ものづくり補助金平成24年度大阪府

上肢リハビリ訓練装置の実用化に向けたコスト低減と利便性の向上

株式会社ERテック

この事例のポイント

  • 上肢リハビリ訓練装置は療法士の施術を省力化するが、装置の利便性向上が求められていた。
  • ER流体クラッチ・ブレーキを用いた上肢リハビリ訓練装置を、特殊なタワー型パソコンからマイコン制御に変えて卓上型にした。
  • 特殊なタワー型パソコンをマイコン化し、装置を卓上型にしたことでコンパクト化とコスト低減、利便性の向上を図った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ERテック
所在地大阪府 箕面市
業種電気機械器具製造業
技術分野動力伝達
従業員数1人
資本金315万円
設立2003年

事業の背景

株式会社ERテックは機能材料ER流体を専門に扱い、リハビリ用途などでの実用化を進めている。国内でER流体を扱う企業はほとんどない。社会の高齢化で脳梗塞患者が増える一方、リハビリ専門医と療法士が不足し、上肢リハビリは下肢に比べて軽視される傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能上肢リハビリ訓練装置は療法士の施術を省力化するが、装置の利便性向上が求められていた。
  • コスト・採算特殊なタワー型パソコンがコスト増加の要因になっていた。
  • 新製品・新技術タワー型パソコンのため新しい訓練ソフトの制作が制限されていた。

やったこと

ER流体クラッチ・ブレーキを用いた上肢リハビリ訓練装置を、特殊なタワー型パソコンからマイコン制御に変えて卓上型にした。狭いリハビリ訓練室でも使える小型化を実現し、新たな訓練ソフトを充実させやすくした。ただしマイコンの単価が期待どおりに下がらないという課題が残った。

  • その他上肢リハビリ訓練装置卓上型マイコン制御基板

新しい製品・サービス:マイコン制御により小型化した卓上型の上肢リハビリ訓練装置

事業の効果

特殊なタワー型パソコンをマイコン化し、装置を卓上型にしたことでコンパクト化とコスト低減、利便性の向上を図った。新たな訓練ソフトを充実させやすくなり、訓練結果を点数化して時系列で表示できる特長も生かし、医療機関に加えて福祉施設での評価も進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    2003年設立からER流体の基礎研究と上肢リハビリ装置の改良を重ねてきた経緯が読み取れ、一貫性はうかがえる。ただ経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ER流体の応答性という独自技術と大学連携は書かれているが、市場動向や競合に対する優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    マイコン化と卓上型化で高コスト化と利便性不足という課題を認識している。ただし販売目標や収益への効果は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員1人の体制で、兵庫医科大学など複数病院との臨床評価や大学連携が進むと書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ニューロリハビリ法による訓練結果の点数化・時系列表示という特長と、療法士不足という課題が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    マイコン化による課題や、MR流体・トレーニング装置への展開方針など今後の方向性は示されている。スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ER流体は国内で扱う企業がほとんどないと明記され、リハビリ用途の上肢訓練装置として高付加価値な分野を狙っている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    脳梗塞患者の増加とリハビリ専門医・療法士の不足という社会課題への対応が書かれている。経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の数字は示されず、コスト低減の方向性のみわずかにうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボットによる支援訓練で療法士の施術を省力化し、医療・介護の現場へ応用している点が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・福祉分野への進出という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及2

    箕面市の企業で大阪大学や関西の病院と連携しているとわずかに読めるが、地域経済への波及は書かれていない。

今後の展望

ER流体の応用をトレーニング装置やMR流体デバイスの販売へ広げ、福祉、介護、医療などの分野で国内外の提携先と開発を進める方針である。

  • 目標:資本金3,150千円(315万円)

業種と困りごとが近い成果事例

北海道平成24年度

焼却炉への長寿命熱電対保護管・鞘の開発

成田社長は、ジェットエンジンやガスタービンなど高温で稼働する部材へのコーティング技術を発展・改良し、宇宙分野の技術を地上の課題に応用した。

効果:保護管の寿命 1倍→3倍

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。