ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

クリームハンダ工程の自動化による高精度化及び短納期体制の強化

株式会社タケハラ電子

成果製品1枚あたりの印刷から検査までの時間 712秒→329秒

この事例のポイント

  • 0603サイズのチップ部品に対応するため、表面実装の精度を上げる必要があった。
  • 印刷から検査まで全自動化したクリームハンダ印刷機を、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を利用して導入し、平成31年1月29日から稼働させた。
  • 製品1枚あたりの印刷から検査までの時間 712秒→329秒。印刷機の導入で印刷精度が上がり、印刷から検査までの時間が大幅に短くなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タケハラ電子
所在地愛知県 名古屋市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数8人
資本金1,100万円
設立1989年

事業の背景

タケハラ電子はプリント基板に半導体チップ部品を搭載する表面実装を手がけ、従業員8人で産業機械メーカーから多品種少量生産の仕事を請け負っている。スマートフォンの普及や自動車の電動化によりチップ部品の小型化が加速し、主流の1005サイズに加え0603サイズの需要が増えていた。平成30年にチップ部品メーカーから1005サイズは生産終了すると告げられ、同社は危機感を持った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術0603サイズのチップ部品に対応するため、表面実装の精度を上げる必要があった。
  • 品質・精度手作業のクリームハンダ印刷では作業者の熟練度によって精度にバラつきがあり、0603サイズに必要な±0.05mmの公差に対応できなかった。
  • 人手・技能印刷工程の教育に多大な時間を要し、人手不足と技術継承に課題があった。

やったこと

印刷から検査まで全自動化したクリームハンダ印刷機を、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を利用して導入し、平成31年1月29日から稼働させた。導入後は自動投入機を付け加え、人の作業は基板をマガジンに設置するだけになった。同機は印刷に加えて検査機能も備えている。翌年も補助金を利用して3次元画像検査装置を導入し、高精度な検査体制を整えた。

加工機全自動クリームハンダ印刷機(印刷から検査まで対応)
加工機自動投入機
検査測定3次元画像検査装置

事業の効果

  • 製品1枚あたりの印刷から検査までの時間 712秒→329秒
  • 印刷位置の最大誤差 0.85mm→0.28mm
  • 最終検査後の製品不良率は約6割減少した。

印刷機の導入で印刷精度が上がり、印刷から検査までの時間が大幅に短くなった。誤差が縮まったことで0603サイズへの対応が可能になり、最終検査後の製品不良率は約6割減った。メーカーから請け負える仕事の幅も大きく広がった。印刷工程を自動化したことで人手不足や技術継承の課題も解決につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成30年にチップ部品メーカーから0603サイズ移行を告げられ、0603未対応の危機感から設備導入に至った経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種少量の強みを生かし、産業機械メーカーからの仕事を請け負う体制と、印刷精度向上後の不良率約6割減が示されている。

  • 課題の認識と解決5

    印刷の公差±0.1mmに対し誤差0.85mmが0.28mmへ、印刷から目視検査まで11分52秒が5分29秒に短縮と数値で課題解決が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    誤差を約3分の1に抑え0603対応が可能になった、検査時間の短縮などの数値目標の達成が示されているが、将来の付加価値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員8人で高性能設備を備え、教育時間の削減や人手不足への対応が書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    0603サイズの需要増加と小型化ニーズに応えること、メーカーから請け負える仕事の幅が広がった点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    翌年の3次元画像検査装置導入やISO取得目標が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    約1500万円の機械は即座に導入できなかったため補助金を利用したとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    0603サイズ対応という高精度の表面実装を実現しているが、分野全体の普及度や高価格化の具体的な記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    電子部品の小型化ニーズへの対応と、人手不足や技術継承の課題解決につながった点が書かれ、地域経済への言及は読み取れない。

  • 費用対効果3

    約1500万円の機械導入に補助金を活用し、不良率約6割減や時間短縮の効果が出ているが、費用対効果の定量的な比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    全自動化された印刷と検査の導入で、サプライチェーンのイノベーションに関する記述はわずかにうかがえる程度である。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    名古屋市守山区の企業であることは書かれているが、地域の特性を活かして地域経済を牽引する記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体不足で厳しい状況だが、年末から来年にかけて回復・安定すると見込み、足元を固めたいとしている。ゆくゆくはISO取得を目指している。

事業者の声

弊社くらいの規模でここまで設備をそろえている企業は少ないと思う

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。