ものづくり補助金平成24年度千葉県

電子部品実装用導電性接着剤の低価格化

ニホンハンダ株式会社

成果体積抵抗率 0.068Ω·cm→0.0079Ω·cm

この事例のポイント

  • 接着剤の主原料である銀は希少な金属で価格が高騰しており、コストダウンの強い要求があった。
  • マイクロリアクター装置を用い、2枚の回転円盤の狭い隙間に反応液を導入して栗状ニッケル微粒子の試作を行った。
  • 体積抵抗率 0.068Ω·cm→0.0079Ω·cm。栗状ニッケルフィラーを用いることで、通常形状ニッケルフィラーの導電性接着剤より導電性が一桁向上した。

事業者のプロフィール

事業者名ニホンハンダ株式会社
所在地千葉県 東京都黒田区
業種非鉄金属製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数85人
資本金2,436万円
設立1944年

事業の背景

当社は電子部品実装用の接合材料を主力とし、超微粒子の研究を行ってきた。エレクトロニクス実装では銀系導電性接着剤がはんだより低温で接合できるため用途が拡大しているが、銀の価格は高騰している。ニッケルは銀に比べて30分の1未満の価格であり、銀を置き換えられれば大きなコストダウンになる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算接着剤の主原料である銀は希少な金属で価格が高騰しており、コストダウンの強い要求があった。
  • 品質・精度銀をニッケルで置き換えた従来の導電性接着剤は安価になるが、導電性が2桁低く銀の代わりにはならなかった。
  • 新製品・新技術従来のニッケルフィラー導電性接着剤は、唯一導電が取れれば良いという限られた用途にしか適用されていなかった。

やったこと

マイクロリアクター装置を用い、2枚の回転円盤の狭い隙間に反応液を導入して栗状ニッケル微粒子の試作を行った。装置の回転数500rpm、1700rpm、3500rpmの条件で生成物を比較し、推定反応式に基づく溶液の基本配合と最適運転条件を見いだした。還元剤4種類を比較し、粒子サイズと還元力から最も良い還元剤を選定した。試作した栗状ニッケル微粒子を樹脂A、樹脂B、硬化剤、有機溶剤と配合して導電性接着剤を作り、予備加熱80℃10分、本加熱150℃60分で評価した。さらにペースト状とは別にシート形態の接着剤を試作して評価した。

新しい製品・サービス:栗状ニッケルフィラー導電性接着剤(シート状を含む)

事業の効果

  • 体積抵抗率 0.068Ω·cm→0.0079Ω·cm

栗状ニッケルフィラーを用いることで、通常形状ニッケルフィラーの導電性接着剤より導電性が一桁向上した。ニッケルは酸化しやすいため表面処理が必要である。シート状にすると体積抵抗率は9.8x10-4Ω·cmとなり、銀フィラー導電性接着剤に近い水準に達した。機能的に銀を代替できるニッケル系接着剤を開発でき、銀の代替によるコストダウンが期待できる。

今後の展望

顧客による信頼性検討と、顧客の製造プロセス変更への対応、産業材マーケティングが今後必要である。担当者は開発を継続し、優位性のある製品に仕上げることが期待されている。

事業者の声

中小企業においては、有望なシーズ技術があっても、経営資源不足から製品化検討がなかなか出来ないのが現状です。そんな時にものづくり補助金の支援を得ることができ、特異な製品の開発検討に取り組むことが出来ました。今後、担当者には開発を継続させ優位性のある製品に仕上げることを期待しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。