ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

移動時連続測定可能なパルスオキシメータの開発

日本精密測器株式会社

成果移動時連続測定可能率 48.7%→92.3%

この事例のポイント

  • 現状の耳朶式センサーは、歩行・運動時にセンサーがずれて測定できなくなるという課題があった。
  • 耳朶にクリップで装着するセンサーを開発し、軽微な運動や歩行での装着性を改善した。
  • 移動時連続測定可能率 48.7%→92.3%。移動時でも血中酸素飽和度と脈拍を連続測定でき、リハビリ時の運動解析が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名日本精密測器株式会社
所在地群馬県 渋川市
業種電気機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数120人
資本金7,000万円
設立1950年

事業の背景

当社は血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメータを事業化し、国内メーカートップである。主力は指先の毛細血管から測定するフィンガーホルダー型で、安静状態の計測が中心である。2012年度のパルスオキシメータ販売台数は、当社が20.8%、A社が12.9%、B社が12.2%、その他が54.1%だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現状の耳朶式センサーは、歩行・運動時にセンサーがずれて測定できなくなるという課題があった。
  • 新製品・新技術従来型の胸に貼り付ける脈拍計は、歩行速度が時速2.5kmで測定エラーが発生していた。
  • 集客・繁閑リハビリ時など運動中も連続測定できるモニタ機器へのニーズがあるが、既存製品はフィンガーホルダー型の安静時計測のみだった。

やったこと

耳朶にクリップで装着するセンサーを開発し、軽微な運動や歩行での装着性を改善した。患者に負担の少ない構造と運動時の負担の少ない重量を考慮した設計とし、連続した測定が可能となるようセンサーケーブルの仕様を検討した。外観設計、金型設計、回路設計、基盤設計に加え、メインマイコンのソフト、iOSアプリ・PCアプリの開発を行い、総合的にデータを管理できるシステムとした。試作機組み立てに続き、藤田医科大学病院でトレッドミルにより歩行速度を可変して血中酸素飽和度と脈拍の連続測定の臨床試験を実施した。耳朶の接触強度を高めるため0リングを追加し、太陽光の影響を低減するためセンサーカバーを追加した。

検査測定耳朶式パルスオキシメータ

新しい製品・サービス:耳朶式パルスオキシメータ

事業の効果

  • 移動時連続測定可能率 48.7%→92.3%
  • 歩行速度の測定可能上限 2.5km/h→4.5km/h

移動時でも血中酸素飽和度と脈拍を連続測定でき、リハビリ時の運動解析が可能になった。耳朶式パルスオキシメータは例を見ない製品で、藤田医科大学病院の担当医師からシステム含め製品全体で合格点と評価された。今後はトレッドミルやエルゴメータなどの機器とBluetoothで連携し、関連病院や介護施設、在宅医療へ展開する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1950年設立以来のパルスオキシメータ事業の延長として開発したと読めるが、事業戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内メーカートップで、フィンガーホルダー型のみ販売しているという強みと、運動時の連続測定ニーズという外部環境の関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    安静時のみ測定するという現状課題に対し、歩行時の連続測定を実現し、介護施設や在宅医療への展開を計画していると読み取れる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    移動時連続測定可能率92.3%を実現し、目標90%以上をクリアしたと数字で示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    藤田医科大学病院との臨床試験や開発体制が書かれているが、人材や事務処理能力について具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    従来型の測定可能率48.7%に対し92.3%と数字で比較し、医療機関のニーズと顧客ターゲットが明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    BluetoothでのトレッドミルやエルゴメータとのシステムやCO連携計画が書かれているが、スケジュールや期間の記述はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    耳朶式は例を見ない製品で、国内シェアも20.8%と数字で示されており、新市場性が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    在宅医療や介護施設への展開が書かれているが、雇用や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加に関する数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    Bluetooth連携でデータ管理やシステム化を進める点は読み取れるが、イノベーション貢献の度合いは具体的ではない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    在宅医療や遠隔地医療への適用が視野に入っており、わずかに構造転換への関わりがうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

介護施設や在宅医療分野へのアプローチを視野に入れ、追加開発を行い事業化を図る。複合的にモニタ可能なシステムの提案も行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。