ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

航空宇宙分野に使用される脆性材料の精密研削加工の高度化

夏目光学株式会社

この事例のポイント

  • 航空宇宙分野の更なる市場開拓のため、精密研削加工の高度化が課題となっていた。
  • 高性能多軸加工機及びCAD/CAMを導入し、精密研削加工の新技術を開発した。
  • 高品質加工が短納期で供給可能となり、従来ユーザーの掘り起こしと新規顧客獲得につなげる。

事業者のプロフィール

事業者名夏目光学株式会社
所在地長野県 飯田市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工
従業員数189人
資本金6,000万円
設立1947年

事業の背景

同社は戦後メッキ事業で創業し、レンズ加工へ業態転換した。昭和40年代に取引先倒産のあおりで企業存続の危機を経験し、特定業種にとらわれず様々な形のレンズを様々な分野に販売する営業スタンスに転換した。電機・電子業界をはじめ、医療、自動車、航空・宇宙関連など幅広い業界と取引している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力航空宇宙分野の更なる市場開拓のため、精密研削加工の高度化が課題となっていた。

やったこと

高性能多軸加工機及びCAD/CAMを導入し、精密研削加工の新技術を開発した。具体的には『加工条件のデータベース化』『複雑形状加工への取り組み』『加工精度の向上』に取り組んだ。導入した5軸NC加工機と最新CAD/CAMにより、より複雑かつ高精度な製品づくりに取り組んだ。

事業の効果

高品質加工が短納期で供給可能となり、従来ユーザーの掘り起こしと新規顧客獲得につなげる。5年後には売上規模を現在の3倍以上にすることを目指している。複雑かつ高精度な製品づくりで「世界品質」を実現している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    戦後のメッキ事業から光学レンズへの業態転換や自動研磨機の自社開発など過去の取組は書かれているが、本補助事業との一貫性の説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社がつくれない製品に挑み、通信・半導体向けボールレンズで世界トップの品質と量を目指すと書かれ、強みは読み取れるが弱みの分析はない。

  • 課題の認識と解決2

    課題は精密研削加工の高度化と記されるが、解決策の事業計画の詳細は書かれておらず、高付加価値化の実効性は読み取りにくい。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に売上規模を現在の3倍以上にする目標が明記されており、数値目標はあるが付加価値額や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    平均年齢36歳、階層別教育やOJT、ジョブローテーションを実施と書かれ、体制の一部は読み取れるが事務処理体制は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空宇宙・通信・半導体など用途と、高品質を短納期で供給できる点、新規顧客獲得の方針が書かれており、顧客ターゲットは読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    加工条件のデータベース化や複雑形状加工への取組は書かれるが、スケジュールや中長期の課題検証の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自由曲面の研削・研磨や短波長対応の結晶体加工など、同分野で高精度・高付加価値のレンズ製造を行うことが具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空宇宙・半導体・通信など幅広い産業への供給が書かれるが、地域経済波及や雇用創出への言及はほぼない。

  • 費用対効果3

    5年後に売上3倍以上という目標はあるが、補助金額に対する付加価値増加額などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸NC加工機と最新CAD/CAMの導入は書かれるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は具体的に示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体の高集積化や航空宇宙分野への進出が書かれ、成長分野への展開はうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    飯田市に本社を置く点は書かれるが、地域の特性を活かした付加価値創出や地域成長への言及は読み取れない。

今後の展望

5年後に売上規模を現在の3倍以上にすることを目指す。

事業者の声

難しい開発に頭を悩ませることが技術を伸ばす原動力。今、光通信用のボールレンズで世界トップの品質と量を生産・供給する目標を掲げ、それが達成できつつあります。また短い波長対応の結晶体加工技術を高めることで、半導体の高集積化と高精度化にさらなる光の技術発展に貢献していると自負し、世界の競合社と勝負しています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。