸腔鏡・胸郭モデルに必要な臓器部位を細密に撮影し、大学病院の撮影方法を活用した。当社の3次元化技術を使い、撮影データからトレーニング用の胸郭と内部臓器を設計し直し、3Dプリンターが受け取れるデータに変換した。3Dプリンターで試作を行い、臨床医のテスト結果を素早く反映させるとともに、特許取得済みの生体質感造形の技術で臓器に質感を持たせた。完成品は小ロット多品種の製作に向く真空注型方式でシリコン型を使って製作した。

新しい製品・サービス:胸腔鏡・胸郭モデル(商品化バージョン1)

事業の効果

共同研究者の慈恵医科大学や日本内視鏡学会のメンバーから、実際と同じ手術機器でトレーニングでき、胸郭や臓器が実寸で位置関係も再現されているとの評価を得た。経済産業省の『新・ものづくり研究会』の報告書に医療分野の事例として記載され、国立科学博物館の特別展『医は仁術』に展示採用された。商品化バージョン1を販売し、医師の評価とテストマーケティングを進めている。

今後の展望

手術支援として、手術前に患者の画像データからモデルを作成し、予行に使う。複数の症例モデルを作って外科医が症例を共有できるようにする。手術トレーニングから手術ナビゲーションや手術シミュレーションへ応用を広げ、独自性を生み出して真似されない戦略を考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。