ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

サブミクロン金粒子を用いた低温MEMS接合ビジネスの展開

株式会社メムス・コア

成果接合温度 350度→150度

この事例のポイント

  • 新世代デバイスでは低温プロセスが求められるケースが多く、従来35〜50度程度で使われてきた接合材料が使えない可能性が予見されていた。
  • 産業用貴金属製品製造会社が開発した微細金粒子を用いた低温接合プロセス技術の移管を受けた。
  • 接合温度 350度→150度。低温MEMS接合により、従来の成膜プロセスによるパターン形成と比べて材料ロスが少なくなる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社メムス・コア
所在地宮城県 仙台市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工

事業の背景

株式会社メムス・コアは東北大学の江刺正喜教授と半導体装置製造会社の協力によって設立され、MEMSの設計・開発、試作及び製造、製造技術開発、開発受託サービスを行っている。MEMSは医療や電子機器、自動車など多彩な分野から注目を集めるデバイスである。国内でMEMS開発受託に注力する企業は希で、同社は機密保全の観点からあえて自社製品を保有していない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術新世代デバイスでは低温プロセスが求められるケースが多く、従来35〜50度程度で使われてきた接合材料が使えない可能性が予見されていた。

やったこと

産業用貴金属製品製造会社が開発した微細金粒子を用いた低温接合プロセス技術の移管を受けた。ガラスウェハー上にサブミクロン金粒子を封じ枠や電極などの微細パターンとして形成し、パターン転写基盤として利用する。転写プロセスではウェハー同士を貼り合わせてデバイスを製造する。微細パターン形成に加えて無塵環境が求められるため、半導体用顕微鏡のほか、クリーンブース用フィルタユニット等を導入した。

検査測定半導体用顕微鏡
その他クリーンブース用フィルタユニット

新しい製品・サービス:MEMSの低温接合技術を用いた、CMOS LSIとの融合および3次元実装サービス

事業の効果

  • 接合温度 350度→150度

低温MEMS接合により、従来の成膜プロセスによるパターン形成と比べて材料ロスが少なくなる。電気的接続と気密封じを一度に行えるため、実装コストの低下につながるメリットがある。得られた成果を新たな事業の柱に成長させ、CMOS LSIとの融合と3次元実装ビジネスの展開を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    東北大学の江刺教授と半導体装置会社の協力で設立され、産業用貴金属製品メーカーから低温接合技術の移管を受けた経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    機密保全の観点から自社製品を持たず開発受託に注力しており、国内でMEMS開発受託に注力する企業は希少とされる点が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決4

    従来の接合材料は350〜500度で使えなくなる可能性があるという課題を示し、150度程度で行える低温接合で解決を図る方針が明確。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されておらず、実現可能性を判断できる記述はわずかにとどまる。

  • 事業を進める体制2

    大学や装置会社との協力体制は示されているが、人材数や事務処理体制など遂行体制の具体的な記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    150度の低温接合で材料ロスが少なく、電気接続と気密封じを一度に行える点、LSIや電子機器向け3次元実装という対象が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ウェハー貼り合わせによる転写プロセスや無塵環境の必要性は書かれているが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    MEMSは多彩な分野で注目される分野とされるが、3次元実装や低温接合の市場の希少性や高価格化の根拠は具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    医療・電子機器・自動車など多分野に波及する点や、LSIの微細化への貢献が述べられているが、経済波及や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    実装コストの削減に結び付くメリットは述べられているが、補助金投入額に対する効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    新たな低温MEMS接合と3次元実装ビジネスにより、LSIとの融合や電子機器の微細化に貢献し得る先端技術であることが示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    次世代の3次元構造や異種材料接合のデバイスへの対応が述べられ、新デバイス分野への進出が読み取れるが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及2

    仙台市泉区で事業を展開していることは書かれているが、地域の特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述はわずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

低温MEMS接合は150度程度の温度環境下で行われます。従来の成膜プロセスによるパターン形成と比べて材料ロスが少なく、電気的接続と気密封じを一度に行うことができ、実装コストの低下にも結び付くというメリットがあります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。