ものづくり補助金平成24年度千葉県

近距離大気/ガス計測のための超小型ライダーの開発

株式会社トリマティス

成果装置サイズは220x260x350mmである。

この事例のポイント

  • 現在のライダー技術は地球規模の長距離観測用で、装置は大型で価格も数億円規模のため、近距離の計測市場には使えない。
  • 小型近距離ライダーシステムの開発・試作として、電気回路、光学系、装置設計・試作、装置評価の4項目に取り組んだ。
  • 装置サイズは220x260x350mmである。試作により近距離・超小型ライダーのプロトタイプが完成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トリマティス
所在地千葉県 市川市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数16人
資本金9,952万円
設立2004年

事業の背景

当社は光技術と制御回路技術を得意とし、光高速制御・総合技術を応用した製品の開発・設計・製造・販売を主な事業としている。2013年度の売上高は2億628万円である。従来の長距離ライダーより、工場排気や中国のPM2.5問題などを背景に、近距離ライダーの市場は成長が見込まれると判断した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現在のライダー技術は地球規模の長距離観測用で、装置は大型で価格も数億円規模のため、近距離の計測市場には使えない。
  • 生産能力工場排気や大気中の微粒子など近距離の大気計測には、採取して測定する方法が主流で、大気の分布や粒子の流れを計測できない。

やったこと

小型近距離ライダーシステムの開発・試作として、電気回路、光学系、装置設計・試作、装置評価の4項目に取り組んだ。電気回路では発光素子駆動回路について容量と抵抗によるチャージ回路やFET駆動回路などの回路性能を比較し、発光素子のインダクタンス成分を考慮して回路シミュレーションで高速駆動部を最適化した。光学系はシミュレーションを用いてレンズ系の小型化と効率化を図った。装置全体を設計して小型・高性能化を図り、総合性能を評価した。

新しい製品・サービス:光技術を応用した近距離・超小型ライダー装置。工場排気や粉塵などの環境アセスメント、硫化水素などの有害ガスの災害回避計測を想定している。

事業の効果

  • 装置サイズは220x260x350mmである。
  • 計測可能距離 100m→150m

試作により近距離・超小型ライダーのプロトタイプが完成した。発光素子駆動パルス幅は3ns以下、受光信号処理の測定時間幅は5ns以下を達成し、繰り返し周波数は100kを超えた。計測可能距離は目標の100mを超えて150mまで確認でき、500m程度の能力があると推定している。今後は事業化を視野に市場動向を見ながら開発を推進し、他のアプリケーションへの応用も検討する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    光通信分野で培った技術をライダーに応用した経緯が書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    PM2.5や工場排気の計測など市場ニーズは述べられているが、競合との比較や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    事業化を視野に市場動向を注視すると述べるのみで、課題の認識や高付加価値化につながる事業計画の具体性は読み取れない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、計測距離150m・500m程度の推定といった技術性能しか示されていない。

  • 事業を進める体制2

    社長と担当者の名前は出るが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    粉塵や工場排気物、PM2.5、硫化水素など顧客ターゲットと用途が具体的に示され、ニーズの裏付けも述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    電気回路・光学系・装置設計・評価の4項目と今後の事業化方針は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の数億円規模の長距離ライダーに対し、超小型・近距離の装置で新市場を狙う点が、サイズ220x260x350mmなど具体的な数値で示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    環境アセスメントや有害ガスからの災害回避、PM2.5による健康被害など社会的意義は述べられているが、経済波及や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    光通信技術を応用したセンサー技術でリモート逐次観測を可能にする点は示されるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    環境・防災分野への関心の高まりに触れるのみで、日本経済の構造転換に資するという記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

本装置で粉塵などの工場排気物やPM2.5の計測が可能であり、環境問題への関心の高まりから市場の需要は小さくないとみている。今後は事業化を視野に入れ、市場動向を注視しながら開発を続け、基礎技術を他のアプリケーションへ応用することを検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。