ものづくり補助金平成25年度製造業石川県

(油圧ポンプ/モータの世界市場獲得を目指すための)鉛フリー銅合金によるバイメタル製品の量産化・管理技術の開発

株式会社明石合銅

成果主要成分のスズの変動範囲を11±1.0%以内

この事例のポイント

  • 鉛フリー青銅合金は摺動部材として適した品質を安定して得がたく、量産製品には至っていなかった。
  • 鉛フリー銅合金による摺動部材用バイメタル製品の量産化に向け、分析機器を整備した。
  • 主要成分のスズの変動範囲を11±1.0%以内。鉛フリー青銅合金を用いたバイメタル製品の量産体制の確立を目指し、製造・管理技術を高度化した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社明石合銅
所在地石川県 白山市
業種非鉄金属製造業
技術分野材料製造プロセス,複合・新機能材料
従業員数240人
資本金6,000万円
設立1946年

事業の背景

当社は銅合金鋳物及びバイメタル製品を製造販売しており、建設機械部品や油圧機器部品などを主力としている。油圧機器の高速・高圧化に対応するため、鉄系材料に銅合金を接合したバイメタル製品を開発し、国内建設機械市場でトップクラスのシェアを得ている。環境規制の高まりから鉛フリー青銅合金の需要が見込まれるが、量産化には至っていなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度鉛フリー青銅合金は摺動部材として適した品質を安定して得がたく、量産製品には至っていなかった。
  • 生産能力量産試作では湯回り不良やガス欠陥があり、歩留まりが悪かった。
  • コスト・採算量産段階でコストダウンのためリターン材を高配合で溶解すると、溶湯成分や金属組織が安定しなかった。

やったこと

鉛フリー銅合金による摺動部材用バイメタル製品の量産化に向け、分析機器を整備した。溶湯管理と金属組織制御などの製造・管理技術を高度化し、主要成分のスズの変動範囲を11±1.0%以内、共析組織の面積率を20〜50%とすることを目標とした。耐焼き付き性(PV値)3000MPa・m/min以上、硬さHRB60以上、コストアップ幅5%以内の達成を目指し、短期間で量産体制の確立を図った。

その他分析機器

新しい製品・サービス:鉛フリー青銅合金によるバイメタル製品

事業の効果

  • 主要成分のスズの変動範囲を11±1.0%以内
  • 金属組織中における共析組織の面積率を20〜50%
  • 耐焼き付き性(PV値)3000MPa・m/min以上
  • 硬さHRB60以上
  • コストアップ幅5%以内

鉛フリー青銅合金を用いたバイメタル製品の量産体制の確立を目指し、製造・管理技術を高度化した。上記課題は工程や工法の改善により徐々に解決され、量産され実績を上げつつある。欧州からも問い合わせがあり、試作品を納品して良い評価を得ている。欧州の鉛フリー規制も追い風となり、今後の受注増が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉛青銅LBC3の試作納入実績や鋳造技術のノウハウを基に、鉛フリー青銅の量産化へ進む流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内建設機械メーカーでトップクラスのシェアを持つことや、欧州の鉛フリー規制を追い風に受注増を期待する点から、外部環境と自社の強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    湯回り不良・ガス欠陥による歩留まり低下という課題を挙げ、工程・工法改善で量産を進めるとし、コストアップ幅5%以内の目標も示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    スズ変動範囲11±1.0%、共析組織面積率20〜50%、PV値3000MPa・m/min以上、HRB60以上、コストアップ幅5%以内と数値目標が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制3

    石川県工業試験場との共同開発や分析機器の整備は書かれているが、人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    欧州からの問い合わせや試作品納品での良い評価に触れ、鉛フリー規制という需要の裏付けがあり、顧客からの評価も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産段階の課題と改善の方向は書かれているが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    鉛フリー青銅は世界初として注目され、鉛青銅と同等以上の性能を持つ高付加価値材料であることが示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    鉛規制強化や部品調達の国際化への対応、国内外での特許取得を通じた競争力強化は書かれているが、波及効果や雇用創出は明示されていない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加の数値は示されておらず、コストアップ幅5%以内の目標があるのみで費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    分析機器整備や溶湯管理・金属組織制御の高度化はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    油圧機器の高性能化や鉛フリー規制への対応は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

欧州の鉛フリー規制の追い風もあり、今後鉛フリー青銅合金の受注増が期待されている。

事業者の声

我が社は、独自の技術をベースに高機能部品を製造する、ものづくりの会社です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。