ものづくり補助金平成24年度千葉県

心房細動治療用電極カテーテルの操作性向上に資する製造プロセスの確立

有限会社日本クレセント

この事例のポイント

  • 心房細動治療用電極カテーテルは海外製品が国内供給の約8割を占め、海外で大量生産されているため医療現場のニーズに応じた細かい仕様変更ができない。
  • 医療現場のニーズを基に、カテーテル電極の凹凸を平らにして血管挿入時の安全性を高める開発と、カテーテル先端部が2方向に可動するハンドルの開発の2点を開発コンセプトとした。
  • 試作品を現場医師に評価してもらった結果、十分に現場で使用できるレベルであるとの意見を得た。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社日本クレセント
所在地千葉県 松戸市
業種電気機械器具製造業
技術分野金型
従業員数3人
資本金300万円
設立1973年

事業の背景

心房細動の患者数は2010年の約80万人から2030年には100万人を超えると予想されており、脳梗塞につながる危険な病気であるため短時間での治療が課題となっている。医療現場の医師からは海外製品の仕様変更や改良への対応不足が指摘されている。海外製品の供給率は全体の8割を占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力心房細動治療用電極カテーテルは海外製品が国内供給の約8割を占め、海外で大量生産されているため医療現場のニーズに応じた細かい仕様変更ができない。
  • 品質・精度海外製品は製品バリエーションが少なく、手術時間が長くなるとの医師の指摘がある。

やったこと

医療現場のニーズを基に、カテーテル電極の凹凸を平らにして血管挿入時の安全性を高める開発と、カテーテル先端部が2方向に可動するハンドルの開発の2点を開発コンセプトとした。電極については海外の医療機器加工装置メーカーから機械装置を選定し、ハンドルは各段階で医師の意見を収集して検証と再設計を行った。機械装置を発注・導入して試作品を製作し、品目仕様の確認、リスクマネージメント、滅菌検証を実施して有効性と安全性を確認した。

  • 加工機医療機器加工装置電極加工用

新しい製品・サービス:心房細動治療用電極カテーテル(電極の凹凸を平らにした電極と、2方向に可動するハンドルを持つ製品)

事業の効果

試作品を現場医師に評価してもらった結果、十分に現場で使用できるレベルであるとの意見を得た。細かい仕様変更ができることも評価された。国内生産により医療現場のニーズに応えることで、海外製品より細やかに先端部が可動するハンドルの設計が完成した。今後は一部変更申請を経て事業化し、現在引き合いのある医師への供給を始め、短納期・小ロット生産で差別化を図る計画である。これにより医療現場での国内生産品の供給率が向上する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来40年医療現場の声を反映したものづくりを行ってきたと述べられ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製品は全体の8割を占めるという市場状況と、医師の意見から国内生産・細かい仕様変更への需要が示されているが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    海外製品の製品バリエーション不足や手術時間が長いといった課題を整理し、国内生産と短納期・小ロット供給で差別化する方向性が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    医師評価で「十分現場で使用できるレベル」とされた点はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    医師の意見収集や医療機器としての検証を行ったと書かれているが、実施体制や人材の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医師の意見に基づき海外製品より細かく先端が可動するハンドル設計と、患者数が2030年に100万人を超える見込みというニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    薬事の一部変更申請、取得後の供給体制整備、学会発表による周知という段階が示されているが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    海外製品が8割を占める中で、国内生産による細かい仕様変更対応と国内メーカーとしてのブランド構築を図るとしており、高付加価値化の方向性が示されている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    医療現場での国内生産品の供給率向上が見込まれると書かれているが、経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    心房細動の患者増加と医療機器の国内生産という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

承認取得後に事業化し、引き合いのある医師への供給を手始めに供給体制を整備する。学会発表等で製品の周知を図り、国内製造の利点を生かして短納期・小ロット生産で海外製品との差別化を図る。

  • 目標:心房細動の患者数 80万人→100万人

事業者の声

十分現場で使用できるレベルである。細かい仕様の変更ができることがありがたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。